なぜ歳をとると、時の経過が早く感じるのか。

人間、歳をとればとるほど、
1年の経過が早く感じます。
これを否定する人は少ないと思います。

なぜそのように感じてしまうのか、という理由と、
その現象への抵抗について。

ACジャパンの新聞広告。こんな歳のとり方をしたいものです。

ジャネーの法則

なぜ、段々と人は1年の経過が早く感じるようになるのか。
その問いに対する一つの答えがこれ、
「ジャネーの法則」です。

この法則は、
人が歳を取るにしたがって時の経過を早く感じるのは、
時間の経過を、生まれてからこれまでの総時間との比較でもって感じているから、
ということをベースにしとしています。

例えば小学校の6年間は
これまでの人生12年のうちの6年なので、
人生の半分を占めます。
しかし48歳の私にとってのこの6年間は、
人生の8分の1に過ぎません。

ですから、現在の私は、
小学生のときよりも4倍速く感じる、ということです。

興味が湧いたので、一度エクセルで計算してみたことがありました。
電卓でもできますが、めんどくさいので。
すると、なんと人生85年と考えたときに、
20歳で人生のおよそ70%を
体感としては経過しているという結果になりました。

おそろしいことですよね(笑)。

現在48歳ですから、人生まだ折り返したところだと思っていましたが、
実感としてはまったくそうではないということです。

私は70歳まではバリバリ現役で働きたいなと思っています。
23歳から働き始めてちょうど25年ですから、
まだそれに近い年数が残されていると思っていましたが、
その感覚でいると、とんでもないことになるということですね。

毎日を大切に生きようと思わされる事実です。

もう一つの理由、刺激が減るから。

しかしこのジャネーの法則、
感覚的なものを非常に単純な式で表現していますから、
これが立証されているわけでもありませんし、
全ての人がこれに該当するわけでもありません。

たしかに先ほどの、
小学生の6年間の例で考えたときに
今の6年の方が4倍以上の速度で経過しているイメージがありますが、
20歳からの6年間と比較したときに、
ジャネ―の法則による計算ほどの差があるかな、と思うと、
決してそんなことはありません。

実際にジャネーの法則には
批判的な立場をとっている学者さんもたくさんおられるようです。

そんな中でもう一つ
時間の経過が早く感じられる理由として考えられているのは、
「人間歳をとればとるほど、わかっていることばかりになるから」
ということです。

歳をとると、日々受けている新鮮な刺激の量が減少するので、
それによって毎日が短く感じられる、という理屈です。

確かにそれこそ幼稚園や小学生の頃は
周囲の見るもの聞くもの全て知らないことだらけで、
それらを全て吸収しようとしているわけですから、
その期間で感じられる充実度というのは、
ハンパないものでしょう。

しかし歳をとるとそういったものはどんどんと少なくなっていき、
それによって同じ時間の充実度が減少することで、
時間の経過が早く感じられる、ということです。

つまりは人間は、どんどんと人生に飽きていっている、
とも言える現象です。

なんだか寂しいものを感じますが、
確かにそう言われればそうなんだろうと思います。

法則に抗う!

「1年が過ぎるのが早いですね!」
という話しをするたびに、年長者の方は、
「そんなん、これからもっと早くなるで」
と口をそろえて皆さんそうおっしゃいます。

みんな言っているということは、
きっと本当にそうなんでしょう。

しかし、
「自分は出来る限り、それに抗ってやる!」
と思っている自分もおります。

ジャネーの法則は時の経過にしたがった計算式でできていますので、
この法則に抗うことはできないでしょうが、
日々の新しい刺激が減少することにより体感速度があがるという法則に対しては、
ある程度抵抗できるように思います。

人間一生のうちに
この世のすべての事を吸収できるなんてわけはありません。
ですから、新しい知的な刺激や新しい経験的な刺激を
自分自身に与え続けることは可能であると思うのです。

さすがに小学生の吸収量と吸収力には勝てませんから、
小学校の6年間を超えることはできないでしょう。
しかし私はこの仕事についてから独立するまでちょうど6年ですが、
この直近6年がこの23歳からの6年間より
それほど早く感じるかと言うと、
実際にそれほどではないと思っています。

きっとこれは、今でもいろんなことに興味を持ち、
興味を持ったことはとりあえず吸収しようとしている
私の行動パターンによって生まれているものなのだろうと思います。

そしてそれは間違いなく、
私の人生を豊かにしてくれています。

ですから、私の実体験として、
新しい刺激が減少することによる体感速度の上昇に対しては、
ある程度抵抗できる、と確信しています。

これからもこの姿勢を持ち続けることで、
現状維持に努めることを目標としていきたいですね。

今、ACジャパンのコマーシャルで頻繁に見かけるように、
81歳で初めてスマホアプリの開発をされたような方もおられます。
私もそんな歳の取り方をしたいものです。

そしてそんな人生を送っていると、
老衰で本当に何もできなくなったときには、
急激に体感速度が速まり、
一瞬にして終わりの日を迎えるようなことになるのでしょう。

そんな覚悟をもちながらも、
日々知的好奇心と刺激の多い生活を送っていこうと思います。

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