とにかくたくさん、挙げてみる。

経営にはアイデアが必要です。
それは、問題形成であったり、
これから新しく取り組むことであったり、
課題解決の手法であったり。

こういったことは、普通の人は、
ウンウンうなって頭の中だけで考えても、
何もでてきません。

たくさん、あげてみることが大切

人間なかなか、そんなにキレイに
頭の中が整理されていませんから、
ものごとを考えるときなどは、
とにかく書いてみることが大切です。

そして単純なアイデア出しの場合は、
とにかく数多くのものを出し切ることがオススメ。

なかなかアイデアが出てこないのは、
頭の中にそれがないのではなくて、
「これはちょっと違うかも」
とか
「こんなん出したら恥ずかしい」
とか
いろいろフィルターがかかってしまって
結果出てこない、ということになっていることが
多いように思います。

誰に見せるでもないのに、
なぜか思い切ったアイデアって出てきにくいんですよね。

そこでこんな時はブレインストーミング。

変な制約を一切かけず、
「これはないやろ」というものもOKと自分に言い聞かせて、
とにかく書き出していきます。

自分に制約をはずす暗示をかけるだけで
ずいぶんとアイデアが出てくるようになります。

制約がはずれることで、思わぬものが出てきたりもするので、
非常に興味深いものです。

それでは具体例として、2つほど事例を紹介します。

どんなものが作れるか挙げてみる。

製造メーカーなどで、
ずっと下請けの仕事をしてきた会社は、
骨の髄まで、この下請け体質が染み込んでいたりします。

基本的には
「元請けに言われたものを正確に作る」
ということが仕事なわけですから、
新しい何かを自ら生み出す、ということは
これまで業務として必要なかったわけです。

なのでそんな会社体質になってしまうのは仕方のないところ。

しかし今時、下請けの仕事を相手の求めるがままに受注するだけでは、
とにかく利幅が小さく、
会社としては働く時間のわりに儲からず、
容易に、貧乏暇なしという状態になってしまいます。

そこから脱却するには、
自身で値決めが出来る
自社商品を生み出さなければなりません。

そしてこれまで自社商品を作ることなど考えてこなかった会社に、
いきなり
「どんなものを作るか考えてみてください」
と言っても、それはムリな話しなのです。

こんなときに、
「とにかくたくさんアイデアを出す」
というものが役に立ちます。

社長一人から出てくるアイデアなど数知れてますから、
こんな場合は社員全員を巻き込んで行うのがいいかと思います。

会議の場などでみんなに聞いても
「シーン」となるだけですから、
全員にふせんを渡して、
「一人最低10個ずつ」という数字を明確にして書いてもらいます。
「〇個出して」というと、無理にでも出そうとしますから、
結果として前述の、自分への制約みたいなものがとっぱらわれて
アイデアが出てくるようになります。

10人いれば、延べ100個のアイデアが出てきます。
あとはその中から、
その会社の強みや、
その会社らしさ、
「やってみたい」という要望などを加味して、
どれを実現するのか絞り込んでいけば良いのです。

できないことをあげてみる。

次は、会社のできることを拡張するときの事例です。

今出来ることの範疇だけでは、
ビジネスはいずれ行き詰りますから、
少しずつ自社の出来ること、
得意なことの幅を広げていくということは
結構大切です。

基本は、今出来ることや強みであることの周辺に
広げていくことがセオリーでしょうが、
ここでもやはり突飛なアイデアが
面白い道を開拓してくれることに
つながったりします。

今の事業から離れたことに手を付けるのは
事業展開として基本NGですが、
変に「今の事業の周辺」だけに制約をかけてしまうと、
何もアイデアが浮かんでこなくなってしまいます。

こんなときは、
今、自社でできないことはなんでしょう?
という投げかけでとにかくたくさん挙げてもらいます。

もちろん出来ることよりもできないことの方が多いですから、
「こんなん永久に無理」
というものまで含めて、どんどん出てきます。

この場合でも先ほどと同じように、
「絶対一人〇個あげる」
というノルマを定めると、
飛躍したものが生まれて面白いです。

こうやって「できないこと」をトータル100個書き出してみると、
その中から、
「これ出来るかも」とか
「今できるこれと組み合わせたら面白いかも」とか
いろんなアイデアが出てきます。

あくまで今の強みを生かすという視点で、
その「できないもの」の中から
「次にできるようになること」を絞り込んでいくと、
それが、次の第一歩として可能性が開けてくるのです。

このように
「とにかくたくさんアイデアを出してみる」
という手法は、
いろんな場面で使えます。

発想に行き詰ってしまったときには、
ぜひ一度やってみていただけたらと思います。

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