あえて、税理士業以外のことをする。

私は常に、事業領域を広げることを考えています。
その理由と、私の考え方について。

税理士業は離れないが増やさない

現在売り上げの柱は税理士としての仕事とコンサルなのですが、
コンサルだけで成立している仕事がどれだけあるかというと、
実はそれほどありません。

基本的に税務顧問とセット、という形になっています。
税理士だけれども、コンサルができるという付加価値があるので、選んでいただいている
という状態ですね。

しかし、
「いつまでも あると思うな 税理士業」

どこまでを税理士業と考えるか、ということもありますが、
記帳・決算・申告・相続税その他税に関わるものを税務と考えるならば、
税理士の仕事はAIの進歩とともに縮小していくことは明らかです。
それも結構すぐに。

税務申告や記帳代行の仕事が完全に消えるかというとそんなわけではないと思いますが、
超縮小します。
だからこそ、税理士業から完全に離れることはしないにしても、
軸足を他の方向へと動かす必要があります。

今後よりコンサルの方向へ進むでしょうし、
現在も行っているセミナー業も拡大するでしょう。

そして今の組織の大きさを変えない前提ですから、
税務に携わる仕事が増えると、
それは結果として社内での私の仕事が増えると言うことになります。
どれだけ仕事を他の社員さんに移管できるとしても、
税務チェック業務は必ず私の手元に残りますから。
結果としてやりたくない仕事で
どんどん自分の時間が奪われていくことになります。

ですから基本路線としては、
税務に関わる顧問先数は減少することはあっても
これ以上増やすことはおそらくないだろうと思います。

いろいろやるわけではない。

前述のとおり、私は事業領域の拡大をいつも考えています。
これは経営者として、絶対に必要な仕事です。

そして拡大をいつも考えてはいるけれども、
多方面に手を広げていくということを考えているわけではありません。

超小零細企業で進んでいくぞ、と決めているわけですから、
その分、より、選択と集中は必要となります。
いろんなことに手を染めてそれがすべて中途半端なことになってしまうのは、
一番やってはいけないことです。

ただ、どこに新しい事業の種が落ちているのか、芽が生えてくるのかわかりませんから、
常にアンテナをはっています。
そしてそこに引っかかるものが出てきたときには、
それが自社の売上の柱となりうる事業であるかを検証します。

いつも言っている通り、新しい事業は、
「求められること」
「したいこと」
「できること」
の接点に生まれます。

「求められること」は当然です。
社会に価値が提供できなければ、それは単なる「趣味」ですから。

そして「できること」が大切。
自社・自分がこれまでの事業で積み上げてきた経験と
それによって生まれてきた強みを生かしたものでないと、
それは事業としては成立しません。

成立したとしても、競争力は非常に弱いものとなります。

だから新しい事業といっても決して「飛び石」はしない。
これまでの事業や、それによって積み重ねた経験の
延長線上に広がっているものでないといけないのです。

好きなことをやって、生きていく

前述の新しい事業の生まれる元となる、
「したいこと」
私は個人的にこれを最も大切にしていますし、
これが最も大切なことだろうと思います。

小零細企業は、昨日も書いた通り、経営者や社員のしたいことを事業としていくことができます。
これぞ小零細企業の醍醐味。
せっかく好きなことをできる特権があるんだから、
一生好きなことを仕事にして生きていきたいものですよね。

そして、好きなことだからこそ自然と力を注げるし、
それによって道を極めていくこともできますし、
生活の一部として取り組むこともできますし、
自然と仲間も増えます。

すると結果として楽しくない仕事を必死にやっているよりも
収益性の高い状態に持って行けると思います。

ワークライフバランス、という言葉がありますが、
何も仕事をしている時間を「人生以外」と定義する必要はありません。
仕事が楽しくて仕方のない状態になって、
プライベートと仕事の境界線が極めて曖昧になっていくのが、
ある意味理想の姿です。

現実としては、仕事はどこまでいってもやはり仕事ですから、
この理想の状態になるのは極めて難しいです。
しかし、仕事を道楽化することができれば、
ワークライフバランスという言葉そのものが失われると思うのです。

これを無理な形で実践しようとすると、
あっという間に人生がブラック化しますので、
そこのところは気を付けたいところです。

稼げるかどうかは、仕組みの問題。

先ほど「結果として収益性の高い状態に持って行ける」と書きましたが、
ビジネスにおいて収益があがるのは、
顧客に対して価値を提供した結果です。

だからまずは商品・サービスの「価値」を構築して、
それを顧客に提供して貢献することから始まります。

しかしだからといって必ずしもそれが
高い収益性に結び付くわけではありません。
その貢献を、その後収益性の高いものとすることができるかは、
そこにその仕組みがあるかどうかが決定づけます。

収益はあくまで「貢献の結果としてついてくるもの」という気持ちを心の中心に据えたまま、
その一方でそれをどのようにして収益性の高い事業として構築するか。
その仕組みを作っていく必要があります。

本当に貢献度が高く、価値の高いものを提供できているのであれば、
必ず実現できることだろうと思います。
そのうえで、経営者であるならば、
最終的にいかに自分が動かなくて済むか、
ということを考えておく必要があります。

「自分が動けば済む」という発想は、
最終的にいろんな非効率をはらんだまま、周囲に伝播してしまいます。

語弊を招く表現かもしれませんが、
「いかにみんなで楽しく楽して効率よい収益につなげるか」
どんな事業を行うにしても、
これは常に考えておかねばならないことだろうと思うのです。

今の自社の持つ力を活かして、
好きなことを事業にして、収益の柱としていく。
そして最終的には、
あれ?こんな仕事しているけど、あなた、税理士だったの?
と言われる。
これが私の思い描く理想の状態です。

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