「ゼロ秒思考」による手書きメモの効果

今日は、昨日の予告通り、ゼロ秒思考について。
本を読んでこの手法を学んで、
実際に10日で120枚以上のメモ書きをしました。
その効果と注意点など、まとめてみました。

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ゼロ秒思考とは

ゼロ秒思考とは、赤羽雄二氏の著書「ゼロ秒思考」で紹介されている
アウトプットの手法です。

私もそうだったのですが、
何か課題を与えられたときや、課題が目の前に立ちはだかったときに、
それに対して深く考えているようで、
一生懸命考えているようで、
実は思考停止していてほとんど前に進んでいかない、ということがあります。
でも実際みんな頭の中には、いろんな考えやアイデアを持っていて、
ただそれが頭の中で整理されていなくて、適切に取り出すことができていない状態です。

著者はコンサル会社のマッキンゼーで勤務しているときに
その課題を解決するためにこの「ゼロ秒思考」を編み出したそうです。
誰でもこの訓練をすることで、
心の中を整理して考えを深めてそれを表現することができるようになる、
そんな手法です。

やるべきことは非常にシンプル。
頭に思い浮かんだことを、ただひたすらメモに書いていくだけです。
A4の紙を大量に用意して、
一つのテーマに対して1枚で書きます。
そしてゆっくり時間をかけるのではなく、1枚を1分以内で。
そしてこれを1日に10枚以上書く。
ただそれだけです。

やってみた効果

ちなみにこの本自体は2013年の初版ですので、もう10年前のものですから、
それほど新しいものではありません。
何年か前にも一度この本を読んで実践しようとしたのですが、
まさに3日坊主となりました。
そして昨年、ふとこの本を紹介しているブログに出会い、
もう一度チャレンジしてみようと思い取り組みました。

実際にやってみるとわかることですが、
これを1日10枚もやってみると、
その後、頭が高速回転しているのがわかります。
とにかく猛スピードで、今の感情を含めてすべて吐き出しますので、
めちゃスッキリします。
そしてその中でふと思いもしなかった(本当は無意識化で考えていたのでしょうが)アイデアや言葉が
ポロっと出てきます。
今頭の中で整理されていないでもやもやしていることや、
解決したいことが形になって整理されていくことがわかりましたので、
これは継続する価値がある、ということで、
今は日常的にA4用紙とペンを持ち歩いています。

実践ポイント

この「ゼロ秒思考」を実践するにあたり、
著者の書いている実践ポイント、その中で私の体験としていくつかポイントがありますので、
これらをまとめてみました。

・ちゃんと本に書いてある通りにする。

これは大きな反省でもあります。
今から書いていく実践ポイントは、結局ほとんど本に書いてあることです。
しかし、「それよりこの方がいいじゃん」と思って
最初無視して自我流でやったことがありましたが、うまくいきませんでした。

これはどんな本や学びでも同じことだろうと思うのですが、
最初はちゃんと教えてもらった通りにやってみる、
ということが大切です。
そしてそれをマスターして初めて、そこに自分なりに色付けをしていくという順番です。
いわゆる「守・破・離」ですね。
「まずは、この通りにやってみてください」という風に、わざわざ本にも書いてあります。
それすら無視してしまってすいません、という感じです(笑)。

・毎日10ページ書く

最初のうちは身につけないといけませんから、
とにかく枚数を書くことが大切です。
まずは毎日最低10ページを10日間続けましょう。
この最低100枚をクリアする辺りから、見えてくるものがあります。


・ネタを準備しておく

上記の「毎日10枚、10日間」ですが、
最初のうちはなかなか何を書いたらいいのか思いつきません。
しかし、最初の10日間あまりは訓練期間でもありますから、
ネタがなくてもとにかく書く必要があります。
ですから事前にネタを準備しておきます。

本の中でも70個ほどネタを紹介してくれていますので、
困ったらそれを参考にするといいでしょう。
また自分でもネタのタイトルを書き溜めておくことをオススメします。
慣れてくると日常的にふと
「ああ、これ、メモ書きして整理してみよう」
と思い立つようになりますから、それほど困らなくなります。
書くネタが思い浮かばない、ということは
普段問題意識をそれほど持たずに生きてきたんだな、
ということに気付かされます。

・1分の時間を守る

ルールとしてA4用紙1枚に1分間ですから、
結構大変です。
実際にやってみるとより体感できますが、
本当に短い時間です。

タイトルを書き、
日付を書き、
思い浮かんだことを箇条書き(一つにつき20から30字程度の箇条書きを4~6行)にする、
ということを1分以内に全て行うのです。

めちゃ大変ですが、この「めちゃ大変」というのが訓練になります。
「瞬時に頭の中から吐き出して整理する」という訓練ですから、
これくらいの時間のタイトさがなければ意味がありません。
そして著者いわく、
「時間を書ければそれだけいいアイデアが出てくると思うのは、大きな間違い」
とのことです。
確かに言われてみればその通りです。

・ペンは書きやすいものを

私は税理士試験を経験していますので、
ここには一定のこだわりを元々持っています。
今はわかりませんが、少なくとも私が受験生時代の税理士試験は、
記憶したことを猛スピードで文章として吐き出すことが求められる試験でしたので、
自分にとって書きやすいペンとはどれなのか、ということには
とても神経をつかいました。

この本でも紹介しているのが次のペンです。

試してみましたが本当に書きやすい。
なんせ1分間にどれだけのものを吐き出せるか、という訓練ですから、
最高の訓練の環境を整えるためにも、
ここは妥協せずに自分なりに書きやすいペンを探して、それを使いましょう。

・汚い字でもいい!

とにかく時間がありません。
字の美しさは二の次・三の次です。
自分以外に人に見せるものではありませんし、
逆に人に見せられないようなものになることもありますから、
あとから振り返ったときに自分だけがギリ読めればそれでOKなのです。

ただ箇条書きとはいえ、
その文章はちゃんとした文章として表現することが大切とのことです。
ちゃんと人に伝わる内容でアウトプットする訓練なわけですから、
当然と言えば当然です。

・テーマはどんどん深めていく

例えば、
「会社の発信力を強めるには」
というテーマでメモを書いたとします。
そしてそのメモの中に
「毎日一回写真付きでSNSで発信する」
というものがあがってきたとします。
そんなときに、この状態でほったらかして次の紙で次のテーマに行くのはもったいないです。
せっかくですから、こうやって上がってきたものをもっと深めていきましょう。

たとえば、
「SNSでの発信を、もっと相手に響くようにするには」
とか、
「SNSで発信するうえでの注意点は」
など。
こうして3階層・4階層にもなっていくと、
一つのテーマがどんどん深まっていきます。
そしてこれが、この本のテーマでもある「ロジカルシンキング」につながっていきます。
しかもこの方法で考えていくと、
訓練期間の「1日最低10ページ」もわけなくクリアできます。

以上、いろいろ書いてまいりましたが、
まずは赤羽先生の著書を読むのがいいのかな、と思います。
書いてある内容はとてもシンプルですので、結構あっという間に読めますから。
そしてとにかく1日10枚を10日間。
だまされたと思ってやってみてください。
特に「自分って頭の回転が遅いんだよね」という自覚のあるかたにはオススメです。
回転が遅い、と感じるのであれば、訓練あるのみ。
そしてその訓練には持って来いだと思います。

「頭の中で次々と思い浮かんだことを瞬時に整理して言葉としてわかりやすくアウトプットできる」、という能力を持っている人は、
ごく少数だろうと思います。
だからこそ大多数の人は、
「書いて整理する」ということが、
どこまで行っても大切なことです。
そして案外こういうのって、PCで考えながら打つよりも、
紙に手で書き出した方が自然と出てくるように思います。

私のように最初からルールを無視するのではなく(笑)、
ぜひ本に書いてある通りに実践してみてください。
きっとその効果に気が付いてもらえるものと思います。

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