頭の中を整理する ~まずはアウトプット!

経営者は考えなければいけないことばかり。
考えないといけないことが多いにも関わらず、
また毎日新しい「考えないといけないこと」が降り注いできます。
そんなカオスな頭の中を整理するために。

経営者の頭の中は混沌である

「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
皆さんも中学高校時代に記憶させられたかもしれない、
鴨長明の方丈記の冒頭ですね。

これは「諸行無常」をうたったものですが、
経営者の頭の中も、実にこんな状態にあります。

もともと頭の中に多くのことがグルグルしているのに、
毎日新たな問題が降り注げば、当然のようにそうなりますよね。

日々降り注ぎ、頭の中を駆け巡るものは、
頭の中を混沌とさせるだけでなく、
ふと降り注いでは去っていく。
「うたかたは、かつ消えかつ結びて」
なのです。

そんな混沌とした中で、それらを解決していこうとすると、
その実体を掴まなければいけません。
そしてその実体を掴むためには、
その混沌を「整理」された状態にする必要があります。

ここでいう「整理」とはどういう意味かと言うと、
・捨てるべきものが捨てられ、
・いつでも取り出せるようになっていて、
・準備ができている状態

これがここで言う、
「整理されている状態」です。

まずは吐き出すこと

頭の中が混沌としている状態では、
何がなんだかわからないので、
まずはその目に見えないものを
「見える化」しなければいけません。

見える化するためには、
自身の頭の中にあるものを具現化する必要があります。
つまり、
「書き出すこと」
が第一ステップです。
現在経営上抱えている問題や課題を
とにかくたくさん書き出てみましましょう。

この書き出す段階では、
放置しておくと良くない状況になると想定される「問題」
将来のビジョンを実現するために実行する必要のある「課題」
の二種類だけに分けながら書き出していきます。

問題と課題は「解決される必要がある」という意味で
似ているように思えますが、
その目的を考えたときに、全く別物。

この2つを混同してしまうと優先順位を間違えてしまうことにもなりますので、
きっちりと区分して考えましょう。
そのためにも、頭の中のものを吐き出す段階で、
「これは、問題・・。これは・・課題。」
というふうに、
「問題」と「課題」に分類しながら書き出すのです。

それさえ分けることができたら、
この段階ではそれ以外は何も考えなくて問題なし。
順番とかもどうでもいいので、
吐き出す!吐き出す!吐き出す!
とにかくたくさん、解決しなければいけないことを
書き出すことだけ考えましょう。

アウトプットも能力である

頭の中の整理、というテーマでの今回のブログ、
「いかにアウトプットするか」ということと、
「アウトプットしたものをいかに整理するか」
の2回にわけて解説しますが、
まずはこのアウトプットが大切です。

実際にまず吐き出してみて、
あまり問題や課題をあげることができなかった方も
おられると思います。
実際にこれを顧問先の経営者にやってもらうことがありますが、
結構びっしり、いろんなことを書き出せる方もいれば、
逆に「これだけ?」という感じになる方もおられます。

そして書き出す数が少ない経営者の方が問題が少なくて
良い経営ができているかというと、まったく逆で、
そんな経営者の会社の方が、
圧倒的に経営状況がよくないという実情です。

なぜこんなことになるかというと、
問題・課題をアウトプットすることができないということは、
日々の経営の場面で、問題意識・課題意識を持っていない
ということです。

経営は
日々発生する問題の形成・解決と、
ビジョン目標に向けての課題設定・解決です。
つまり問題・課題がアウトプットされないということは、
日々経営改善がなされないということを意味します。

逆に常に経営をよりよくしようと考えている経営者は、
どれほど現状が優れた状態であったとしても、
どんどんと問題・課題を書き出していきます。

またアウトプット力は、訓練により向上します。
インプット量が同じであったとしても
日常的にアウトプットしていないかたは、
アウトプットの質量とも少なく、また時間がかかります。

前述のとおりアウトプットされないものは解決されることがないですから、
アウトプットする能力というのは、
経営の良し悪しに直結します。

ですからアウトプット能力が低いな、
と感じられるのであれば、
時間を使ってでもアウトプットする能力を磨く訓練を行うことを
オススメします。

アウトプットの訓練

アウトプットする能力開発の方法は、
いろいろあります。
今私は、毎日約2000字のブログを書き、
今年からモーニングページ(A4ノート3枚にびっしり頭に浮かんだことを書き出す)
を新たに始めていますが、
それぞれ本来の目的は
前者が私の考えていることの発信という広報であって、
後者が脳の排水を行うことで自由な発想が生まれる土壌を作ることです。

しかし両方とも、
同時に自分自身のアウトプット能力を高める訓練を目的としています。
毎日のブログを書くのも最初の頃は、
書く内容・テーマが定まってから1時間半~2時間近くを要していましたが、
今はテーマが決まってしまったら、
だいたい1時間以内に書くことができます。

そしてこれをすでに1年4か月以上実行していますから、
モーニングページについても、
A4ノート3枚をノンストップで、ものすごい勢いで書ききることができます。
あまりに自然にできてしまうので、
ひょっとしたら誰でもできることなのかもしれませんが、
おそらくこれは私が毎日ブログを書いてきたからできることであって、
多分普通はこうはいかないんじゃないかと思います。

両社とも相当に時間と手間のかかることですから、
アウトプットの訓練だけのためにこれらを行うことをオススメしませんが、
何が言いたかったかというと、
アウトプットについても人間訓練すれば
ちゃんと能力が向上すると言うことです。

以前ご紹介した、ゼロ秒思考でもいいでしょうし、
ゆっくりとマインドマップを作成することでもいいでしょう。

ただ、できれば、
それをアウトプットの訓練だけを目的とせず、
他の目的をも持たせて、
一石二鳥をねらうのが効率的だと思います。

数あるアウトプット法のうち、自身がフィットするものを選んで
ぜひアウトプット力を自己開発してみましょう。
意外と気持ちのいいものですよ。

タイトルとURLをコピーしました