飲食店にとっての、リピーター。

今日は珍しく業界を絞ったお話しを。
飲食業が生きる道について、考えてみたいと思います。
このブログは小零細企業・経営者向けですので、
飲食業についても同様です。
小零細飲食店は大規模飲食店とは考え方が大きく異なりますので、
あくまで小零細規模飲食店対象という理解でお願いします。

リピーターが、大切

このブログでも何度か書かせてもらってますが、
マーケティングを考えるときに、リピータ-というのは、
めちゃ大切です。
死ぬほど大切です。
これは飲食店だけに関わる話しではありませんが。

リピーターは何がありがたいかというと、
その店舗に対するロイヤルティ(忠誠度)が高いので、
何もしなくてもまた次来てくれる可能性が高いことです。

何もしなくてもまた来てくれるということは、
広告・販促活動が不要である、ということです。
そして何度も来るということは、
その店に対する満足度が高いわけですから、
新規顧客を紹介してくれたり、
連れてきてくれたりする可能性も高いのが一般的。

さらには比較的客単価も高いことが多いんじゃないでしょうか。

こんなありがたい存在ですので、
リピーターの多いお店は、収益が安定します。

逆にリピーターをうまく作れず、新規顧客に頼るお店は、
常に新しい顧客を求めて動き回る必要がありますので、
一種狩猟民族ですよね。

常に新規を求めて多くの広告・販促を打つ必要がありますから、
行動量においても経済的な意味でも、
極めて非効率な経営となります。

それよりも農耕民族的に安定顧客を着実に増やしていく。
これに勝るものはありません。

リピーターを大切にする意味をはき違えない

しかしどれだけリピーターが大切だといっても
その意味をはき違えてはいけません。

「うちは結構リピーターがついてくれてるよ」
と言っているお店でも、
儲かっていないお店はたくさんあります。

リピーターといっても、
一定の間隔で永遠に来店してくれるわけではありません。
ですからいくらリピーターがそれなりにいると言っても、
新規顧客は継続的にある程度の数必要です。

そしてその新規顧客に
新たなリピーターになってもらう必要があります。

超小規模な店舗によくありがちなのですが、
店主がリピーターとほぼ友人のような関係になっていて、
そのスーパーリピーターを大切にせんとばかりに、
ひたすらその人とガヤガヤ会話をしているような場面があります。

そしてそのリピーターも
そうやって店主に特別扱いしてもらえると気持ちが良いですし、
居心地もいいものですから、
ずっとその店主とガヤガヤ会話を続けている。
こんな絵面、ありますよね。

でもこんなお店に新規で入ってきた人は、
果たして次、そのお店に行こうと思うでしょうか?

そのガヤガヤに自ら入り込んでくるような、
人間大好きな人は別にしまして、
多くの場合
「サービスに差をつけられてる」
「ほっとかれている」
「なんか居心地が悪い」
と感じて、
次また来てくれる可能性はあまりないでしょう。

これは「リピーターを大切に」の意味をはき違えているのです。

1回目・2回目が大切。

来店した人が、次に来なくなる割合の統計を
グラフにしたものがあります。
1回来た人が2回目くる可能性は結構低いですが、
9回来た人が10回来る可能性は95%くらいあります。
グラフになってなくても、感覚的にわかりますよね。

そしてそのグラフが明らかにしているは、
1回目から2回目、そして2回目から3回目、
このあたりで大きな取りこぼしが起こっているという事実です。

ですからリピーターを増やす、ということを考えるときに最も大切なのは、
2回目・3回目に、いかに来てもらうようにするかということ。

ここから先は次回来店率は結構高くなりますので、
まずはこのステージまで上がってきてもらう必要があるのです。

そんな中、新規の顧客に対して先ほどのような扱いをしていて、
いいはずはありませんよね。

特定の超濃厚なリピーターはいるけれども、
リピーターがそれ以上増えることはなく、
その超濃厚リピーターもいずれ去って行って、
徐々に顧客を失っていく、
ということになります。

ですから、1回目・2回目の来店時を大切にしましょう。
もちろんこれは、スーパーリピーターをないがしろにするという意味ではありません。
スーパーリピーターは大切にしつつも、
「彼らだけのお店」にするのではなく、
そのお店の商品力・サービス・空間に満足して、
その世界観に共感してくれた方が、ちゃんと次も来てくれる。
そんなお店にしましょう。

リピーターは何も、
そのお店の味だけに惹かれてくるのではありません。
そのあたりはまた別の機会に。

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