組織図は、経営者の意思表明。

皆さんの会社には、組織図がありますでしょうか?
それなりのサイズ感のある会社でしたら、
当然ありますよね。
それでは、極小規模の会社の場合はどうでしょう?

指揮命令系統を、明らかにする。

そもそも組織図の役割は何なのかと言うと、
それは命令系統の明確化です。

経営者からの方針・指示・命令は、
どのような経路をたどって、社員全体に行きわたるのかを表すとともに、
社員は自分が組織の中でどのグループに所属して、
そこで誰の司令のもと、自分の仕事を行うのか、
ということを明らかにすることを目的としています。

例えば、15人程度の組織であれば、
トップに社長がいて、その下に7人程度のグループが2つできる、
というのが一般的な形でしょうか。
もちろん事業部の数などによって、
グループの人数が減って3つ以上のグループになることもあるでしょう。

そしてそれぞれのグループには、
「課長」などの肩書でそのグループの責任者が定められます。

このような組織のもと、グループに属する社員は誰の司令のもと活動するかと言うと、
それはそのグループの長たる「課長」です。

しかし小零細企業でよくある間違いですが、
組織が小さいがゆえに、この課長を飛び越えて
社長からグループの一般社員に直接指令が下されることがあります。

しかも課長と微妙に言っていることが違う、となると、
その人はどちらの言うことをきいたらいいのかわからなくなります。

ですので組織を作って課長を定めたのであれば、
そのグループ内の指揮は完全に課長に委譲したことになりますから、
安易に社長だからと言って指示を飛ばすことはやめましょう。
現場が混乱を来たす元凶となってしまいます。

社長が指示をだすのは、この組織の場合、課長のみ
ということになるのです。
また当然ですが、課長が別の部署の社員に支持することもNGです。

役割を明確に。

上記の、指揮命令系統の明確化だけが目的ということであれば、
それこそ社員が全員で3~4名という会社では、
組織図が不要ということになります。

指揮命令という意味では、全て社長の直轄になりますから。

しかし組織図の目的はそれだけではなく、
それぞれの仕事上の役割を明確にする、ということも
重要な目的です。

その会社内には、どのような役割が存在して、
その役割が互いにどのような関係性を持っていて、
自分がその中でどの役割を担うのか。
それを明確にするのです。

これがはっきりしていないと、
自分はこの会社の中でどの位置づけで
どのような役割を果たすことが求められているのか、
曖昧になってしまいます。

小さな会社では、一人の人が一人で三役くらいを果たすような
組織図になってしまうかもしれません。
一つの組織図の中で一人の人が兼務で複数の個所に現れるのです。

見ていて少し滑稽でもありますが、
たとえこのような形になったとしても、組織図があるからこそ、
社員さんは、その会社内での自分の役割を明らかにすることができます。

役割が明らかになれば、
自分はどこに責任を持って仕事をするのかということがはっきりしますから、
「これは自分が責任をもってやる仕事、そしてこれは自分の範疇外」
というふうに、自身の動き方がわかりやすくなるのです。

経営者の意志表明とする。

組織図をつくることは、
会社内の仕組みを作ることでもあり、
社内の環境整備の一環でもあります。
その意味で組織図の作成は、経営者の大切な仕事です。

事業領域を定めて、その仕事内容を分割し、
仕事が円滑にまわるように、組織間の関係を明らかにして、
そこに適材適所で人材を当てはめていくのです。

そして、
「この社員さんは、この上司のもとで育って欲しい」とか、
「この社員はこの人の監督下に置いときたい(または、はずしたい)」とか、
「この社員はこの仕事を、この役割を担うことに責任を持ってもらいたい」
など、
経営者の意志や意図を反映させることができるのです。

もっと言うと、組織図には、
経営者の意志が強く織り込まれたものでないといかんと思うのです。
そう考えると、組織図を改変する、ということは、
経営者から社員全体に向けての、無言の、明確な意思表明なのです。

このように組織図には様々な役割があります。
組織図は、組織を円滑に回すための、重要な存在なのです。

皆さんの会社で組織図を作るときには、
「うちの業務のありかただったら、こんなもんだな」
と適当に作るのではなく、
経営者の思いと意図と意志をそこに思い切り塗り込めて
作成していただけたらと思います。

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