目標・計画は絞り込まないといけない、その理由。

間もなく2月に入ります。
3月決算の会社はそろそろ来期に向けての計画に
着手しないといけない時期だろうと思います。
次の1年を確かな成長のあるものとするために、やることを絞り込みましょう。

潔い、絞り込みっぷりです。

やることを絞り込まねば、実現できない

私たちは小零細企業の経営者または一人経営者・フリーランスです。
少なくともこのブログはそうした方に向けて発信していますので、
そう決めつけさせていただきます(笑)。

私たちは小さい組織もしくは自分一人なわけですから、
最も大切な経営資源できある「ヒト」に大きな制限を受けています。
しかしその分大きな組織にはない「自由度」をもっているわけですが。
そんな人的資源の制約を受けている私たちは、
できることが限られています。

そもそも人一人でできることなど、たかが知れています。
ですから、私たちは、あれやこれや手を出してはいけません。
大切な数少ない人的資源を、
一点もしくは少数に、集中投下する必要があるのです。

今は1月ですから、
最近個人的にも今年の目標を立てられた方もいらっしゃると思います。
少なくともこのブログを読んでいる方は、
ぜひ立てていただきたいものと考えています。
しかし、このような個人目標をたてたとき、たまに
「そんだけいろんなこと盛り込んで、それできるの?」
と傍から見てもわかるものがあります。

目標や計画は、
たくさんのものを盛り込むのがエライわけではありません。
むしろそれがどれだけ達成されたかの方が重要です。
これまであまりこういったものを作ったことのない方ほど、
てんこ盛りになりがちです。
あと目標を作ったままそれを放置してしまっている人も同様です。
なぜそうなってしまうかというと、
自分がどれくらいのことをできるのか、
そのキャパが見えていないのです。

しかしちゃんと目標を定めてその達成状況を日々確認し、
振り返る生活を送っている方は、
徐々に自分のキャパを正しく把握できるようになってきます。
せっかく立てた計画や目標は、
それを日々振り返ってこそ意味があります。
そして自身の「現状の器」を知るためにも、
ちゃんと計画と目標の進捗を確認しましょう。

自信喪失につながる

これは個人差が大きいと思いますが、
せっかく立てた目標と計画ですが、
それが達成できないと落ち込みます。

特に「毎日、こんなことをやる」といったようなルーチン目標を立てた場合は
それができなくなってしまうと、
「なんて自分は意志が弱いんだ」となってしまうことがあります。
果たしてそれは自分の意志の問題なのか、
最初からそれだけの目標を盛り込むことに問題があったのか、
どちらでしょう?
ぜひその視点も持ってみてください。

もちろん意志が弱いだけ、ということもあるんですが。
そもそもルーチンは、
日々の生活の質的向上を求めて行うものですが、
その継続でもって自信を身に着けるものでもあります。
ですから
「ちょっと頑張って達成できる」
というレベルが大切だと思っています。

意志が弱い人であるならば、
自分の意志の弱さを計算に入れたうえで、
その少し上を目指しましょう。
たくさんの継続目標を立てることで
意志の弱さが克服されるわけではありません。
できなくて自信を失うくらいなら、
最初から目標は少ない方がいいのです。

いろいろなものが、中途半端に

経営計画を立てる過程で、
現状の事業環境に不安をいだいている人ほど、
計画にものすごくたくさんのことを盛り込む傾向があるように思われます。
不安だからこそ絞り込めないのです。
その気持ちはとてもよくわかります。
あと、「変に」成長意識の強い方も、そんな形になりがちです。

しかし、あれやこれやいろんなことを盛り込み過ぎた経営計画は、
その実行の結果として、全て「中途半端な形」で終わってしまいます。
そもそも私たちは、人的資源が不足しているわけですから、
そんなにいろんなことができるわけがないのです。
そういった
「中途半端な事業」
「中途半端な取り組み」の残骸が、
皆さんの会社にとっ散らかっていませんでしょうか?

計画として立てた以上、
それが実現されることが会社の力となっていきます。
中途半端に投げ捨てられたものは、
結果として時間の無駄です。
確かに、手を付けたものの「やっぱりこれは違う」と決断して、
「勇気をもって捨てる」ということは大切です。
しかし、この両者は似て非なるものです。

本来継続して実現しなければいけないものを、確かに実現するために、
自社のキャパを正しく認識して、
目標の数は、そのキャパの中で取り組むことのできるだけの範囲に
絞り込みましょう。

形になってこそ、積みあがる

経営でも日頃の生活でもそうですが、
新しく実行しようとしたことが実現出来たり、
ちゃんと形になってこそ、
その上にその先のものを積み上げることができます。

特に経営においては、
「自社の強みを磨き上げること」
「独自性を追求していくこと」
が大切です。
ですから、
「うちの会社は、この独自性で食っていくんだ!」
という部分をどんどんと成長させていく必要があります。
そのためにはその独自性に関わる部分を一つ一つ着実に実行・実現していって、
足元を着実に固めて、
一歩ずつ踏みしめて上がっていかなければならないのです。

全てのものが着手して中途半端な状態になってしまうと、
一向に上には積みあがっていきません。
だから、計画や目標の数は、
多いことがエライのではないのです。
数は少なくてもいい。ただそれを着実に実行し、
形にしていきましょう。
それが次の成長へとつながるのです。

今の姿を大きく変えなくて良い

今は、時代の変化が本当に早くなりました。
10年20年後の世の中では、
いまある仕事の多くが、までは言わずとも、
結構な数の仕事がなくなっているだろうと思います。
それを感じ取れる業界に身を置くほど、
不安になります。
だから思いっきり自社のあり方を変えていかなければいけないように感じてしまいます。

確かに思い切り、大きく変えていこうという意識は必要です。
しかしだからと言って、今すぐ大きく全部を変える必要はありません。
自社を取り巻く環境の変化を冷静に見極め、
少しずつ変化していくことを考えましょう。
大きく変えて、いきなりそれを事業の柱とすることはムリがあります。
多くの事に取り組む必要が出てきて、それがキャパを超えてしまうと、
中途半端なことになってしまいます。
そして中途半端なことになったものはその後積み上げられることなく
放置され、捨てられていくことになるおそれがあります。

ですから「この方向性を!」と定めたら
まずは小さく始めて一歩ずつ形にしていきましょう。
今の会社の全身の10%よりちょっと下くらいを変化させることができれば、
それで充分です。
それを一つ一つ着実に積み上げて、
地道に形にしていけば、
10年立てば、
会社は全く違った姿になっているはずです。

あれやこれや手を付けて、すべてが中途半端に終わると、
10年たっても今の姿のままなのです。

これから10年先、20年先を見据えて継続していく必要がある会社は、
必ず変化が求められます。
だからこそ手を広げ過ぎず、やるべきことを絞り込んで、
着実に一歩ずつ変化していきましょう。

それが環境に対応するということだと思うのです。

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