環境整備。あなたの会社は自由であるか。

会社を「よい会社」にするためには、環境整備が欠かせません。
今日は小零細企業にとっての「環境整備」について。

環境整備は経営者の仕事。

このブログで何度もお伝えしていることですが、
経営者、組織のリーダーには、リーダーだからこそ求められる
6つの仕事があります。
それは、
1.存在の理由を決める
2.方針と方向性を定める
3.仕組みをつくる
4.環境を整備する
5.資産化する
6.定義づける
です。
ずっとこのブログを読んでくださってる方は、
そろそろ覚えてくださったでしょうか?
それはないか(笑)。

もちろん、小零細企業においては、
経営者がトップセールスを行うなどということも
とても大切なことです。
しかし、営業の仕事は経営者だけに求められるものではありませんし、
経営者がやることで効果が高いというだけで
そもそも本来的に経営者がするものではありません。

経営者・リーダーのなすべきことはあくまで、
「部下を通して成果をあげる」ことであって、
現場で汗を流し続けることではないのです。

そして経営者がいつまでも忙しいのは、
経営者が経営者としての仕事をしていないから。

先に述べた6つの仕事は、
全てが即座に成果につながるものではありません。
だからこそ後回しにされがちなのですが、
会社を本当の意味で良い会社にし、
本当の意味で強い組織を作り上げていくのは、
日々の即効性のある現場仕事ではなく、
これらの、経営の基礎となる仕事なのです。

「環境を整備する」
ということは、そんな経営の基盤となり得る仕事なのです。

環境整備とはどういうものか

それでは一口に「環境整備」と言いましても
それはどういったものなのでしょう?

おそらく「環境整備」という言葉を聞いたときに
皆さんの頭の中には、設備を整えたりといった
物質的なものが思い浮かぶことだろうと思います。

しかし環境整備は何も物質的なものばかりを指すものではありません。

この「環境」とは、「仕事の環境」ですから、
要は、経営者も含め、そこで働く全員がより働きやすいように、
会社の制度・仕組み・設備等を整備していくことを指します。

私の敬愛する経営者、ライフネット生命創業者の出口治明氏は、
ライフネット生命の経営者時代に、
「社員が『明日も来たいな』と思える会社にする。
経営者の仕事はそれだけだと思っていた」
というようなことをおっしゃていました。

まさにこれが環境整備です。

物質的なところとしては、
社員全員のPCをトリプルディスプレイにする、
といったものもそうでしょう。
工場作業がしやすくなるように、5Sを徹底するというのも
環境整備です。

労働環境、という意味では、
リモートワーク環境を整備することであったり、
残業が少なくなる工夫をすることも環境整備。
社員さんの自由な働き方、自由な発言の保障、
自由なアイデアを尊重することも環境整備です。
社員さんの交流を深めるため、
社内部活動をつくるといったことも一例でしょう。

このように、とても広範囲にわたりますが、つまるところ
「いかに社員さんが働きやすくするか」
「いかに社員さんが自由に働けるか」
「いかに社員さんが最も力を発揮してくれるか」
ということを追求していくことが環境整備なのです。

ちなみに「自由」といっても、
ある程度の制約があった方が社員さんは
自分のやるべきことが明確になって働きやすくなりますから、
完全に放置することを環境整備とは呼ばない
ということを申し添えておきます。

環境整備は求人にも力を発揮する

社員さんはより給与待遇の良い仕事を選びがちですが、
私の経験上それはあくまで一つの条件に過ぎません。

もちろん一定以上の金額があることは、大前提となります。
しかしそれさえクリアしていれば、
人は案外、給与だけでなく
「自分はその会社でいかに気持ちよく働けるか」
とか
「その会社がどれほど自分の働きやすい環境であるか」
ということを重要視しているものです。

働きたくても、自分の働ける環境、働きやすい環境を実現している会社が
みつからないから働けない、働いていない、という人は
まだまだ世の中にあふれているように思います。

ですから小零細企業でも工夫次第で、
良い人材を集めることは充分に可能であると思います。

近年、社内に保育施設を整備する会社が増えてきました。
これはまさに、良い人材を集めるための環境整備の一環です。

この例は非常におおげさな事例ですので、
一定規模以上会社でないと実現できませんが、
小零細企業でもできることは沢山あるだろうと思います。

逆に大きな会社は、関わる人が多いだけに、不自由なことも多いですし、
その分ドラスティックな制度を取り入れることが難しかったりします。
しかし小零細企業は少人数の組織ですから、
その経営者が旗をふって、そこにいる少人数の人が「OK」といえば
明日から即実行できます。

出社する時間は何時でもいいですよ、とか
子供をいつでも連れてきて良いですよ、とか
有休は当日申請も可能ですよ、とか
たまにはカフェで仕事してきてもいいですよ、とか。
会社のあり方によってできることできないことはあるでしょうが、
労働環境の整備の手段は、無数にあります。

そしてそれが働きやすさにつながれば、
きっと会社の業績もあがるでしょうし、
それを魅力と考える人たちが集まってくるでしょう。

「うちみたいな会社には、いい人が来てくれない」
などと文句を言うヒマがあるのでしたら、
どんな制度設計をすれば、もっと働きやすい会社になるのかな、
ということを考えてみましょう。

制約はあるでしょうが、
その制約の中で自由な発想で考えてみましょう。
きっと会社は、もっと楽しい場所にできると思うのです。

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