老後の備えと、年金受給開始年齢が後退することの当たり前。

人生100年時代が到来すると言われています。
そんな世の中と、年金に対する今の風潮に対して思うことを。

近鉄奈良駅前の行基像。80歳くらいでお亡くなりになったとのこと。奈良時代にして正真正銘の、高齢者。

寿命はどんどん延びている

こんなことは言わずもがなですが、
寿命はどんどん延びています。
私が子供の頃、70歳は本当にお年寄りでしたが、
今の70歳は個人差はあるもののピンピンしてます。
「おじいちゃん」、というには
違和感があるような人の方が多いように思います。

うちの父も78歳になりますが、
まだ背筋は延びてるし、
毎日サッサと歩いています。
めちゃ元気。

我々(現在40代)以降の世代は食べているものがよくないので、
そこからは寿命縮むのではともいわれていますが、
科学と医療の力がそれを放置しておくとは思えません。
人生100年時代はきっと本当に到来しますし、
しかも割とすぐにやってくるように思います。
なかなか死なせてもらえない時代がもうそこまで来ているのです。
仮にもしそうならないとしても、
そのつもりで備えておく必要は、あります。

そのためにはもちろん資金的な備えも大切ですが、
それより大切なのは、きっと、
健康でいることです。
寿命が延びても肝心なのは健康寿命。
寝たきりの時間が長くなっても、それはむしろ、
少なくとも私にとっては拷問でしかありません。

私は遺伝子検査によって、
長寿遺伝子の可能性、というのがあきらかになってますし、
それだけに健康寿命を意識する必要があります。

年金受給開始年齢が遅くなるのは当たり前。

とにかくよく聞く言葉は、
「我々はどうせ年金には期待できないから」とか
「我々の時代は、何歳から年金がもらえるんだろう」
という批判の声ばかりです。
年金行政には本当に多くの不備がありますので、
私も一国民としてそこには怒りしかないわけですが、
年金受給開始年が遅くなることについて批判するのは
ちょっとおかしいのでは?と思っています。

かつて昭和の高度成長期あたりは、
受給年齢は55歳だったそうです。
しかし当時の平均年齢をみてみると男性で65歳~70歳です。
当時からあるアニメ、サザエさんを見ればわかると思います。
波平さん、どこからどうみても「祖父」のイメージですが、
設定年齢は54歳です。
いま、あんなおじいちゃんみたいな54歳、いないですよね。
そして65歳で亡くなるとすると、
20歳から働いたと仮定して、
労働年数35年に対して老後年数は10年です。
年金の仕組みはどちらかというと
現役世代が老後世代を支えるというカタチになっていますが、
自分の支払ってきたものを財源と考えたときには、
自分が35年かけてきたもので自分を10年間養うということになります。
これは問題なさそうですよね。

しかし、これを今に置き換えてみます。
するとどうなるかというと、
65歳で定年で寿命が80~85歳ですから、
45年かけてきたもので自分を15年~20年養うわけです。
さらに、受給開始年齢をかえないまま100歳時代がやってくると、
平均寿命は90歳と仮定したときに、
労働年数は変わらず45年で老後年数は35年となります。
45年掛けたお金で35年もの期間を養う必要が出てくるということになるのです。
45年の掛け金では賄えなくなることは当然のことですし、
普通に考えてこの制度のまま年金制度が維持できるわけないですよね。

ですから、
「人間長生きした分、長い期間働かなければならない」
ということになるのです。
受給年齢が70歳になったら、70歳まで働くのが普通、ということですね。
だって、元気なんですから。
だから受給年齢がどんどん遅くなること自体、
私は当然のこととして受け入れており、
批判する人には以上のような説明をすることにしています。

健康であることが最高のリスクヘッジ

それでは我々100歳まで生きるとなったときに、
どのような備えが必要になるのでしょう?
それは間違いなく、
「健康であること」
です。

健康であることが、最大のリスクヘッジとなります。
健康でありさえすれば、
人間こだわりを捨てれば何とでも働けます。
働きさえすれば一定の収入が家計を助けますから、
年金が減らされても問題にはなりません。

また仕事を継続すると、
脳の活性化と社会的つながりの継続から、
老化を遅らせることができます。
もちろん働きすぎはいけませんが、
一定の仕事を持ち続けることが健康維持につながるということが
研究でわかっているそうです。

メリットは個人だけにとどまりません。
日本人の多くが高齢者が働き続けることで、
日本の消費人口が、労働人口に置き換わります。
高齢者が働くことで健康になり、
健康な人が増えることで日本の健康保険制度の財源が保たれます。
そして勤労収入が確保できるようになると、
年金受給は遅くてもよくなるので年金制度の維持も今より安定します。
長く働くことは日本全体にとっても大切なことなのです。

「労働」とか「勤労」とかというのは、
マイナスのイメージに囚われがちです。
どうも「こき使われる」という印象が強いのでしょう。
でも仕事というのはそういった一面だけではありませんよね。
自分の得意な分野を生かして人に喜んでもらって自分もうれしい、
しかもお金をいただける。
こんな素晴らしいことはないと思います。
特に老後になれば、教育費・住宅費・保険料という
三大生活費から相当に解き放たれてますから、
それほど稼ぐ必要はありません。
貯蓄を増やす必要もなく、
貯蓄を維持する程度で構わないのです。

さて自分は年をとってから
どんなことで社会に貢献することで収入を得るのでしょう?
ある程度の年齢になったら
そんなことを考えてみることも必要かもしれません。
そして将来も健康であり続けるために、今何をするべきなのか、
考えてみる必要がありそうです。

私は間違いなく、痩せる必要があります(笑)。

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