余分なものは、靴の中の小石。

生きている中で余計なものは、靴の中の小石のようなものです。

最近いつもはいているクツ。ぴったりフィットで、小石が入らない。娘には「ハデ」と言われるが、お気に入り。

靴の中の小石とは

仕事をしているときにも、普段生活している中でも、
自分が引き受けてしまったものや、自分がやりはじめたことで、
ずっと頭の中にあって、それがとても気になって仕事が手につきにくくなったり、
集中できなかったり、なんとなく気持ちが憂鬱だったり、
そんなことってありませんか?

ここでいう「靴の中の小石」というのは、
そういった自分が日常生活を送る中で、
ちょっとひっかかって気持ちの悪いもののことを言っています。

会社が倒産してしまうかもしれない、とかそんな大事(おおごと)のことではありません。

「頼まれたから、うっかり引き受けてしまった」とかいう、
本当にちょっとした些細なこと。
そんなことが、「靴の中の小石」です。

靴の中に小石が入っていると、歩き続けることはできますが、
なんとなく気になります。
それがストレスで、少し歩きにくくて、
先に進みにくくなってしまいます。

それと同じように、そんなちょっとした日々のストレス。
ただそれだけのことで毎日が少しずつ憂鬱になります。

それは本当に必要なことだったのか

皆さんは実際に靴の中に小石が入って気になるとき、どうするでしょう?
当然そんなものは邪魔でしかありませんから、
いったん立ち止まって、靴を脱いで、靴の中の小石を取り除きますよね。

そんな気になるものは、早々に取り去った方が歩きやすいに決まってますから。
そして歩きやすくなれば、その分楽に、遠くに届くようになります。

では日常生活の「小石」を取り除くということをしているかというと、
これは全く違った話となります。
何か常に心の片隅に余計なものを抱えながら、
仕事や生活をしたりしてはいませんでしょうか。

実物の小石はすぐ取り除くのに、なぜ、頭の中の小石については、
「この小石はとれないぞ」
と考えながら、歩き続けるのでしょう?

ですからそのような「人生の小石」のようなものに気が付いたら、
それは本当に自分にとって意味のあるものなのか、
ということを問いかける必要があると思います。

自分で意味があると思いこんだり、
周囲から
「あなたのためになるから」
と背負わされたりするものも、現実問題としてたくさんあります。
「あえて意味のあるものと考えてみる」のではなく、
「本当に」意味のあるものかどうか。
それをよく吟味する必要があります。

そうでなければ、次はやらない

さて吟味した結果、
「これは小石だ」ということがわかったらどうしましょう?

もちろん取り除くのが一番ですよね。

しかし小石のような物質的なものであれば、100%取り除くことができるのですが、
心の中にある「小石」は、なかなかに面倒な場合があります。

どれだけ面倒であったとしても、
最終的は「捨てる」という勇気を持つことができれば、
どんな小石も取り除くことは可能なのですが、
人は一人で生きているわけではなく、
他社との関係性の中で生活していますから、
ムリに取り除くことで、別の弊害を生み出してしまうことがあります。

例えば、苦手なことを頼まれてうっかり引き受けてしまったことなどは、
途中で投げ出してしまうと、
「責任感のない人」というレッテルを貼られてしまうかもしれません。

できる限り取り除くべきものは取り除くべきではありますが、
一方で、そうしない方が良いものがある、という現実があります。
そういったものは仕方なく責任を果たすまではやりきってしまう必要があると思うのですが、
ここで考えるべきことは、

「こんなものは、二度としない、引き受けない」

と反省し、心に決めることです。
それでもうっかり手をつけてしまいそうなのであれば、
毎日目に触れるところに
「○○は絶対にやらない」
と貼っておきましょう。

目に触れないところ(メモやPCの中など)に記録するのであれば、
毎朝それを見るというルーチンを作ってしまうべきでしょう。

特に経営をしていると、いろんな誘惑があります。
自分の中に、ちゃんと方針があるとしても、
欲が出てくると、ついそれに手をつけてしまって後悔するようなこともあります。

ですから、できるだけ小石は取り除くようにするともに、
最初から小石を取り込まないようにするにはどうすべきか、
ということを考えて行動に移すことが大切です。

いろんなものを取り込んで、付け加えていくと、
人生も経営も、どんどん複雑になっていくように思います。

「つけたすものがなにもなくなったから完成なのではない、取り去るものがなにもなくなったから完成なのだ」
サンテグジュペリのこの言葉を胸に、できるだけシンプルな人生・経営にしていきたいものです。

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