問題が山積みで、どうしたらいいかわからない場合の対処法。

経営者はどんなに小さな会社であっても
常に多くの問題課題を抱え、日々、たくさんのことで悩んでいます。
すると頭の中が混乱してきて、何をどうしたらいいのかわからなくなってくることがあります。
というか、多くの方がこの状態に陥っています。
こんな場合の対処法について。

おそそしい種類のポケカ。正しく整理されているのだろうが、私には混沌にしか見えない。

頭の中は整理しなくてはならない

人の頭の中は、とてもよくできていますが、
そんなによくできていません。
脳ミソにはキャパというものがありますから、
考えなければいけないことが少数であれば何事もなく処理できますが、
ある程度いろんなものが積み重なってくるとだんだん処理能力が落ちてきて、
オーバーフローした瞬間、わけがわからなくなってしまいます。

経営者をしていると、
日々いろんな問題課題が発生します。
会社の業績が思わしくないほどそれは顕著です。
・売上があがらない
・求人しても人がこない
・社員から文句ばかりでてくる
・お金がない、どんどん減っていく
・近くに競合のお店ができた
・社員が退職すると言っている
・銀行が貸しはがしにしょっちゅうやってくる
などなど。

これらが同時発生しますから、
頭の中はぐちゃぐちゃです。
そして一つのことを考えている間にも、次の問題が発生して
その思考をストップさせられます。

さらに、上記のような問題は、会社のマイナス要素をゼロにもっていかないといけない事柄ですが、
会社をよりよくしていくために取り組まなければいけないこともあります。
・福利厚生をどうしたら
・何か新しい事業を考えなければ
・ウェブサイトをリニューアルしないと
・新しい商品開発を考えないと
などなど。

これらのことも先ほどの「問題」と一緒になって頭の中でグルグルしていますから、
さらに頭の中は混沌としています。
するとその混沌の波にもまれて、
不安でしょうがない日々を送ることになります。

こういった方から相談を受けた場合には、
「まず、頭の中をちゃんと整理しましょう」
というところから始めるようにしています。

混沌を整理するために、書き出す。

これだけいろいろ考えないといけないことがある中で
自然と自分の頭の中を整理できる人は、そんなに多くいません。
そしてどこから手を付けていいものやら、ということになってしまうのです。

そういった場合には、
「書き出す」という作業が絶対的にオススメです。
問題課題を「書き出す」ことには、次のようないいことがあります。

①書いていくことで、頭の中が自然と整理される

人間、頭の中でグルグル考えているだけでは、
なかなか整理されていきません。
そもそも整理の仕方がわからないですから、
そういった訓練をしていない人にとっては当然です。
それが「書き出す」という行為を行うだけで、
不思議なことに自然と整理がされていきます。
いわゆる「アウトプット」ですね。
人間はアウトプットを行うことで脳内整理がされるようにできているようです。
ですから話すことでも整理はされていきますが、
跡に残すという意味で、頭の混沌を整理するには
話すよりも書き出す方が絶対オススメです。

②自分の抱える問題が可視化される

抱えている問題は、
頭の中に浮かんでは消え浮かんでは消え、するから不安になります。
問題が頭の中を浮遊しているのではなく、
「こういった問題があるんだ」ということが
目の前にビチッとリストアップされると、
それだけで安心感を生み出します。

③「たったこれだけか」ということに気が付く

複数の問題が頭の中を駆け巡っていると、
人間の頭の中は、物事を同時並行してに考えることが苦手ですから
あっという間に混乱をきたしてしまいます。
それが「問題がめちゃたくさんでどうしよう!」
という精神状態を生み出して不安でたまらなくなるのです。

これを一度落ち着いて全て書き出してみることで、案外
「たったこれだけのことだったのか」
ということに気付かされます。

先ほどの可視化と重なる部分でもありますが、
書き出して目の前に置いておくことで、
頭の中に置いておかなくても「そこにある」という状態になりますから、
ずいぶんと気持ちが楽になるのです。

頭の中に全部置いておくのではなくて、
頭の中から外に取り出して(=書き出して)、
頭の負担を軽くしてあげましょう。

分類して書き出す

そうは言っても経営者、
いろんな考えないといけないことがあります。
20個も30個も出てきたときには、
それを書き出した紙の上が、また混沌状態となります。

こういった場合、
これらの書き出した問題をグルーピングしておくと、
「ああ、そういうことか」と理解できて、
いっきに整理された状態になります。
そのグルーピングの分類は次のように考えるのがオススメ。

・ビジネスシナリオ(理念・コンセプト・事業領域)
・商品
・販売(広報・販促・営業)
・財務
・人、組織、組織運営
・ライフプラン、リスクマネジメント

だいたいこれら6つのどれかに収まるはずです。
エクセルなどに書き出していく場合は
最初からこれらの箱を設けてそこに入力していってもいいですが、
実際に紙に書き出す場合には
その後に移動・分類できるように付箋に書いていくのがよいでしょう。

どちらかというと私はこちらの「付箋に書く」ということをオススメします。
なぜなら、まずアウトプットする段階で何も考えずとにかく吐き出す、
ということに集中できるからです。
そしてその後ゆっくり分類していけばいいのです。

そして分類し終わったら今度は
一つ一つの分類項目を順番に眺めながら、
「この項目で考えられる、ほかの問題点はなかったかな」
と考えて、
「とにかく吐き出す」という過程ではアウトプットされなかった、
頭の奥底にある問題を引っ張り出します。

すると目の前に自分の抱える問題が全て、
分類された状態で「可視化」されることになります。
あとはこれに優先順位をつけて、具体的な解決方法を考えていきます。
この優先順位をつける、ということがまた大切なのですが、
これについてはまた機会がありましたら。

頭の中が混沌としている、何から手を付けたらいいかわからない、
ということになっている方は、時間がもったいないなどと思わず、
ぜひ一度、これを実行してみてください。
考えている以上に、頭の中がスッキリとしますから。

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