ビジョンの作り方。

大リーグの大谷選手が満票でMVPを取りました。
彼が子供の頃に「人生目標」を立てていたことが紹介され、
にわかにこういったことが注目されたので、
今日は「ビジョン」について

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ビジョンは必要か。

ビジョンは必要か不要か、といわれると、
別にビジョンがなくても人は生きていけます。
世の中の大多数の人が、明確なビジョンは持たずに
何事もなく人生歩んでいることからして、
必ずしも必要というわけではありません。

しかし、あった方がいいかどうか、といわれると、
あった方がいいと思います。
人間、目標を設定すると
脳がそれを達成するために自動的に思考回路を作っていくそうです。
だから「こういう人生にしたいな」というものがあって、
それを日々意識するのとそうでないのとでは、
結果として人生の充実度が変わってきます。

そしてその思い描いた人生通りにはならないかもしれませんが、
ビジョンとして具体的に設定しないよりは、
その状態に近づくことができると思います。
逆にそれがないと、
指標として歩く道筋がないわけですから、
あっちへフラフラこっちへフラフラといった人生に
なってしまうのだろうと思います。

自分の中の「理想的な人生」とはどういったものでしょう。
それを改めて明確にし、成文化しておくことで
そこに向けて、より豊かな人生が歩めるのだろうと思います。
その「道筋」に沿って、
大谷選手のようにまっすぐ歩みを進める人は、まれです。
道筋があってもほとんどの人はフラフラします。
それでも大きく道筋からはずれない、
という生き方ができることに価値があります。

そして経営者は企業経営と家族(と自分)経営のビジョンを
並行してもっておきましょう。
仕事だけのビジョンをもっていると、
人生が仕事だけに偏ってバランスの悪いものとなってしまいます。

ビジョンの立て方

ビジョンの立て方に正解はありません。
いろんな本も出ていますし、
ブログレベルでもいろんな手段が紹介されています。
ですので、これは私(未来創造マネジメント)なりの
手法であると考えてください。

1.自分自身の大切にしている考え方を整理する

ビジョンを立てる前に、まず、
自分が大切にしている考え方やモットー、哲学、
座右の銘などを羅列します。
これが自分の「ビジョンの種」となります。

20年後、こうなりたい!というものを書いてみたときに、
ふと振り返るとそれが、
自分の大切にしたいものとずれている、
ということは、ままあります。
ですからまずは根っこの部分として
こういったものをちゃんと整理するところから始めましょう。

2.次に、20年後をイメージする

別にこれは20年でも30年でも50年でもかまいません。
ご自身の年齢に合わせて、
そして自分のイメージできる範囲でできるだけ遠く、
といった感じです。
このブログ上では便宜的に20年ですすめていきます。

さて20年後、果たして自分はどんな自分になっていたいのでしょう?
これがあなたのビジョンです。
このとき、先ほどの「自分の大切にしている考え方」を元にイメージします。
さらにそれを「仕事面」と「家庭面」にわけてイメージしてください。
仕事と家庭は人が生きていくにあたっての車の両輪です。
先ほど書いた通り、どちらか一方だけだと
偏りのあるビジョンになってしまいます。

人生の「全体最適」を目指して、
その両立をイメージして
20年後のビジョンを定めましょう。

3.20年後から戻ってくる

20年後のイメージができたら、今度はそれをもとに、
10年後にはどういった状態になっているのが望ましいのか、
その中間点のイメージを描きます。

現在は20年後からすると、
遠く離れすぎています。
離れているとそのビジョンを実現するために
具体的に何をすれば良いのかが見えませんから、
それが見えないとビジョンの実現可能性が大きく下がります。
そこで、その手前の目標を定めるのです。

10年後のイメージができたら、次は5年後、その次は3年後、
という風に徐々に手前に戻って、
そのときにはどんな状態になっていたいのかを同じように書いていきます。
何度もいうようですが、これら全て、
仕事面とプライベート面の両面で展開していってくださいね。

そして3年後、ともなるとそれは結構、目の前です。
ですからこの3年後イメージというのはもはや単なる「イメージ」ではなく、
明確な「目標」となります。
現状と3年後イメージとの「差」は、埋めるべき「課題」なのです。

そして最後に1年後、どうなっていたいのか。
ここまでくるとさらに具体的な目標となってきますので、
その実現可能性を高めるために
できる限り「数値」で表現するようにします。
数値表現できないものも、可能な限り具体的に表現してください。

「1年後にありたい姿」ができあがったら、
それが、最初に考えた自分の「大切にしている考え方」と
ちゃんとつながっているか検証してください。
20年後から戻ってきている間に
道筋がはずれていってないか確認するためです。

こうして1年後の目標が設定されたら、
その状態になるために具体的に日々何を実行するのか。
ここはもうビジョンの話しではなく、
目標設定と実行管理の話しとなってまいります

ビジョンを思い描くことを、恐れない

これまで私も様々なところで、
この「ビジョン作成」のお手伝いをしてきました。
そのときに、最初からびっしりと埋まる人もいれば、
最初はスカスカになってしまう人もいます。
このスカスカになっている人は、
日頃からこういったことを考えたことがないため、
イメージを思い描くことに慣れておらず埋まらないだけです。
ショックを受ける必要はありません。

慣れていないのなら、やってみてできるようになればいい。
ただそれだけのことです。
だから、「一度やってみる」ということが大切なのです。

「そんなこと言っても、イメージできない」という方は、
デタラメでもいいです。まずは一度書いてみましょう。
創作でも構わないので形にしてみましょう。
そもそも20年後なんて誰もわかりません。
最初からびっしり書くことができた人だって、
それが20年後に実現できるかどうかなんてわかりませんし、
その間に時代と環境が変われば、ビジョンも徐々に変化します。

ビジョンを作成することは、
その作成したものにしばられることが目的ではありません。
あくまで「今、現在」考える「こうなりたいなぁ」という姿に
近づくことが目的です。
なので、イメージできなくともまずは書いてみて、
そして半年ごとに振り返ってみて、微調整を繰り返していくのです。

「あれ?これ、今から考えてみたら、ちょっと違うな」
ということがあれば、変えてみるくらいの柔軟性のあるものなのです。
だって自分自身の人生ですから、それは自分自身の意志だけで変えられるものです。
何かにしばられる必要なんてないはずです。
自分が、「やっぱり、こうなりたい」と思うのであれば、
変更すればいいのです。
それくらいの、ざっくりした感覚でとりあえず作成してみましょう。

それを繰り返しているうちに、
徐々に自分の将来を思い描くことに慣れてきます。
すると徐々に自然と精度も上がってきますし、
少しずつ、
現実とかけ離れすぎることのない、
地に足の着いたビジョンがイメージ・作成できるようになっていきます。


まもなく12月、年末です。
こういった「ビジョン」や「目標」を設定するには、
最もよいタイミングです。
年末ギリギリは、誰しもいろんなことに追い立てられますから、
いまくらいの時期からゆっくりと
これらの作成に取り組み始めてもいいかもしれません。

1月1日に気持ち新たなスタートがきれるよう、
いまから少しずつ準備を始めましょう。

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