赤字であるということ。

中小企業の7割が赤字だと言われています。
ただ、私がこの業界に入った20年前から、
景気の比較的いいときも、比較的悪い時も、変わらずずっと7割と言われ続けていますから、
あまり真に受けていい数値とは思えませんが。

赤字であるとはどういうことか

いずれにしても、中小企業の多くが、赤字である事実は変わりません。
そして赤字がずっと続くと、その会社は最終的に
お金がなくなって、閉めてしまうことになります。

自分の意志で「閉める」という決断ができるのはまだ幸せで、
銀行から運転資金を借りている会社の場合には、
「倒産」ということになります。

それではその「赤字」という状態がどういうことなのかというと、
その会社がかけている経費(経営者自身の給与含む)以上の価値を、
社会に提供することが出来ていない、
ということを意味します。

ですからこれは社会から、
「あなたの会社は存在する必要がないですよ」という風に、
その存在価値を認められていない、ということ同義なのです。
まさにドラッカーの言う
『 企業は、社会がその消滅を許す唯一の組織である』
です。

会社は赤字だからなくなるわけではない

ここで一つポイントは、
会社は赤字だから倒産する、というわけではありません。

例えば、どれだけ赤字続きの会社であっても、
その会社に巨額の資金を持つスポンサーがずっとついてくれていれば、
その限りにおいては継続し続けることができるのです。

中小企業の場合は、経営者自身がその役割を果たすことが往々にしてあります。

昔儲かっていただろう会社が赤字続きでボロボロになっても
なぜか10年も15年もつぶれず残っているのは、
お金がなくならなければ、その会社は継続し続けることができるからです。

逆に言うと、そういった会社にはそれだけの猶予があるということです。

赤字になっている原因はどこにあるのか。

赤字が続けば、社会から退場を言い渡されるわけですから、
そのまま、手をこまねいているわけにはいきません。
ここでその脱却方法をすべて語るのは困難ですが、
まずはその原因がどこにあるかを、適切に見極めるところからのスタートです。

そして最初は、徹底的な経費の削減から始めるのがセオリー。
歴史のある会社で赤字の会社は、とかくいろんな
「よくわからない支払」
が多いものです。
そして売上は、相手(=消費者)のあることなので、
こちらでコントロールすることはできませんが、
経費は100%会社側でコントロールできます。

それに利益とは「売上-経費」ですから、
経費をできるだけ圧縮しておく方が、収益改善すべき金額も低くなります。
これによって黒字化が容易になります。

状況のひっ迫レベルにもよりますが、
「これがなかったら、明日の経営がなりたたないか?」
という発想で徹底的に経費を削減しましょう。

この段階で経営者が「あれもいるしなー、これもいるしなー」などと言っている会社は、
正直その時点で、回復するのは困難な会社であると思います。
なぜなら、覚悟が足りませんから。

そして経費を徹底的に抑えることに成功したら、次に売上です。
「今の商品に、価値はあるのか」
「商品はそのままで、価値を高めることはできるのか」
最初にこの判断が大切です。
業績悪化→『よし、新商品を開発しよう!』は、短絡的。
まずは今あるものの力をちゃんと使いきれているのかどうかを考えるところから始めましょう。

ここから先はマーケティングの世界ですので、
またこのブログのマーケティングに関わる部分を読んでいただけたらと思います。
赤字だろうが黒字だろうが、売上を伸ばす方法の基本は同じです。
まずは正しく自社の強みを理解すること。
その上で自社の提供する商品の価値を、正しくその価値を理解してくださるターゲットに、
まっすぐ届けることです。


人間、自分のことはそもそも正しく判断できないですし、
状況が状況だと、焦りなどからさらに適切な判断ができませんから、
できるだけ外部(顧客、友人経営者、税理士、コンサルなど)の意見を聞きましょう。

ただしそれぞれが無責任なことを言ってくるので(笑)、
その中からどれを選択するかは、最終的に経営者の判断です。
しかし全て自分で考えて判断するより、よほど良いんじゃないかと思います。

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