価値の再発見。

今日、長男と一緒に、
「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」
を見てきました。
私も見たいなと思ってたので、ちょうど良かったのです。

中古のものには、価値の再発見の可能性が。

「ククルス・ドアンの島」とは

今回の映画のタイトルとなった、
「ククルス・ドアンの島」とは、
初代のガンダムにおける15話目の題名です。

基本的にガンダムは初代においても毎回の話には連続性があり、
前回の続きとして今回の話しがあります。
しかし初代ガンダムの初期は、ときおり
1話完結ものが間に挟まれることがあります。

今回の「ククルス・ドアンの島」はまさにそれ。

一話完結であるだけでなく、
そこで語られることが今後の話しに影響を与えるということがほぼないため、
この一話がなくても、
初代ガンダムのストーリーにはなんら影響がないということで、
非常に浮いた存在でした。

内容としては良いものなのですが、ストーリー上存在意義がほぼないので、
「なくてもいい存在」として語られることの多い回なのです。

そして今回の映画化。

ガンダムのストーリーの一部を切り取ってそれを映画化するにあたり、
敢えてこの
「なくてもいい存在」
としてガンダムマニアの間では有名なこの話しを取り上げたところに、
この企画をした人のセンスを感じざるをえません。

そして30分に収めるには多少無理があった話しではあるものの、
これをいかに100分以上の話しに膨らませるかというところに、
大きな興味がありました。

価値の再発見

今回のこのガンダムの映画の評価としては、
私としては当時の内容を知っていることや、
敢えてこのテーマを選んできたということまで含めて、
とても満足のできるものでした。

しかし、この映画に求めるものが、人それぞれ大きく違って、
その求めるものによって
評価が大きく分かれる作品なのだろうと思います。

そんな中、私の考える今回のこの作品の価値は、
この作品の存在が「価値の再発見」であったという点です。

先ほどお話しした通り、このテーマは
初代ガンダム放映時の当時からして、
全編通じて考えても、
極めて重要性が乏しいものです。

しかしその重要性の乏しさがあるからこその存在感があったことは事実。
今回の企画者は、その
「ネタとしての存在感」
でしかなかったものを掘り起こし、
そこに本当の価値を見出して価値を付け加えることで、
「価値の再発見」という形で
新たな価値を生み出したのです。

この切り口は、
新たに価値を作り出そうとしている方には、
本当にいろいろと参考になるだろうと思います。

「価値の再発見」には大きく分けて2つあると考えています。

一つはかつて本当に価値を有していたものが
時間と共に失われてしまい、
その価値を復活させることで新たに価値を生み出すもの。
この場合、
かつてのものが完全に復刻できるものかそうでないかによって、
その価値のあり方が変わります。

そしてもう一つは、
かつてから存在するものではあったが、
かつてはそれほど価値として見出されていなかったものに
新たな価値となり得るものを付加することで
新たな価値をうみだすもの、です。

「ククルス・ドアンの島」は後者にあたるでしょう。

そして「価値」はお金や貴金属のように
それ自体が本質的に価値を有しているものと、
そこに価値があると見出されて初めて価値が生まれるものがあります。
そしてそうやって生まれた価値は、
それを価値と認める人と繋がっていくことでその価値は広まっていくのです。

再発見される価値は、
当然のことながらこの後者にあたります。
ですから再発見される価値をビジネスとするのであれば、
その価値を価値と認める人が一定人数いることを確信したうえで、
その価値を認めることが出来る人とつなげる努力をしていく必要があるのです。

価値の再発見の可能性を探る。

どんな事業・どんな業種でも、
かつて価値ありとされていたが今は失われているもの、
そして、
かつてそれほどの価値あるものではなかったが、
現代の切り口で物事をとらえたときに価値あるものへと生まれ変わる可能性のあるものは
必ず存在すると思います。

最近はやりの古民家再生などはまさにその代表例だろうと思います。
現状では一般的になりすぎで、
「価値の再発見」と呼ぶほどのものでもありませんが。

しかし今でも、そこに新たな切り口を付け加えることで、
新たな「価値の再発見」を生み出すことは可能であるはずです。

そしてみなさんの業界でも、そういったものがないものか、
ぜひとも探していただけたらいいと思うのです。

もちろんそのままで価値として見出されるものは少ないでしょう。
しかしそこに新たな切り口や別の価値をくっつけることで、
新たな価値を生み出す可能性があります。
ありがたいことに経営者は、
その価値を再発見し、
新たな価値を生み出すことができる立場におります。

ぜひ一度、再発見しうる価値が皆さんの身の回りに
こぼれ落ちていないか検証してみてください。
その中から皆さんにとっての「ククルス・ドアンの島」が生まれることを、
切に願います。

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