どんな売り上げをどのように作っていくか、が大事

損益計画を策定するとき、その計画が達成されるかどうかは、
売上が計画通り達成されるかどうかでほぼ決まります。
そんな売上計画の注意点について。

損益計画を策定するときの売上計画

自社の経営計画・事業計画を作成するにあたって、
最低限、損益計算書の計画は作成されると思います。
もちろんこれだけでは事業計画としては全然足りませんが。
ただ損益計画がなければ、それは事業計画でもなんでもないわけで。

そんな必要最低限な存在である損益計画ですが、
その中で最も重要な位置を占める売上計画の策定について、
その注意点をまとめてみました。

売上は細分化する。

損益計画を作成する中で、その売上を計画するときに
「売上高 〇〇千円」という形で、
「すべての売上をまとめて合計でこれだけにする」、
という風に計画していませんでしょうか?
これって、ずいぶんおかしなことだろうと思います。

どんなお仕事であれ、
収益を得る事業の内訳というものが存在すると思います。
「いやいや、うちは一種類だよ」という方でも
販売している商品の性質で色分けができたり、
粗利率の全然違うものを販売していたり、
様々だと思います。

また取り組んでいる事業の中でも力を注ぐ必要のある伸ばしたい部分、
そうではなく逆に出来るだけ放置したい部分、
いろいろですよね。
それによって力や時間やお金の注ぎ具合も変わってきますし、
そもそもそれぞれの売り上げの粗利率は異なったりしますから、
全売り上げのうちに占める売上の種類の分布によって
結果としてもたらされる粗利益も異なってきます。
だからこそ売り上げは必ず細分化しましょう。
そのポイントは前述の通り
 商品(群)
 粗利率
 事業内容
などです。

それぞれの売り上げを実現するために、経営資源を配分する

売上の計画金額をわけることができたら、
次に経営資源の配分です。
とくに新規事業などを行う場合にはそこにお金もかかりますし、
時間もかかります。
もともと組織全体がめちゃめちゃ忙しい中に
これを放り込むということになりますと、
その時間を確保する替わりに何かを捨てなければなりません。

また社員の一人にその事業に(専任ではなくとも)力を注いでもらったり、
任せたりということになるのであれば、
その社員のしていた仕事は他の人に任せなければならなくなるわけです。
自社の組織図と社員配置を見ながら、
どの業務を誰に割り当てていくのか考えましょう。

この「経営資源の配分」という発想をもっていないと、
それぞれの社員が(経営者自身も)何をすべきなのかわからなくなったり、
とんでもなく忙しいことになったりしてしまいます。

それぞれの売り上げごとに、どのようにしてその数字を作り上げるのか考える

計画は、それを達成するために作成するものです。
少なくとも最初の段階では。
そして、それを「必達」とするのか、
それを目指していく中で全体が向上すればOKとするのかは、
会社によってまちまちです。
しかしいずれにしても計画を最初作った段階では、
それを達成するという前提でいなければなりません。
そうでなければ、それは計画と呼ぶものではなく単なる「希望」です。

そして、その売上はどのようにすれば実現されるのか。
そこまで具体的に考えられてこその損益計画です。
ここまでお話しすれば、売上をなぜ細分化しなければいけないか、わかりますよね。
細分化しなければ、どのような行動を実行することでその売り上げを実現するのか、という
行動計画を策定することは不可能です。
損益計画は売上計画とその細分化を経て、最終的に
「具体的にこんなことを、これだけ行えば実現される」
というところまで落とし込んでこそ、実効性が生まれます。

収益性と確実性。

ビジネスを会社全体が一体となって進めていくためには、
社員一人一人がその事業に対して
「収益性」と「確実性」を感じておくべきだと思っています。
「うちの会社の仕事は、これだけのことをすればちゃんと儲かるのだ」
「うちの会社は、こうやっていれば確実に売上が上がり続けるのだ」
そうして理解納得してもらえたら、
社員は自分の所属する会社に対して安心感を覚えます。

そしてその結果を出すために自分は具体的に何をすべきか、
というところまで落とし込まれていれば
あとはその行動を起こすだけですから、社員は
「自分の仕事はこれを行うことなんだ。そうすれば会社はちゃんと維持発展されていくんだ」と、
迷いなく行動をすることができることができるのです。 

売上を細分化して、
それぞれの売り上げを必要なだけ作り出すことで
会社を維持発展させていく。
その収益性と確実性を明らかにする。
そしてその実現のための具体的行動内容と行動量を明確にする。
ここまでできれば単なる損益計算書計画も一味違ったものになることでしょう。

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