経営の全体像を知る。

「経営」というものは、どんな要素で出来上がっているのか、
考えられたことはあるでしょうか?
「経営とは、ここからここまで網羅するものだ」
というのがわかっているのとそうでないのとでは、
やはり経営を進めるうえで違ってくるだろうと思います。
今日は「経営の全体像」について。

全体を把握し、全体で動かす

経営者は本当にいろんなことを考える必要があります。
会社が大きい小さいにかかわらず、
経営を行っていく上で考えなければならない範囲に変わりはありません。
その規模感が異なるだけなんじゃないかと思っています。

事業を行っている以上、
それが個人であれ法人であれ、
また一人の事業であれ組織化されている事業であれ、
事業を運営している以上、その人は経営者です。
ですから経営の全体像というものは、
事業を運営している誰しもが認識しておく必要があると思っています。

経営者はその出自によって、結構偏りがあります。
営業畑から独立した人は、商品を売ることに特化してしまいますし、
製造現場から独立した人は、製品を作ることに特化してしまいます。
しかしものを売るのも、ものを作るのも、それは経営のほんの一部に過ぎません。

「部分最適」「全体最適」という言葉があります。
これは読んで字のごとくですが、それぞれ、
部分的にとらえて最適な状態、
全体でとらえて全体が最適な状態
を意味します。
そして、部分最適の集合体が必ずしも全体最適になるとは限らない、
ということは、感覚的にも理解していただけるんじゃないかと思います。

例えばどれほど素晴らしい商品ができあがって、売れば売るほどどんどん売れる、
ということになったとしても、
それを一定の品質で製造し適切に販売する体制ができていない状態だと
欠品の嵐とクレームの嵐となってしまいます。
これはほんの一例にすぎません。
これと同じ様に、「あちらを立てればこちらが立たず」ということが
経営のなかではあらゆるところに発生する可能性があり、
それをコントロールしていく必要があるのです。

ですから
「全体を把握し、全体で動かす」
ということが求められるのです。

「経営」の構成要素

それでは「経営」というものはどういった要素からできているのか。
その細部全てをここでお話しするのには時間もスペースも少なすぎますので、
まずは「大項目」から。

経営(特に中小企業経営)は次の6つの要素から出来上がっています。
①ビジネスシナリオ
②マーケティング・セールス
③人事・組織
④財務
⑤ライフプラン
⑥リスクマネジメント

それぞれ、極々簡単に説明します。
①ビジネスシナリオ
そもそもその会社が、どんなビジネスを行っていくのか。
②マーケティング・セールス
どのように商品を開発し、それをどのように顧客に届けるのか。
③人事組織
ビジネスを行っていくにあたって、どのような組織を構築するのか。
④財務
事業を通してどれだけ投資をしてどのような成果を生み出すのか、その計画と結果。
⑤ライフプラン
経営者と社員の人生設計はどうなっているのか。
⑥リスクマネジメント
会社にとってのリスクとは何か、そしてそれにどう備えるのか

といった感じでしょうか。
そしてこれらそれぞれが、さらに細かいパーツに分かれていきます。
こう考えるだけでも経営者の考えなければいけないことは膨大ですし、勘のいい方は、
「そうか経営とはそういう形で出来上がっているのか」
ということに気付かれることだろうと思います。

これらは全て、つながっている

経営全体は、前述の大きな6つのパーツと、さらに細かいパーツで構成されているわけですが、
これらのパーツはそれぞれ別個のものではありません。

一つ一つが一つの経営全体の一部を構成している以上、
あらゆるパーツはいろんな部分とつながりあっています。

ビジネシナリオで定まったものをどのように売るのか、
そしてそれを販売するための体制はどのようなものである必要があるのか、
そしてそのためにはどれだけの資金を準備し、どれだけの結果を出す必要があるのか。
その結果を出すためには、どんな売り方をしないといけないのか、
その売り方をしていくためにどんな社員教育が必要なのか、
その売り方はビジネスシナリオの根っこである経営理念に照らして合っているのか、
その事業を起こっていく中でどんなリスクが生まれ、
それを回避するためにどんな投資が必要なのか・・・

このように、全部つながっています。
だからこそ目指すべきは「部分最適」ではなく「全体最適」なのです。

いまここに「ライフプラン」が登場してきませんでしたが、
小零細企業においては経営者のあり方で100%その会社のあり方が決まります。
大企業でも経営者が変わると成果が大きく変わるわけですから、
小零細企業においてをや、ということですよね。

ですから経営者の「家庭経営」が不安定であると
それは会社経営に大きなダメージを与えます。
社員一人一人のライフプランだってそうでしょう。
将来に不安のない形で安心して仕事に取り組んでもらってこその組織です。
このように、ライフプランもしっかりと経営全体とつながっているのです。


このテーマで今日のブログを書き始めた私がいうのもなんですが、
1日のブログでは到底語りきれないテーマですので、
今日のこのブログを読んでいただいただけで何か得られる、
ということではなかったかもしれません。
しかし、
・経営は上記の6つの要素でできていること、
・そしてこの6つが緊密につながりあっていて、
・これら全体が最適な状態となっていくようコントロールすることで会社を維持発展させていく、
これが経営を考えるということなのだな、
ということを理解いただければ、
きっとそれだけで「経営」というものに対する考え方が
少なからず変化するのではないでしょうか。

ぜひ皆さん、「全体最適」を意識しながら日々の経営に取り組んでいただけたらと思います。

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