経営者の6つの仕事 Part①

経営者の本来の仕事は、「経営」をすることです。
それでは経営者の仕事とは何なのでしょう?
今日は、経営者およびリーダーが果たすべき6つの役割について。

リーダーシップ論 構造MAP。

経営者の仕事は経営

小零細企業では経営者は経営だけをしていればいいわけではありません。
人的資産が乏しいですから、
自ら営業や製造の最前線に立つ必要がある、というのが、
小零細企業の性でもあります。

しかし、経営者が現場の仕事に振り回されて、
経営者としての本来の仕事をできないようであれば、
その会社には経営者はいないも同然です。

そんな会社に将来の成長性があるかというと、
それはとてもあやしいですよね。

小零細企業であっても、
経営者の仕事は経営です。
マネジメントです。

それでは、経営者が果たすべき役割とは何なのでしょう?
これをわかりやすく「6つの仕事」として整理します。

存在の理由

あなたの会社はなぜ、存在するのでしょう?
なんのために存在しているのでしょう?
「うちの会社に存在しないといけない理由なんてないよ」
とおっしゃるかもしれませんが、
それは会社存続のためには、非常に危ない発言です。

なぜなら、世の中に存在する必要のない会社は、誰からも相手にされませんから、
あなたの会社から商品を買う必要はありません。
つまり、赤字に陥って、いずれ市場から退場を命じられることになります。

会社が会社として存続・維持・発展していくためには、
必ずその会社の存在理由が必要です。
できればその会社独自の存在理由が。

それが経営理念です。

冒頭の問いに対する答えがみつからないようであれば、
あなたの会社は商品・サービス提供を通して、
世の中に何を提供することができるのか、
それをぜひ考えてみてください。

今、存続し続けられているということは、
きっと何かの役割があるから、
この市場の中で生き残っていけているのです。

これを考えるのは、経営者以外にはありえません。

方針と方向

会社がどのような事業を行って、どのような方向に進もうとしているのか。
そしてそれはどんな理由でそこに至ったのか。
それがちゃんと説明できるような状態で、これら方向性を定めることが、
経営者に求められる大切な仕事です。

これがないと、現場の社員はただ与えられた仕事を何も考えず、
ただこなしていくだけの作業員となってしまいます。

方向性が与えられると、仕事に意味付けがなされます。
もちろん社員の能力にもよりますが、
能力の高い社員さんであれば、方針や方向性を示すことができれば、
それだけで仕事の内容が変化することだろうと思います。

そしてまた別の観点では、
この「方針と方向性」がなければ、
そこで働いている社員は不安でしょうがないことでしょう。

経営者は事業の方向性を示すことで、
社員さんに収益性と確実性を伝えることが大切なのです。

「うちの会社はこれこれこういう理由で、
 こんな方針に基づいてこういう方向性で仕事をしているから、
 ちゃんと収益が確保されて、
 将来に向けても確実にその収益があげられるんだ」

ということをちゃんと伝えることができているだけで、
社員さんの安心感は全く違ったものになると思います。

社員さんは、「安心・安全」な会社が好きです。
当然ですよね。
好き好んで「不安・危険」な場所に突っ込んでいくような人は少ないだろうと思います。
ですから、ちゃんと会社の方針と方向性を明確にして、
社員さんに示していきましょう。

そもそも事業の方向性がない、ということであれば、
それは行き当たりばったりな事業を行っていることですので、
早急に会社の方向性を定めましょう。
大切な経営者の仕事です。

本ブログの「ビジネスシナリオ」カテゴリーの記事が、
お役に立てるんじゃないかと思います。

仕組み化

「仕組み」とは、
会社内部の日常的な業務が、上司や経営者など上長がいちいち指示をしなくとも、
勝手に仕事が進んでいくように整える、ということです。
いわゆる「マニュアル化」に近いものでもあります。

会社の中にはたくさんの「暗黙知」が存在します。
暗黙知とは、特定の人だけが
その会社に必要な情報や知識や技術を持っている状態です。
昔でいうところの職人の
「見て学べや」
がこれにあたります(今でも少なからず存在しますが)。

暗黙知に対応する言葉が、「形式知」です。
これは同じく社内の必要情報・知識・技術が
文書や映像など「形」として保存され、
誰でもいつでも使える状態になっていることを言います。
また何度も尋ねなくても一度(または数回)の実地訓練で
習得できるようになっているものを言います。

この社内に溢れる暗黙知を一つ一つ形式知にしていくことが、
「仕組み化」です。

会社内で発生する問題は、そのほとんどが
仕組みの問題であると言われています。
発生した問題は、「なんでこんなことになったんや!」と人に帰属させるのではなく、
「どうすれば、次、他の人も同じ問題を起こさないようになるだろう?」と
仕組みで解決する、というのが正解です。

もちろん一つ一つの仕組みを具体的に作っていくという作業が
経営者の仕事、ということではありません。
しかし、どんな方向性に基づいて、どの部分を仕組み化していくかという
指示を与えるのは経営者の大切な仕事です。

ただ「仕組み」は突き詰めすぎると
原理主義化・先鋭化します。
これは恐ろしいことです。

例えばどんな状態かというと、
どんなことでも、とにかくマニュアル。
絶対に間違えが発生しないように、細かくマニュアル。
そしてマニュアルでルールが一つ増えるたびに書面が一つ増えていく・・。
といったものです。

これは単なるアホな非効率を生むことになりますので、
その加減もきちんとコントロールしましょう。

ずいぶんと長くなってしまったので、
今日は6つの仕事のうち3つまで。
続きはまた明日!

ただし例によって、どうしても書きたいものが出てきたときには
そっちが優先されます(笑)

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