余白は大切。

あらゆることに「余白」は大切だな、と思います。

ほとんど余白のパッケージ。

デザインの余白

私は普段の仕事で、ものづくりのブランディングにも関わっていますから、
いろんなもののデザインにも自然と意識が向けられます。
その中で「いいデザイン」というのは、
余白がとてもうまく使われています。

私はデザインの意識はあっても、デザイナーではありませんから、
自分で作るとどうしてもいろんな要素を詰め込んでしまい、
窮屈な感じになってしまいます。
しかし本当に美しいデザインはとてもシンプルです。
いかに不要なものをそぎ落とし、
どれだけ本質的なものだけを残すのか。
appleの製品がその極みとしてとてもいい例だと思います
(特にスティーブジョブズ存命中)。

勇気をもってそぎ落とすことと、
いっぱいに表現するのではなく、余裕をもって表現することが
とても大切なことなんだろうと思います。

表現できる物理的な範囲の中でめいいっぱい、
というのは恰好がわるいものです。
自分自身の表現でもきっとこれは同じこと。
自分が持っているものが少なければ、
めいいっぱい表現したくなる(せざるを得なくなる)ものですが、
多くの含みと余裕をもって表現することができれば、
その方がかっこいいですよね。
100%の力を出さずとも、良いものが出せる。
それが本当に良いものなんだろうと思います。
ギリギリなものはバッファーがない分、
そこに可能性が感じられないんでしょうね。

音楽の余白

プロフィールにもある通り、
私は学生時代からドラムをやっております。
自宅に簡易防音室があって、
本物のドラムがおいてあります。

独立当初はヒマで時間ばかりありましたので、
毎日1~2時間練習してましたから、
そのときに相当うまくなりました。
今は年間で数時間というレベルの練習時間ですので、
過去の蓄積を取り崩してやってるみたいなものです。
今もバンドを組んでいて、
年に一度はライブをするようにしています。
この2年ほどはコロナウィルスの関係で実現できていませんが。

昔はギターもやっていたりして、
まぁそんなこんなで楽器演奏が趣味の一つなわけですが、
その昔、クラシックをやっている友人から言われて
感銘した言葉があります。
「楽譜は音符よりも休符が大事なんだよ」と。

音の出していない時間をどれだけしっかり余裕をもってとれるか。
楽器を弾くことに必死になっていると、
「いかに弾くか」ということばかり考えてしまい、
余裕がない演奏になってしまいます。
また休符をしっかり意識して休むことで、
安定した演奏となるようです。
なるほど、と思いました。

ドラムの世界でもこんな言葉を聞きました。
「いかに叩くより、いかに叩かないか」
ドラムは安定したリズムで演奏することは大前提ですが、
さらにその曲のグルーブ感(一般に言う「ノリ」みたいなもの)を作り出すのが仕事です。
そしてこのグルーブ感というものは、
「叩いていない時間をいかに高いレベルで操るか」、
ということによって生み出されます。
ドラムは通常の楽器と違って「伸ばす音」がありませんから、
実はどんな楽器よりもこの「空白の時間」が長い楽器です。
だからこそ楽譜通りに演奏しても、
本当に微妙な調整でまったく違ったグルーブ感が生まれ、
それを聴いているいる人の受け止め方が変わるのです。

楽器演奏において「余白」というものがいかに大切かがわかります。
休符はただ休んでいるのではなく、
それによって音符を活かしているんです。

仕事の余白

仕事においても、「余白」というのはとても大切です。
毎日のスケジュールを組んでいて、
その日に想定される予定だけで時間がいっぱいいっぱいになっているような状態だと、
全くいいことはありません。
私は基本的に突発的に発生した仕事は翌日以降の予定に入れるようにしていますが、
その内容によってはどうしても
その日のうちに対応しなければならないものもあります。
元の予定がいっぱいいっぱいだと、もともと心の余裕がないところに、
そういった仕事が飛び込んできた瞬間、
心はかき乱されてしまうことになります。
ですから一日のスケジュールは、
自分が働く時間の7割程度が埋まっているというのが理想であるように思っています。

この空いている3割は
必ずしも今やらなくてもいい仕事をやったり、
余裕をもって先の仕事を先取りしてやってもいいだろうと思います。
そしてそれらは今やらなくてもいい仕事ですから、
どうしてもの突発的な仕事が入れば先送りにすればいいのです。

そして、経営者にはこういった時間がもっと大切です。
経営者の仕事は現場の最前線で働くことではありません。
会社の方針を決め、
その都度の決断を行い、
社員さんが適切に仕事をできているかマネジメントすることです。
そして一般の社員さんができないような仕事をすることが仕事です。
傍から見ていて一番楽に見えるようでいて、
当然一番責任が重く、
一番ストレスのかかる仕事です。
方針を決めることや決断することは何かを捨てることと同義ですから、
精神病理学的には「ストレス」に区分されるそうです。
毎日数多くの「決断」をしている経営者のストレスたるものいかばかりか、
ということですよね。
ですから経営者はそこで働く誰よりも、
時間の余裕と心の余裕をもっておく必要があるんじゃないかと思います。

人生の余白

これは人それぞれの人生観がありますから何とも言えないところではありますが、
私は人生においてもこの「余白」というのがとても重要であると思っています。

人間日常的にその仕事の中で多くのストレスをかかえています。
いかにその仕事を楽しんでいる、といっても、
やはりストレスは積み重なっていくものだろうと思います(たまにそうでもない人もいますが)。
ですから、自分のストレスを解放する瞬間としての
「人生の余白」というものが必要です。

人によって日頃の生活でストレスを感じている場面は違います。
だから人によって「余白」の取り方というのも違ってくるだろうと思います。
人と会って話しをすることがストレス解消になる人もいれば、
一人の時間がストレス解消となる人もいます。
どんな状態が自分にとっての「余白」となるのかを正しく把握したうえで、
適切にそのような時間をとるようにしましょう。
それがきっと人生を豊かなものにしてくれるのだと思います。

おそらく、デザインも音楽(芸術)も人生も、同じことです。
余白以外が余白を活かし、余白が余白以外を活かす。
仕事がプライベートを活かし、プライベートが仕事を活かすのです。
要は仕事とプライベートのバランス。
その両者を充実させることが大切です。

そしてさらには、プライベートの中身。
プライベートの中にもストレスの元になるものはたくさんありますから、
プライベートの中に存在する、あなたにとっての
「本当の余白」
にも目を向けましょう。

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