【バックナンバー】あなたの会社の出口はどこでしょう?②

昨日は、バックナンバー「あなたの会社の出口はどこでしょう①」をお届けしました。
宣言通り今日はその続きで、「あなたの会社の出口はどこでしょう②」の
バックナンバーです。
出口を考えるとともに、スムーズにその出口から出るには何が必要で、
どのような状況を作り出す必要があるのか。
そこまで含めて、出口について考えてみましょう。

未来創造マネジメントの出口

昨日もお話ししました通り、
基本的に未来創造マネジメントは私の代で終了します。
税理士の仕事が25年先にどんな形になっているか想像つきませんし、
そもそも仕事としてなくなっている可能性も高いですから。
コンサルタントの仕事は向き不向きが明確に出る仕事ですので、
それを息子や娘にやってもらおうとは思っていません。

将来彼らが成長したときに、
彼ら自身が何か事業を起こしたいと思い、そのときに
この未来創造マネジメントという「箱」を使いたい
ということでしたら、
それは大賛成です。
事業内容自体が全くことなるものかもしれませんから、
事業承継とは呼ばないでしょうが。

いずれにしても彼らに承継することを前提にしていませんので、
昨日の記事で書いた通り、
最後の事業終了の日をイメージしながら、
今の事務所経営の舵取りを行っています。
だからといって、会社の成長を抑制しているわけではありません。
そこに向けての道筋をつけながら運営している、
ということです。

清算、という選択肢

私のように、
「この仕事は私の代で終わり」という判断も、
もちろんありです。

しかし借入金や仕入れ先等への支払いがある場合には、
当然、それらを完済しないことには清算は不可能です。

清算は、
「無借金である」または
「借入をすぐに返済できる」
という会社にのみ可能な特権なのです。

その意味で、
「会社を畳むことができる」というのは、
会社の出口として非常に幸せなことだと思います。
ただこの場合でも気にかけないといけないことは、
「社員の雇用を守る」
「取引先に迷惑をかけない」
ということです。

自分より若い社員たちがいる場合、
彼らの今後の生活はどうなるのか。

取引先からすればいきなり仕入れ先がなくなるわけですから、
これはこれで非常に迷惑です。
強い独自性をもった会社であればあるほど
なかなか替えがきかないものですから、
より迷惑がかかることになります。

ですのでいずれの場合も、
経営者の年齢を考えたうえで
どのようにフェイドアウトしていくのか、
もしくは事業と雇用を誰かに引き継いでもらうのか、
ということを計画しておく必要があると考えます。

M&A

かつてはなかなか選択肢には含まれてきませんでしたが、
国が後押しをするようになって、様々なM&A支援事業者も増え、
現実的な選択肢となってまいりました。

特に前述のように
「雇用を守る」
「取引先を守る」
という局面においては、この選択肢はとても重要です。

さらには、
「独自の技術」「ノウハウ」などが失われないためには、
M&Aという選択肢は社会的に必要とも言えるものです。
国が制度設計をはじめたのも、
「中小企業が消えて雇用が失われること」
「中小企業の有する独自技術とノウハウが消失すること」
を懸念してのことです。

あなたの会社は、
自分自身が考えている以上に企業価値がある場合があります。
自分にとっては当たり前でも、周囲からみれば
「なくなっては困る」存在であることも多いのです。

だからこそ安易に「清算」という選択肢に至る前に、
「M&A」ということも可能かもしれない、
ということを知っておいていただきたいと思います。

雇用も取引先も守られますし、
技術消失も防ぐことができます。
そして何より経営者は、
一定のお金を手にして引退することが可能となるのです。
ただ単に会社を畳んでしまうことよりも、
相当に大きなメリットがあると思うのです。
ただ、あまりに欲張りすぎると買い手がつかないことになりますので、
そこは謙虚に慎み深く、考えてまいりましょう。

このように、M&Aという出口が広がりつつある昨今、
経営者の選択肢は一つ増えました。
これは非常に大きなことかと思います。

どの道を選ぶにしても大切なことは、
「どの道に進むことを意識するのか」
そして
「その道を進むために今何をしなければいけないのか」
それをイメージしてこれらを
経営計画の中に織り込んでいくということが必要だろうと思います。
経営計画書に記載しないまでも、
必ず腹案としてもっておくようにしましょう。

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