経営の全体像を知る。

経営者は、経営の全体像を知っておく必要があると、
私は思います。
皆さんは、経営の全体がどういったものでできあがっているかご存じでしょうか?
「部分」に囚われないよう、まずは全体像を知ることから始めましょう。

小零細企業の、経営。

小零細企業はそのほとんど(というか、限りなく100%に近い)が
同族会社です。
同族会社というのは、株主のほとんどが
社長およびその一族で占められているという会社のことですね。
いわば、「会社=経営者」という状態です。

もちろん組織のガバナンス上は
会社と経営者個人はきっちり切り離す必要がありますから、
会社を経営者のわがままで好き放題すればいいという意味での
「会社=経営者」ではありません。

ただ現実としては、その会社は経営者によってできあがっており、
その経営者がいるからこそ成立しているという性質がありますから、
小零細企業の場合は、経営の全体を考えるときに、
会社のビジネス面だけでなく、経営者個人の家庭面も
同時に意識しておく必要があります。

ですから経営の全体像の中には、
ビジネス面とプライベート面を内包している、
という考え方を持つのが正しいんじゃないかと思います。

経営者のビジネス面と家庭面は、
ある意味車の両輪なのです。

経営の全体(ビジネス面)

それではまず経営の全体におけるビジネス面が
どのようなもので構成されているかというと、それは、
①ビジネスシナリオ
②マーケティング&セールス
③人事組織
④財務
の4つです。

以下、ごく簡単に解説します。

①ビジネスシナリオ

どんな理念・哲学に基づき、事業を行うのか。
そして外部環境を洞察して、その中でどのような事業を
自身の事業領域とするのか、ということです。

事業の根幹の部分となります。

車に例えると、その車自体の「コンセプト」にあたる部分ですね。

②マーケティング&セールス

ビジネスシナリオで定まった事業領域の中で、
どのような商品を開発してどのように顧客に届けるのか、
そしてそのために、いかに広報・発信するのか、
ということです。

そしてその分析・仮説・実行を行う部分です。

これも車に置き換えると、その車がどんな機能を有し、
どんなパフォーマンスを実現するのか、ということです。

③人事組織

事業を通して商品を顧客に届ける、という部分を実際に動かす
人と組織がどうであるか、ということです。

よりスマートにより効果が高い状態で
商品を顧客に届けるためには、
どんな組織の状態であることが求められるのか、
ということです。

車でいうと、まさにエンジン部分がこれにあたります。

④財務

会社の数字、つまりB/S、P/L、C/Fのことですね。
そして数字にも過去と未来があり、
この両方を取り扱います。

過去とは、結果として出てきた数値を分析して将来に活かすこと。
そして未来とは、どのような数値を計画し作り出すのか、
ということです。

上記①から③の結果が数値として表され、
将来の①から③を実現することで達成される(または必要とされる)ものが
数値として表されます。

車におきかえると、車載メーターに表示される数値、
そしてメーターには表示されないものの、
車のパフォーマンスを維持するために測定される数値、
ということになります。

経営の全体(プライベート)

それでは次に経営の全体における、
経営者のプライベートゾーンを見ておきましょう。
それは、
①ライフプラン
②リスクマネジメント
この2つです。こちらも簡単に解説を。

①ライフプラン

読んで字のごとく、経営者の人生設計です。
そしてそれは経営者自身のものだけではなく、
経営者にも家族がある場合には、家族も含めたものとなります。

経営者は今何歳で、およそ何歳で引退するつもりなのか。
家族の年齢も合わせ考えたときにその過程のライフステージにおいて、
どのようなイベントがどのようなタイミングで生じるのか。
そのとき会社はどのような状態にあると考えられるのか。
こういった設計・計画ですね。

経営者のビジネスと家庭は表裏一体。
ビジネス面と家庭面を合わせて時間軸で考えるようにしましょう。
もちろん経営者引退後のことも大切です。

②リスクマネジメント

先ほどもお伝えしたとおり、
小零細企業において経営者の存在は絶大です。
であるが故に、その経営者に万一のことがあった場合に
備えておく必要があるのです。

その備えを設計するのが、リスクマネジメント。

経営者の「生病労死」がどのようなリスクを生み出すのか。
そしてそのために何を準備しておく必要があるのか。
最悪の事態を想定して、最悪の状態を生み出さないように
考えておきましょう。

以上が経営の全体像です。
今回は簡単な内容解説だけですが、
次回以降またいろんな確度から掘り下げていくことができたらと思います。

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