思いの強さと、実行の早さ。

次々と新しいアイデアによる経営をされている方は、
天賦の才というよりも、
思いの強さと実行の早さによるところが大きいように思います。

こういうアイデア、ステキです。

常にアンテナを張っているか。

小零細企業であっても、時々、
次々と他の人が思いもしない新しい取り組みをおこなって、
事業を発展させている経営者がおられます。

そんな勘の鋭い方を見て私たちは、
「あぁ、この方は天才だな」
と考えてしまいがちです。

そして「私にはその感性はないわ」
と流してしまってはいないでしょうか?

確かに、本当に天才の方もおられるでしょう。
しかし多くの方はいわゆる天才ではありません。

「先見の明」
と言われたりもしますが、
先を見通す能力が最初から備わっているわけでもありません。

こういった経営者の多くは、
やはり自社の経営に対する思いがとても強い、
という特徴があります。

そして、ただ思いが強い、ということではなく、
自社の経営をどのような形にしていきたいかという
明確なビジョンを持っており、
自社の問題・課題を正しく把握して、
その問題を解決するために、
その課題を達成するために、
どんなことが必要なんだろうか、ということを、
常に考えています。

そしてこういったことを常に考えていると、
アイデアは突然降ってくる、ということではなくて、
人との会話、
読んでいる本の内容、
その他外部から入ってくる情報などから、
目の前を通り過ぎるアイデアのかけらに反応して、
それを捕まえることができるのです。

アイデアは、いきなりどこからともなく降ってくるわけではありません。
自分の経験や外部からの情報をもとに、
それが自社の課題や問題と化学変化を起こして
アイデアに変換されるのです。

ですからまず情報を多く収集するということが
絶対的に必要です。

そして収集している情報量の多さに比例した数のアイデアのかけらが、
目の前を通り過ぎます。

自分の会社に対するビジョンを明確にもって、
そこに対する強烈な思いがあれば、
そのアイデアのかけらはちゃんと自分のアンテナにひっかかり、
そのかけらは実際のアイデアとして結実するのだと思います。

情報を収集する量も、
アンテナにひっかかる可能性も、
それは思いの強さから。

どんな経営をしたいのか、どんな会社にしたいのか。
その思いを強く持ち続けて行動を起こすことが、
アイデアへの近道なのだろうと思います。

逆に言うと、
経験も知識もなくアイデアが降ってくる人は、
それは本当に天才なんでしょう。

実行までの反射神経。

そしてもう一つ大切なのは、
そのアイデアのかけらが目の前を通り過ぎたときに、
それを捕まえることができるかどうか、です。

そして捕まえたものを即座に実行に移すことができるかどうか、です。

知識としては知っていて、
そこにチャンスがあることはわかっている。
でもそれを実行することがなかったり、
その実行が遅かったりするのです。

アイデアもチャンスも、
全ての人の目の前を、均等に通り過ぎていきます。
それをちゃんとつかむ準備ができているのか、
そしてそれをつかんで即座に実行に移す行動力があるのか。
この能力の有無が大きく問われます。

もちろんその実行に多額の資金を要するなどといった場合には、
そのリスク検証を行うことは大切です。
それが大きいものであればあるほど、大切です。

しかしそうでないのであれば、
100%何もかも慎重に考え検証していると、
いつまでたっても実行に移すことはできません。

リスクがそれほど大きくないのであれば、
8割くらいの段階までには動き出していいだろうと思います。

人より一歩も二歩も先を行く必要はありません。
人より半歩早い。
他の人が「今からやろうと思ってたのに」と思っている頃には実行している。

このちょっとの差が、
「先見の明」につながっているのです。

ちゃんと形にしていく。

そして最後は、
そうやって捕まえたアイデアの実行に着手したあと、
その実現に向けて正しくロードマップを設計し、
それをちゃんと実現させて、
一定の成果があがるまで粘り強く取り組む、
ということです。

いわゆる「アイデアマン」と言われる人でも、
いろいろアイデアを思いつき、
それを実行するまでは良いのですが、
それが何一つ形になっていない、という方が中にはおられます。

私の経験上、結構います。

思いついて、それを実行するまでの瞬発力はあるのですが、
それを継続する力がないのです。
そしてちょっとやって成果につながらなければ、
すぐにやめてしまう。
または中途半端な状態でほったらかしにしてしまう。

これではせっかくの素晴らしいアイデアも台無しなうえに、
その会社には形にならなかったアイデアの残骸が
乱雑に積み上げられたような状態になってしまいます。

そんな経営者のもとで働く社員さんは、
結局何をすればいいのかわからなくなり、
「また社長が変なこと言い始めたわ」
とあきれられるという結果につながります。

もちろんどんな取り組みでも、
それがうまく行かないとなると、
あまり固執しすぎることなく撤退する引き際が大切です。

しかしこれも、やるべきことをちゃんとやったうえのこと。
まだまだ出来ることもたくさんあるのに、
丁寧にやるべきことを積み重ねる前に投げ出してしまうのは、
「引き際」とは呼ばないのです。

私も含めて多くの経営者は、
天才ではありません。
ですから、いつか降ってくるかもしれない奇跡的なアイデアを待っていても、
それがやってくる日はありません。

自ら経験を積み、知識を吸収し、情報を手に入れて、
常にアンテナを張り続けること。

これらの取り組みが
明日の新しいアイデアにつながるのだろうと思うのです。

そしてアンテナに引っかかったアイデアは速やかに実行し、
その実行したことがちゃんと形になるまで丁寧に作りこむ。

この一連の流れがとても大切なのだろうと思います。

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