フレームワークの有用性と、デザインスゴロク。

あまりメジャーでないフレームワークで、
「デザインスゴロク」というものがあります。
今日は、経営で使うフレームワークについての説明と、
デザインスゴロクについて。

デザインスゴロクを書いているところ。

フレームワークとは

本当に一部の天才的な人を除き、
頭の中で考えていることは、
案外頭の中で整理されていません。

いろんな情報が、どんどん外部から流入してきて、
それらが頭の中で混沌として漂っています。

そのように散らかっている状態ですので、
せっかくインプットした情報も
活用することが出来ない状態になっているのです。

こういった頭の中を整理するには、いろんな手法がありますが、
やはり頭の中だけでは限界がありますので、
それを実際に「書き出す」ということが有効な手段となります。

そしてこれをただ単にアウトプットするわけでなく、
その目的・手段に合わせて、特定のテンプレートに整理して
書き出していく、
このテンプレートのことを「フレームワーク」と呼びます。

ほとんどの方がご存じなものでしたら、
SWOT分析や3C分析などがこれにあたります。
このブログでも何度も紹介しているLDSSも、
池田重樹氏によって生み出されたフレームワーク集のようなものです。

先人が作り出したフレームワークは、
それこそ何百種類とありますが、
その中でも実際に自分自身で有用性が高いと思って使えるものは、
多くても20種類くらいじゃないかなと思います。

私もセミナー等で皆さんにお伝えするフレームワークはそれこそ何十種類もありますが、
実際に私自身が日常的に使用しているものは20種類に満たないでしょう。

そして今回ご紹介する「デザインスゴロク」は、そんなフレームワークの一つです。

フレームワークの有用性

頭の中にあるものを、
テーマに従ってただ書き出すのではなく、
フレームワークを使って書き出すのには、理由があります。

それは、フレームワークには「ルール」が存在するからです。

頭の中にインプットされた情報の中には、
容易にアウトプット出来るものと、
頭の奥底の方に鎮座していて、
なかなか表に出てこないものがあります。

ですから「ただ書き出す」だけではあまりに自由過ぎて、
こういった奥底の方に眠る情報を
引っ張り出してくることができないのです。

こんなときこそフレームワークの登場です。

フレームワークには
「ここにこんな内容の事を書き込む」
というルールがありますから、
「その枠内に書くべきこと」、という一点に絞って、
その情報を頭の中からひねり出す作業となります。

そしてフレームワークは基本的にすべてのピースが埋まらないと
完成しないようにできていますから、
頭の中にある知識・情報を強制的に呼び起こし、
強制的にそのピースに当てはめていく、
という作業が必要になります。

こうすることで、普段は気にも留めないようなものを
頭の奥底から引っ張り出してくることができるのです。

そうしてそれらが論理的に、整然と1枚のシートにまとめられることで、
自分の考えていることや、それまで考えもしなかったようなことが、
整理されていくのです。

それがフレームワークなのです。

デザインスゴロクとは

これまでこのブログで、
私が日常的に使用しているフレームワークの中で、
ビジネスシナリオ、クロスSWOT分析、顧客価値構造MAPなど
いろんなフレームワークを紹介してきました。

そして今日紹介するのが、
「デザインスゴロク」と呼ばれるものです。
デザインスゴロクは、
東京大学生産技術研究所 建築学 教授であった、故 池辺陽氏が
その基本コンセプトを生み出したとされているフレームワークです。

元々は建築学や都市工学などに活用されていたそうです。

このデザインスゴロク、
新規事業を構築するとき
既存事業のありかたを整理するとき
自社の理念・コンセプトを深めるときなど、
さまざまな場面で使えるフレームワークです。


デザインスゴロクの作成方法は以下の通り。
 1.最初に真ん中にテーマを書きます。
 2.三角の3つの頂点にある〇(A、B、C)に、
   そのテーマから考えられる最も大切なキーワードや
   ポイントを記載します。
 3.真ん中のテーマと(A、B、C)をつなぐ間の長い丸に、
   〇に埋められたテーマとの関連性を記載します。
   この関連性には
   具体的な手段や関連の理由、
   関連によって生み出されるものなど、
   幅広く柔軟な発想をもって埋める必要があります。
 4.最後に各頂点の(A、B、C)同士をつなぐ間の
   長方形を記載します。
   ここにはそれぞれのキーワード同士が
   からみ合うことで生み出されるもの、
   それぞれのキーワード同士がかけあわせて
   生じる相乗効果、
   それぞれを活かしあうために必要とされるものなど、
   それぞれの関係示すものを記載します。

大切なポイントは、2.3.4.を記載するときの
各項目の要素・内容を揃えておくということです。
たとえば3.のa、b、cで、
aには具体的手段を書き、bには関連の理由を書く、
というのはNGです。具体的手段なら具体的手段で統一しましょう。
そうしないと、バラバラな内容のスゴロクとなってしまいます。

これらすべてが記載されることで、
そのテーマとキーワードを中心とした全体像と
そのつながり、関連性などが明確になります。

長文になってきましたので、明日は、実際の具体例を用いて、
デザインスゴロクの解説を深めていきたいと思います。

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