経営者こそ、心にゆとりを。

会社の経営というものは、
大変なものです。
常にリスクと責任に晒されている経営者こそ、
心にゆとりを持つ必要があります。

経営者も強い人ばかりではない。

会社の経営は、本当に一筋縄ではいきません。
絶対にうまくいく商売などあろうはずがありませんし、
小零細企業であれば借入金は経営者自身が保証人ですし、
次々と問題・難題が、当たり前のように降りかかってきます。

もちろんそれらが降りかかる前に手を打つことも、
降りかかってきたものを上手にいなすことも、
経営手腕次第と言えばそれまでですが、
そこまで含めて、経営者の背負っている責任は、
非常に重たいもの。

しかし経営者だからと言って、みんながみんな、
鋼のような精神を持ち合わせているわけではありません。
たとえ鋼であっても、ずっと負荷をかけられると、
少しずつ削り取られます。

だからこそ経営者も、というか経営者こそ、
心と時間に、ゆとりを持つ必要があります。
それが失われていくと、
徐々に正しい判断ができなくなって、
結果として多くの人に迷惑をかけてしまうことになってしまいます。

「まあ、いっか」精神。

責任感の強い経営者ほど、
そして完璧主義な経営者ほど、
会社に何かあれば、自分がなんとかすればいいと、
一人で抱え込んでしまいます。

心配症の人は、常に心の中に
なにがしかの不安を抱えて日々生きているかも知れません。

しかし、よく言うことですが、
今、それを考えることで何かが解決する、
または改善することがあるならいいのですが、
そうでないなら、それは今考えたって仕方のないことです。

しょうがないことは、しょうがない。

無責任な表現になるかもしれませんが、
「まぁ、いっか」と考えられる自分をもっておきましょう。

経営者である以上、その責任から逃げ切れることはありませんが、
一時的であったとしても
「逃げる」
「忘れる」
「抱え込まない」
ということがあっても良いでしょう。

あらゆることと逃げずに向き合うことは大切ですが、
本当にしんどくなりそうであれば、
たまには逃げたらいいんじゃないかと思います。

仕事の予定・計画は7割で

経営者には、心のゆとりとともに、
時間のゆとりが必要です。
経営者はその仕事の中に、
絶対に今しなければいけない仕事と、
急ぎではないけれども将来に向けてしなければいけない仕事があります。

このうち、前者の「今絶対にしないといけない」仕事で一日の仕事の時間全てを埋めてしまうと、
それは大変なことになってしまいます。
精神的な意味でも物理的な意味でも。

ですから仕事の予定や計画は、
最初から100%ぎっちり埋めてしまうと
会社にとって大切な将来に向けての仕事ができなくなりますし、
社員さんから求められていることの改善もできず、
会社の改善・成長に向けられる時間が失われます。

また別の見方では、
統計的にだいたい1日の20%~30%程度は
突発的な仕事が発生すると言われていますから、
それくらいの時間の余裕は最初から作っておく必要があります。

そしてそもそも常に100%で走り続けると
息が詰まってしまいます。

最初から100%の予定・計画を組むと、
その瞬間詰んでしまったも同然。
7割程度のイメージで予定を組み、
心も体も余裕のある状態を維持しておきましょう。

弱音を吐ける相手を。

経営者は孤独、と言われます。
これは、確かにそうです。

経営者の悩みは、少なくとも
社内の誰にも打ち明けられるものではないですし、
社員さんに正しく共感してもらえるものでもありません。

これはその社員さんの意識の高い低いの問題ではなく、
立場の違いによって生じるものですからしかたありません。

社長と副社長の間の溝は、
副社長と守衛さんの間の溝くらいの開きがある、
とある経営者がおっしゃってました。
それほどまでに、社長の抱えているものは大きく、
共感してもらいにくいということでしょう。

しかしだからといって、
そんな重い悩みを経営者一人で抱え込んでいたら、
それはそれは大変なことです。

経営者も人間ですから、その溜まったものをたまには吐き出さないと、
やってられないことにもなるでしょう。

そんなときにその溜まったものや経営者としての弱音を
吐きだせる相手を持っておくことは大切です。

そんな対象になりえるのは、
経営のことがわかった人だけ。

顧問税理士(ちゃんと経営のことがわかっている人に限る)や、
コンサルタント、
そんな人がいないのであれば、友人の経営者でもいいでしょう。

特に後者の、なんでも相談できる、打ち明けられる友人経営者の存在は、
とても重宝するだろうと思います。

ただ一点、
経営者が自身の悩みなど、溜まり溜まったものを発散するうえで、
注意していただきたいことがあります。

それは、「愚痴っぽくならないこと」

愚痴や不満はマイナスのオーラを帯びた言葉です。
そして言葉は口に出すと、言霊となり、深く自分自身に刻み込まれます。
そうするとさらに不満は自分の中で膨れ上がり、
発散するどころか逆効果となります。

悩みは悩みとして打ち明け、
愚痴・不満として吐き出さないようにしましょう。

経営者は本当にストレスのかかる仕事です。
しかしそこには同時に、
一般のサラリーマンには決して得られないロマンがあります。

自分が本当になりたい姿、作りたい会社のカタチ、
それを自分の力で実現できるのは、経営者だからこそ。

ストレスが溜まって自分が壊れないよう、
うまく放出し、ときにはうまく逃げだしながら、
本当に自分が楽しめる経営を行っていただけたらと思います。

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