AIが得意な分野はAIに。

ディープラーニングが登場してから、
AIの進化が急速に進み、その進化が止まりません。
そんな現実の中で、私たちは
どのように経営を変化させていく必要があるのでしょうか?

AIの現在地

この1年半くらいの間に、「AIに絵を描かせるアプリ」というのが
一般的になりつつあります。
instagramやその他SNSにいろんな人が投稿していますが、
人間がどんな絵を描いてほしいのか、細切れの単語でイメージを伝えると、
それに従って、ものの数十秒で絵ができあがります。

当然自分がイメージしている通りのものが出来るわけではありませんが、
ただその絵のクオリティは非常に高い。
AIに書かせた絵だけでマンガを描く、ということにチャレンジした人もいます。
 →サイバーパンク桃太郎で検索
ここまで来たか―、という感じですよね。

これは絵の描画だけの話ですが、自動運転の進化など、
それ以外の分野でも私たちが思っている以上に、
AIは進化しています。

AIは人と置き換わるか

AIが進化した果てに、AIは感情を持ち、人に置き換わるのか
という議論があります。

専門家の中でも、「置き換わらない」という人と、
「置き換わる」「人を凌駕する」という人がいてますから
専門外の私がわかるわけはないのですが、
感覚的に、最終的には感情を持つようになり、
人を凌駕するようになるのではないかと私は考えています。
そこまで進化することを人間自身が歯止めをかけない限り。

「置き換わらない」と考えている人は、
『AIに限らずこれまでの歴史の中でもすでに科学は人を超えてきた。けれどもそれは一部の機能であってAIもそれと同様』
という風に考えています。

一例として自動車というものが登場して、どう考えても人は
「地面を早く移動する」という部分に対しては勝ち目がなくなりました。
AIについて言えば、「アルファ碁」に代表されるように、
すでに一部の能力については人間を超えています。
このように部分的な能力ではAIに超えられるものも出てくるだろうが、
結局その最初のスイッチを押すのは人間である、ということです。

しかしこれまでの技術革新とAIの進化と何が決定的に違うかというとそれは、
人間の人間たる根源を司る「脳」に代替するものが、
脳と同じ仕組みのもと進化しているということです。
スイッチを押すのは人間、というところで歯止めをかけようとするでしょうが、
最終的にAIが人間を凌駕するかどうかは、
人間に感情を与えているのが魂なのか科学なのか、という哲学的なところの答えで
決まるように思います。

世界観をつくること

私の勝手な妄想に突き合わせてしまいましたが、
いずれにしてもこんな世の中は、
今から30年~50年後といったところでしょう。

バックトゥザフューチャーで30年後には車が空を飛ぶという描写がされており、
現実の30年後はすでに到来していますが、まだ車は空を飛んでいません。
そんな意味で根本原理が確立していないものは
実現するのに30年以上かかるのだろうと思いますが、
AIの進化はそれを上回ってくるでしょうから、
場合によってはそれよりも早いかもしれません。

30年と想定した場合には、私は現在48歳ですから、
私と同世代の人たちは、
今の延長線上の事業のあり方で逃げ切れるかもしれません。

しかし着実にAIが進歩の歩みを進める中で、
私たちの仕事のありようは、この30年で大きく変わるはずです。
そしてその進化は社会環境の変化ですから、
経営者の姿勢としては、それに対して抗うのではなく、逆に、
「AIに対して人間がかなわないことは、AIに任せるべきだよね」
という感性でもって事業を行う必要があります。

AIが感情を持ち、完全に人を凌駕した場合には話しが変わりますが、
そこに到達するまでの間は、AIをいかにツールとして活用し、
彼らにはできない世界で価値を生み出すか、ということが
経営者に求められるのです。

より、「リアル」なことが大切になる。

結局最後の最後までAIに置き換わらないところは、
「新たな発想を生み出す」
つまり独自の世界観を作り上げるという部分と、
「人と人との交わり」
つまり人と直接関わる中での人柄の部分かと思います。

デジタルな世界は完全にAIに奪われていきますから、
人間は逆にどんどんと「リアル」な方向性に
価値を生み出すことが重要になるんじゃないかと思っています。

AIが人知を超えるまでの間は、
科学技術の発展の方向にも、人間の力は必要ですから、
よりそちらの方へ事業領域をシフトすることも考えられます。
しかし科学技術の方向はなんせ資本力を必要としますので、
小零細企業がなかなか飛び込める世界ではないと思うのです。

ですから私たちのような小さな存在は
いかに「新しい世界観の構築」「人と人、人とモノのリアルな体験」
という方向に軸足をもって経営を考えていく必要があるんじゃないかと思っています。
少なくとも私は完全に、
「よりリアルに、もっとリアルに」という方面へ事業領域を伸ばしていきます。

AIが人を超えるのは、まだまだ何十年も先ですが、
すでに上記のような兆候は表れています。
そんな環境変化の中、自社はどのように変化するのか、
それともあと10年~20年くらい逃げ切って事業を畳むのか、
今からそんなことを考えておく必要があると思うのです。

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