経営者自身の「コスト」を下げる意識をもつ。

社員さんやパートさんの給与は、間違いなくコストです。
それでは経営者は、自身の働きがコストであるという認識を持っているでしょうか?

経営者自身のことは放置気味。

経営者は、自社の利益を最大限にするために、
できるだけコストを下げる努力をする必要があります。

というか、経営者であれば、
何も言われずともそういう行動をとることになるだろうと思います。

人件費が効率的・効果的に成果を生むように
最適化することを考えるでしょうし、
その上で手一杯になったらまた人を雇用します。

さて問題は、それを繰り返している間に、

『経営者自身は、どうなった?』

ということです。

経営者もその有限な「時間」という最も貴重な経営資源を
経営に投入している限り、
その「コスト」がどうなっているか、
ということを考える必要があります。

それでは「コスト」の定義とは?

「コスト」とは「費用」と訳されますから、
一般的にこれは、金銭的なマイナスを意味します。

しかし経営者が経営活動を行っている中で、
「経営者自身のコストを削減する」
ということを考えるとき、
この「コスト」には何が含まれるでしょう?

削減しないといけないもの、という考え方に立てば、
コストとはお金だけのことではありません。
それは、

「時間」・「労力」・「プレッシャー」・「面倒」

です。

要は自分自身をマイナスの方向へ引っ張るもの。
経営者が経営者としてよりよい活動を行うにあたり、
削減しなければいけないものは、
この4つの視点で捉える必要があります。

そして案外、これらが放置され気味です。

経営者が自身の能力を、より効果的な方に振り分けるため、
今行っている仕事の時間を削減することのほか、
労力、いわゆる「手間」のかかっているものを削減すること。

そして、面倒だという気持ちをできるだけ排除することと、
被っているプレッシャーから少しでも解放されるようにすること
です。

いわゆる「手間暇」の他に
精神的な要素を含めて考えるべきなのです。

これらは見えない形で
パフォーマンスにマイナスの要素を与えますから、
意識的に削減していくことを考えなければ、
そのまま放置されかねず、
経営者の自由が奪われ、
徐々に身動きが取れなくなっていきます。

ですから昨年よりもこの
「4つのコスト」
を下げる意識を持ちましょう。

これらが増えていくと、どんどんと余裕がなくなっていきます。
昨年よりも増えたな、と感じたら、
その原因を特定して、
それを排除する工夫を施しましょう。

空いた時間をどう使うか

これらの「コスト」削減を意識し、工夫を施すことで、
経営者は間違いなく今よりも解放されます。

時間的に空いてくるだけでなく、
精神的にも余裕が生まれてきます。

さてそれでは次にそうやって空いた時間と余裕を
どこに振り分けるか、ということを考えます。

このときに安易に「別の仕事」で埋めてしまうのは、
あまり良くないことなのではないかと思います。

経営者は小零細企業においてはだいたいが
「最も仕事のできる人」ですから、
経営者が直接仕事に関わることで
確かに一時的に売上と利益は
向上することだろうと思います。

特に経営者は、どれだけ働いても残業代のかからない、
ある意味「無償の労働力」でもありますから。

会社が傾いてきてつぶれそう、という局面においては、
この思考はとても大切ですが、
そうでない場合は時間的精神的ゆとりを、
通常業務で埋めてしまわないようにしましょう。


会社のビジョンと方向性を定めるのは、
経営者の最も大切な仕事です。
これらのクリエイティブかつイノベイティブな仕事に
時間を割くことができなくなるとそれは、
将来の成長性が止まった状態である、ということを意味します。

せっかく空いた貴重な経営資源である時間です。
これを浪費することなく、
もっとも価値ある活動へと配分していきましょう。

社員さんにも「4つのコスト」思考を。

この「4つのコスト」ですが、
実は経営者だけに当てはめるべきものではありません。

社員さんの給料は会社のコストなわけですが、
これを削減するということは、
何も給与をできるだけ低く抑えるということではないはずです。

コストをかけている以上、
それが最大限の効果を発揮するようにする必要があります。

社員さんが時間あたりでより効果的・効率的な事業活動ができるように
工夫することもそうですが、
社員さんがよりその力を発揮してくれるような環境を整えることも、
「その効果を発揮する」ということに繋がります。

面倒に感じていることや、
不要なプレッシャー。
これらから社員さんを少しでも解放するように工夫をしていくことで、
きっと社員さんのパフォーマンスは
高まっていくことだろうと思うのです。

経営者や上司は社員さんをこき使うのが仕事ではありません。

社員さんを通して最大限の結果(利益)を
生み出していくことが求められるわけですから、
最大限のパフォーマンスを発揮してあげられる環境を、
ぜひ作り上げていきましょう。


経営者だけでなく、社員さんの「コスト」が
昨年と比べて減少したのか。
これは非常に大きなテーマです。

「時間」「手間」「面倒」「プレッシャー」

これら4つをコストと認識して、
現状の改善をはかっていきましょう!

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