決めたことをやり抜くことは大切です。
しかし、決めたからといって絶対にそれをやり抜くことが
必ずしも正解ではありません。
やらなくてもいい。
昨日のブログで書いた通り、
一昨日と昨日と一泊で、スキーに行ってきました。
そのスキー場、音楽が流れているだけでなく、
だいたいずっと、DJが生放送しているのですが、
リフトに乗りながらふとそのDJの話しを聞いていると、
とてもいいことを言ってました。
「皆さん、スキー場に来たからって、
たくさん滑らなきゃ、もっと滑らなきゃとかって
思わなくていいんですよ。
こんなに一面雪の世界を目にすることなんて
めったにないことなんでしょうから、
ここまで足を運んで、
『ゆったりいい景色を楽しむ』
とかっていうのも、それだけで価値があるんじゃないでしょうか」
と、だいたいこのような趣旨のことをしゃべってました。
これを聞いて、
「このDJ、良いこというやん」
と思ったのです。
確かに遠くからわざわざスキー場まで足を運んだわけですから、
その限られた時間、びっちり滑りたくなるわけです。
もっと言うと、時間を無駄にしちゃいけない、滑らなきゃいけない、
っていう思考が働いてしまうことがあります。
しかし、そんな考え方をしていると、
リフトに並んでいる時間、
食事で並んでる時間、
送迎バスを待ってる時間、
そんな時間がもったいなくて、せわしなくて、
どんどん視野が狭くなって、
周囲への気遣いも疎かになり、
いらぬ衝突を生んでしまったりします。
経営も同じこと。
確かに経営は原則としては「やるべきだ」と決めたことは
やりきることが大切です。
しかしその「やらねばならぬ」ことに執着しすぎるあまり
視野が狭くなっていったり、
周囲に心配りをできないようになるのであれば、
やらん方がましです。
もちろん、やらなければいけないことを、すぐに諦めてうまくいくほど、
経営は甘いものではありません。
ですから一定の執着はもって、
それを余裕を持ってできるよう工夫をしつつ、
最悪のときには
「まぁ、しょうがないじゃん」
という遊びの部分を持っておいても
いいんだろうと思うのです。
方針変更はあり
「やらねばならぬ」ことからの脱却、のもう一つの切り口は、
途中で方針変更をする柔軟さを持っておきましょう、
ということです。
こちらも基本は、
最初に決めたことを最後までやり抜くことです。
これがあくまで前提。
しかし、最初に「これをしよう」と決めたときと、
それを実際に始めてみた後では、
時間が経てば経つほど環境は変化しますし、
実際に手がけることでわかってくることもたくさんあります。
ですから一度
「今期はこれをやる！」と決めたことでも、
それが
「なんだかうまくいかない」、ということであったり、
「これはちょっと現時点では難しいな」、ということであるならば、
方針の変更はアリアリなんじゃないかと思います。
逆にうまくいかないことを、
「これはちょっと違うんじゃないか」と感じつつ、
「決めたことだから、やらなきゃ」という考えだけで
ずっと続ける方が、
経営的にはリスクと考えられることもあります。
もちろん続けているうちに、
また道が開けてくることもあるんですけどね。
ですから、自分への言い訳とかじゃなく、
「これこれ、こういう理由で、続けるべきじゃない」ということを
ロジカルに説明できるのであれば、
堂々と方針変更すればいいのだろうと思います。
成果も生み出さないのに、最初に決めたという理由だけで、
何も変化を起こさないのは、これはこれで怠慢です。
そのこだわりは、何のため？誰のため？
このように、
「これはやるべき」
「これはやらなきゃ」ということに執着して、
その実現のために頑張ることは、
経営のためには大切なことです。
しかし逆にこれらのことに執着しすぎて
心の余裕と組織の柔軟性を失うことは
決して褒められたことではないのです。
それを「続けなければ」という意思を持ち続けるその理由は
なんでしょう？
なんのために続けるのでしょう？
誰のために続けるのでしょう？
それがなんのためにも誰のためにもならないのであれば、
それは単なる自己満足である可能性もありますから、
そんなものはさっさとやめてしまいましょう。
やるからにはそこに「意味」が必要です。
「これ、意味がないな」
「意味がなくなったな」
と思ったら、勇気を持って即座にやめましょう。
私もこの毎日ブログ、ちゃんと自分なりに意味を持たせてますから、
毎日つづけているんです。
すさまじい労力のかかることですから、
意味を失ってしまったり、意味が大きく失われたら、
それこそ本当に無駄でしかありません。
潔くボーンと捨ててしまうつもりです。
自分の根性試しのためにやっているわけではありませんからね。
世の中に絶対は、ありません。
「絶対にやらなきゃいけない」で自分を縛り上げ続けるのは、
ぜひ、やめてみましょう。
