私は、にわかに新しい言葉が生まれて、猫も杓子も・・となるのが
好きではないです。どちらかというと嫌い寄りです。
本当に貢献したいと思っているのか
世界的な政策や、国の施策などで、
いきなり新しい言葉が生まれ、もてはやされ、
誰も彼もがそれを取り入れようとする姿勢が
あまり好きではありません。
今で言うSDGs、一昔前であれば、地産地消などが
それにあたります。
SDGsの趣旨はその言葉通り、
「持続可能な発展」であり、
そこに掲げられていることは、美しすぎることばかりですので、
批判の余地はありません。
ある意味理想の状態ですから、
できないよりできた方がいいことでしょう。
しかし、そんな言葉が国とマスコミによって大宣伝されることで、
いままで環境とか一切興味がなかった会社が
いきなり「わが社はSDGsを・・」と言い出したりするのが
胡散臭いこと、この上ないですよね。
SDGsがメジャーな存在になったことで、心を改めて、
本当に「持続可能な発展」に共感して、それに少しでも協力したい!
という思いがあるのか。
正直とてもそんな風に思えない会社が、たくさんあります。
企業イメージがあがるからとか、
補助金がもらえやすくなるからとか、
そんな理由での見せかけのSDGsが透けて見えますよね。
ネットで調べると、賛成反対いろんな意見が飛び交ってますが、
本当にただ一言、
「SDGsなんて関係なく、それが正しいと心から思っているのであれば、
実践して、だまっていればよい」
そう思います。
本来の目的を見失わない
「一昔前」ということで例に挙げた「地産地消」もそうです。
今や少しずつ目に触れなくなってきていますが、
一時はあっちもこっちも「地産地消」ばかりでした。
はたして、地産地消の何が良いことなのか
ちゃんと理解してやっているのか。
それを通して地域や社会に貢献しようという思いが
本当にあるのか。
SDGsと同じ話しですね。
地域経済に目を向けたことのないお店が、
いきなり「地産地消」とか言い始めて、地域の商品を使い始める。
『「地産地消」と謳えば、イメージがよいから』
という意識が見え見えで、
なんとも言えない気分になっていました。
私、京丹後に行きつけの居酒屋がありますが、
そこは基本地域の食材を使ってますが、鶏肉だけ
「すんません、これ京丹後市じゃなく兵庫です」と。
理由を聞くと、「この方が断然美味しいから」
ということでした。
それがとても自然で、好感がもてました。
地域の良いものは、
それが地域の強みだし、皆に知って欲しいし、食べて欲しいから、
地域のものを使う。
でもそうじゃないものは無理して使う必要はない。
この割り切りがカッコイイですよね。
地産地消の押し売りはそういう意味で、
消費者に犠牲をしいているのです。
消費者もそれを理解して納得のうえであればいいのですが。
もちろん地域で経済をまわす、という意味で、
地産地消には大きな意味があり、
とても大切なことです。
農産物は新鮮(おそらく)新鮮でしょうし、
運送コスト・エネルギーを削減できます。
ですから、地産地消を導入することを否定するわけではありません。
むしろ今後も推し進めるべきことです。
ですから、地産地消のもつ本来の趣旨に賛同し、これを取り入れようと思うのであれば、
覚悟をもって徹底して取り入れればいいこと。
そういう人は、めちゃ応援します。
でも大半は「なんちゃって地産地消」
そんなもので消費者がだませると思ったら、大きな間違いです。
変なビジネスが横行する
こういった新しい言葉や、それに呼応した活動がおこると、
その周辺に、変なビジネスが横行します。
私はいつも、
「変な、カタカナ省略後が登場したら、気をつけろ」
と言っています。
古くはFintechとか、
今ならDX(デジタルトランスフォーメーション)とか。
ITが進化すればそれが金融の世界に持ち込まれるのは、
ひどく自然な話しですし、
DXについてもこれまでの延長線上にあるだけで
取り立てて劇的な変化が今この瞬間に起こったというわけではありません。
初めてこれらの言葉を聞いて、「なんじゃそりゃ?」と思って意味を調べると、
「なんでそれが、今さら?」という感覚にいつもなります。
おそらく改めて言葉を生み出すことで
何か革新的なことが起こっているように見せかけたい人がいるんだろうと思います。
そしてその流れに乗っかって、いろんなビジネスが横行します。
今、SDGsとかDXをネタにしたDMがどれほど多いことか。
これらの流行り言葉を使っていれば売れるのかと思ってるのか!
って感じですよね。
「新しい複合機を導入して、ペーパレスにしてSDGs!」
とか言われても、今使ってるものをそのまま大切に使い続ける方が、
よっぽど自然に優しいのです。
今日はいろいろと毒を吐きましたが、
大切なのは、こういった新しい言葉が生まれたときに、
その言葉の本質とその目的を正しくとらえることです。
そしてそれを、自社の考え方に照らして、正しいことであったり
価値があることであれば導入すればいいと思いますし、
本当にその言葉の趣旨に共感するのであれば、
矛盾なきように、自社に取り入れればいい。
「ただイメージがいいから」というのは
あまりに浅はかだろうと思うのです。
そんなものは、ちゃんと考えている消費者からは、
すぐに見抜かれてしまいますから。