「やる気が出る」には「見通し」と「目処」が大事。

どのようにすると、やる気が出るのか。
これはいろんな答えがありますし、
人それぞれ「やる気スイッチ」の場所は異なります。
しかし、「見通しがある」ということと「目処が立つ」ということは、
とても大切です。

やる気が出るには、見通しが大切。

「この会社に、将来性はあるのか」
これがあるのとないのとでは、
当然のように社員さんのやる気に大きな差が生じます。

社員さんは経営者の皆さんが思っている以上に
それぞれ頑張っています。

少なくとも、本人は頑張っているつもりであると思います。

しかし、毎日毎日今の会社でどれだけ頑張っても、
給料があがることが想像できないし、
今より仕事が楽しくなっていくイメージができない状態だったとしたら
どうでしょう?

どんな状況におかれても、
「今、自分のできることを精一杯頑張る」
ということができる優秀で真面目な社員さんも、
確かにおられます。

しかし大半は、
将来に対する見通しが立っていなければ、
なかなかやる気が起こらないのです。

自分の頑張りがどこにも反映するように思えないわけですから、
当然と言えば当然。

ですから会社には、
収益性と確実性が感じられることが大切です。

収益性とは読んで字のごとく、
ちゃんと収益(利益)のあがる事業ができているのか、ということ。
そして確実性とは、今やっていることを続けることで、間違いなく、
事業は維持発展していく確信がもてる、ということです。

社員さんは
「うちの会社、こんなことしてたらヤバイよね」
ということを肌感覚で感じ取ります。
だからこそ経営者は、
ちゃんと自社のビジョンを示した上で収益性が高い事業を行い、
「今やっていることを継続すれば、うちの会社大丈夫だよね」
と社員さんに感じてもらうことが大切です。

そしてその収益性と確実性がなぜ得られているかということを、
経営者がきちんと説明できる状態になければなりません。

将来に対する安心感があるからこそ、
社員さんはやる気を出すことができるのです。

やる気が出るには、目処が立つことが大切。

「見通し」の次に大事なことは、
「目処(メド)」が立っているかどうかということです。

仕事の目処が立っているということは、
仕事のやる気に直結します。

誰しも経験のあることかと思いますが、
ゴールの見えない仕事は
不安でなかなかやる気が起きず、
着手する気持ちになりません。

そして「ゴールが見えた!」というメドが立つと、
いきなりやる気が出てきて仕事がはかどり始めます。

私もそうですが、いろんな種類の仕事がある中で、
着手してみないといつ終わるかわからない仕事というのは、
どうしてもやる気が起こりにくく、
仕事を後回しにしたくなります。

経営者でもそうなのですから、
一般の社員さんなんて、きっともっとそうなのです。

そうならないようにするためには、
まず経営者や上司が、仕事の指示を出すときには、
その仕事のゴールを具体的に示すことと、
その期限を明らかにすることが大切です。

もちろん仕事の中には、上司すらゴールの見えていない、
「まぁやってみてよ」
という仕事もあります。
そういった仕事については、
結果の精度を重視しないという安心感を与えることと、
やってみた過程や結果を定期的に確認して、
その先を導いてあげたりする必要があるんじゃないかと思います。

「終わらせる」を目的にしない

そうは言っても、やはり目処の立たない仕事は億劫です。

どれだけ自分の仕事の時間を費やすかわからない分、
どうしても他の仕事を先にやってしまいがち。

かといって、時間が読めない分、後回しにすると、
本当に詰んでしまう恐れがあります。

そういった仕事に着手するコツは、
「終わらせる」ということを目的にしないことです。

目処が立たないのに「終わらせよう」と思うから、
その終わりが見えなくて、やる気が出てこないのです。

だからこそ、目的を「終わらせる」ではなく、
「着手」に持っていくのです。

なんらかの着手をして、
終わらなくてもちょっとでも進んだらOK。
その気持ちでいると、
「じゃあとりあえず始めてみようかな」
という気分になれます。

そしてだいたいの場合、
始めてしまうとそのまま続けることができます。
そうして続けているうちにゴールが見えてきて、
そうなったら、普通にやる気が出てくるのです。

しかし最初から、
「始めたらどうせそのまま続けてしまう」
ということがわかっていると、
それはそれでやる気が出てこなくなります。
人間って、めんどくさいですね(笑)。

ですから、本気で
「着手はするけど、やめたくなったらすぐやめる」
という気持ちをもって始めましょう。
そして本当にやめたくなったら、
本当にやめましょう。

次着手するときには、
前回よりほんの少しでも進んでいる状態から始まりますから、
少しはハードルが下がっていることだろうと思います。

目処が立たなくてやる気が起きない人を見つけたら、
「まずは着手することを目指してごらん」
と教えてあげてください。
これは仕事に関わらず、
勉強・読書など、
あらゆる「面倒でやる気の起こらないこと」に対して
非常に効果の高いものだと思います。

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