不安が生じたとき、それを取り去るためにやっていること。

経営者は誰しも、何らかの問題をを抱えて仕事をしていると思います。
それらの問題は不安を抱える原因となりますが、
そんな不安を取り去るために、私がやっていることを。

明けない夜はありませんが、なんとかしようとしないと明けない場合もあります。

不安と危機感は違う。

まずは「不安」というものの正体について考えたいと思います。
不安というのは、何か問題を抱えていて、
その問題が漠然としていてその実態がつかめないときや、
その問題がどうすれば解決されるのかがわからない・不透明なときに、発生します。

このような
「問題が生み出すモヤモヤ感」
が、不安です。

それでは不安を取り去るにはどうすればいいのか。
先ほど書いたことが不安の「正体」であるならば、
その逆の状態に持って行けば、
問題は残った状態でもそれは不安ではなくなるはずです。

まず、問題の実体がつかめていない場合には、
最初にその問題がどんな問題なのかということを明確にすることです。
そして、解決方法が不透明な場合には、
その解決方法を明らかにすることです。
その方法で本当に解決できるかどうかは問題ではありません。
「こうすれば解決できるかも」と、
その手段を決めつけてしまうのです。

こうすることで、漠然とした「不安」だったものは、
「危機感」へと変わります。

不安は得体のしれない恐怖の対象ですが、
「危機感」は取り払うべき対象です。
受け身のものから、能動的に退治するものに変わりますので、
まだその問題が解決されていないとしても、相当に心の持ちようは変わります。

そのために私がやっていること。

基本私は、心の中にもやもやが出てきたときには、
以前このブログでも紹介した「ゼロ秒思考」を行います。

頭の中で考えるだけで、不安の正体を暴いてその解決方法が明確になる、
なんて場合には問題ないのですが、
そうでない場合は、とにかく「書き出すこと」です。

A4のコピー用紙1枚に、タイトルは
「なぜ不安なのか?」とか
「今のモヤモヤ感の原因は?」とかでいいと思います。
そしてタイマーで1分測って、
とにかく思いついたものから書きだす、書き出す。
そして1分経ったら、いったんストップ。

その段階で「出し切った!」という感覚がなければ、まだ吐き出しきれてない可能性が高いので、
同じタイトルでもう一度1分間、
前回と内容が重なってもいいので再度ひたすら書き出す、書き出す。

もう少し不安の居場所が具体的にわかっている場合には、
「○○について、なぜ不安を抱いているのか」
というタイトルで実行するのもいいかと思います。

大切なのは、とにかく
「出し切った感」が満たされるまでやること。
それができれば、この段階でもだいぶスッキリするだろうと思います。
解決手段が見えなくとも、少なくとも不安が実体化してきますから。

大きな不安から手をつける

「ゼロ秒思考」を実行することで、いっぱい不安の原因があがってくるでしょうが、
その中には結構どうでもいいものから、決定的に自分を不安に陥れているものまで、
いろんなレベルのものが混在しています。

正直大きな問題でないものはどうでもいいので、
まずは自分にとって重要と思われるものから優先順位をつけます。
そしてその優先順位の高いものから取り上げて
「〇〇を解決するためにはどうすればいいのか」というテーマで再びゼロ秒思考です。

考えうる解決方法をとにかく書き出します。
解決方法がなかなか出てこない場合には少しテーマをずらして、
「〇〇はなぜ自分にとって不安なのか」
などといったテーマにしてみます。
すると自分を不安にさせる根源がよりはっきり見えてきますので、
そのあと具体的な解決方法がわかりやすくなっていきます。

解決方法をさらに掘り下げる

解決方法が出そろった段階で、すぐにそれに取りかかってそれですぐ解決できる、
ということであればそれでOKです。
しかし、その解決方法自体がまだハードルが高いように感じるのであれば、
さらに掘り下げます。

例えば、
「その解決方法を実行するために必要な条件は?」
といったような内容で。

ここまで展開できれば、もはやそれは取り組むべき課題でしかなく、
「不安」という類のものではなくなっているはずです。

不安の原因から「逃げる」ことも大切。

これまで書いてきたことは、不安に「立ち向かう」方法です。
不安から逃げず、目を背けず、
その原因を探り当てて解決方法を見出しそれを実行していく、という
極めて前向きなアクションです。

しかし、不安の根源には残念ながら自分の力ではどうしようもないものもあります。
どうしようもないものでなくとも、
それを何とか解決しようとすること自体が不安であることもあるでしょう。

私が作成している「やらないことリスト」の中に、
「逃げない、媚びない」
というものがあるのですが、ここには例外的に
「でも必要なときには全力で逃げる」
と注釈をつけています。

人間、時には逃げることも必要です。
全部が全部、まじめに
「自分の力でなんとかしなければ」
とか考えていると、心が痛んでしまいます。

だから、
「これは逃げないと心が折れるかも」
と感じた場合、判断した場合には
全力で逃げましょう。
中途半端に目を背けたり、中途半端に逃げるのが一番よくありません。
基本、中途半端に逃げると、
その問題はより大きくなって追いかけてきます。
誰しも一度は経験したことがあるんじゃないかと思います。

だから逃げるときは、徹底して逃げる、逃げ切る。
ある課題を抱えていて、その課題自体が自分に負担になって不安の源となっているときに
目を背けて後回しにしても、後から大変なことになるだけですよね。
だから例えばその課題ごと他の誰かに託してしまって、
自分の身から完全に切り離す。
これくらい完全に逃げ切ることが必要です。

自己啓発の本を読んでいると、
「神様はその人が乗り越えることのできない試練は与えない」
などといったことが書いてあります。
だいたいが本当にそうなんでしょうが、
残念ながら現実としては本当に乗り越えられなくてドツボにはまってしまうものもあります。

そんな時には、
気持ちよく逃げきってしまうのも一つの手段だと思うのです。
一番大切なのは、自分の体と自分の家族ですからね。

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