何も起きないことがどれほど幸せか。

特にこれといって何もない日。
これがいかに幸せなことであるのかということを、時々考えさせられます。
私は聖人君子でもなんでもない、むしろ煩悩の塊ですが、今日はそんな話しを。

何もない日の事務所前。

病気にならないと、健康への感謝がうまれない

この「何も起きないことがどれほど幸せか」ということを
一番自分自身に思い知らせてくれることが、
「病気」ですよね。
そんな大病でなく、ちょっとした風邪で高熱が出てうなされただけでも、
日々健康であることがどれほど幸せなことであったのか、
という現実を知ることができます。
「なんでオレだけこんな苦しい思いをしなあかんねん」
という思考に陥ることもありますが(笑)。
でも一度健康に戻ると、それが当たり前で
特段それに感謝することもありません。
人ってなんて身勝手な生き物なのか、とおもいますよね(笑)。

毎日、平凡であることが幸せ

でもこの病気の例一つとっても、
普通の当たり前の日々が、実はそれだけでとても幸せであるということは事実です。
確かに、楽しいことがあったり、
みんなと笑い合ったり
喜び合ったりしているのは、とても幸せな瞬間ですよね。
でもいつもいつもそんな状態なわけではありません。
人生はむしろ何某かの問題や課題を抱えて、
平坦な日々を暮らしていることの方が圧倒的に多いかと思います。
でも、先ほどの病気の例から考えるならば、
本当はこんな多少の不満とストレスを抱えた平坦な日々も
「幸せな瞬間」であるはずなんです。

この「ちょっと不満な日常」に対して健康であることに感謝し、
そんな日常を「ああ、こういうことが幸せなんだな」ととらえることができたら、
それこそ人生のほとんどが幸せな日になるだろうと思います。

「幸せ」と「頑張るぞ」は別次元

幸せになるために、もっと頑張るぞ!
と考える方もおられると思います。
確かに頑張ることで結果を得ることができたら
幸せ要素は増えるかと思います。
豊かな人生を過ごすための選択肢を増やすこともできます。
だから今の努力はとても大切なことです。
むしろその努力は必要なことだろうと思います。
まずこれを前提としたうえで、という話しですが、
「頑張った成果」というのと「幸せである」というのは別次元のものだと思います。
頑張って成果があがらなかったら不幸か、
ということになってしまいますからね。

そりゃ成果があがるに越したことはないわけですが、
成果の有無にいちいち自分の幸福感が振り回されていると、
それこそ不幸なことなんじゃないかなと思います。
成果がでなかったとしても、それも人生。
それが平凡な日々である限り、それでもやっぱり幸せなんじゃないかな。
そんな風に思える自分になれたらな、と思っています。
こんなことを書きながらも、自分自身はそこから結構遠い人間です。
だから自分に言い聞かせる意味も含めて、これを書いています。

うちの会社には神棚があります。
毎朝出社したら、水を変えてろうそくをつけて、手を合わせて
「ありがとうございます」と何十回も唱えています。
私の朝のルーチンの一つです。
別にそれほど信心深いわけでもなんでもなく、
日々に感謝をして日々を幸せに感じるためにやってます。
それだけ煩悩が多いってことです(笑)

足るを知る

「現在」は英語で「Present」と書きます。
「贈り物」の「Present」とたまたま同じつづりです。
今の形になった経緯は多少違うようですが、
両方ともその語源を辿っていくと同じ言葉につながるらしいです。
面白いですよね。
この辺りを調べていて、こんな言葉に出会いました。

Yesterday is history.Tomorrow is a mystery.
Today is a gift.
That’s why it is called the present.

~フランクリン・ルーズベルトの妻エレノア・ルーズベルト

今この瞬間(Present)は贈り物(Present)なんですね。

人間って欲深いものです。
欲しいものを手に入れても、
「もっと、もっと」という風になるのが人間です。
だからこそ
「何もない、この瞬間こそが、贈り物」と考えて、
自分に必要なことはすでに結構与えられている、
という風にとらえておく必要があるように思います。
「足るを知る」っていうことですね。

経営も同じこと。
売上規模やお金や資産をただ追いかけていくと
「もっと、もっと」となるだけで、
単なる欲望の権化と化します。
その先に幸せが落ちているようには到底思えません。
そうではなく、
・自分は何がしたいのか。
・仕事を通して相手に何を届けたいのか。
・経営を通して、社会にどう貢献したいのか。
ということを経営活動の基軸に据えて、
・そのために必要な売上、
・その結果として得られる利益
と考えるのが健全です。
その先には自分を含めてたくさんの人の幸せが転がっているように思います。

とにかく周囲からの情報は、
マイナスのものばかりが入ってきます。
ニュースとか見ていたらわかりますが、
「こんな幸せなことがあった」ということではなく、
「こんな悲惨なことがあった」
「こんなくだらないことがあった」
と不幸情報ばかりです。
とにかくどんな情報もマイナスの方向から見て
こちらに発信してきます。
だからこそそんな情報に振り回されることなく、
今がしんどいな、と感じたら、
「何も起きないことがどれほど幸せか」
この言葉を意識してみましょう。

自分自身の心の置き所次第で、案外、
そんなに不平不満ばかりの世の中ではないはずです。

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