趣味を仕事にしない理由と、仕事にする条件。

私はいろいろと趣味を持っていますが、
今のところそれらを仕事にするつもりはありません。
その理由と、もし仕事にする場合の条件について。

私の大切な趣味だけど、最近ぜんぜんできていない・・。

趣味は息抜きである。

今の私の趣味は、
・釣り
・DIY
・燻製づくり
・読書(マンガ含む)
・映画を見る
・ドラム(バンド演奏)などいろいろあります。
時間の関係で最近出来てないものもたくさんありますが。

皆さんもいろいろあろうかと思いますが、
人によっては「趣味が高じて」という形でそれを仕事にされる方もおられるでしょう。
このブログでも、
「自分のやりたいことをビジネスにする」
ということをオススメしてきていますので、
これはこれで一つのあり方だろうと思います。

しかし、やはり私個人としては、
趣味は趣味として置いておきたいな、と思っています。

前提として、仕事にできるだけの領域に達していないということもありますが、
趣味を仕事にしてしまうと、
それが自分にとって面白いものでなくなってしまう可能性があるからです。

そうすると、なんだか趣味が自分から奪われてしまうような気になります。
趣味はあくまで、仕事で疲れた頭と体を癒す息抜き。
そのポジションで置いておきたいなと思っています。

しかし複数の趣味がありますから、
将来的に条件を満たすのであればその1部を仕事に組み込む、
ということはやっていくかもしれません。

妥協ができなくなる。

趣味はあくまで自分だけの世界のものです。
それを突き詰めようが妥協しようが、
その匙加減は自分次第。

しかし趣味を仕事にすると、
そこにはいろんな形で「他人」が介在してきます。
特に「顧客」という形で。

顧客がいるということは当然そこに「責任」が生じるわけです。
趣味である間は、自分なりに
「まぁこんなものでいいか」
と妥協していたものが、そんなわけにはいかなくなります。

趣味であれば、知り合いに披露する場合も、
相手はそこまでのレベルのものを期待もしていませんし、
お金も介在していませんから、普通に喜んでくれます。

しかしこれが顧客となった場合には話しは別。

顧客のためにならない妥協は、
あっという間にクレームの温床となってしまいます。

趣味の中にも、
「そこまで突き詰めるのは面倒だけど、ふわっと軽い気持ちでやっている分には楽しい」
というものがあろうかと思います。
こういった趣味は相手の期待に応えるために突き詰めるとしんどくなってきますので、
趣味の範囲にとどめておくべきかと思います。

妥協を求められる

他人が介在してくると言うことは、逆に
「妥協を求められる」
という場面にも遭遇します。

仕事である以上、期限があります。
製品だろうがサービスだろうが、「納品」が必要ですから。

趣味であればそれは自分だけの世界ですから、
好きなだけ突き詰めていくことが可能です。
しかし顧客がいる場合で、相手がそこまで求めていないのであれば、
自分では納得していなくても期限までに提供することが優先されることとなります。

また、同じ「突き詰めていく」「深める」というものでも、
その方向性が相手のニーズを満たすものである必要があります。
自分は「こっちの方向に深めたい」と思っていても、
顧客がそれと違う方向性のものを求めていれば、
ニーズを満たすことも、当然期待を超えることもできなくなります。

さらには、「収益性」の問題もあります。
「突き詰める」という作業には、
とてつもない時間を要します。
それが趣味である場合は効率なんてそっちのけ。
その「とてつもない時間」を純粋に楽しみの時間とすることができて、
これは素晴らしいことかと思います。

しかしそれがビジネスである以上、
そこには「収益性」が求められます。
ビジネスの場においても
「突き詰める」ことは独自性を生み出すためにとても大切なことですが、
収益性が伴う必要がありますので、
だれも喜ばない・求めていないことにまで突き詰めるわけにはいきませんし、
時間をかけるほどそれがちゃんと「付加価値」として認識されなければ、
全く儲からない事業となってしまいます。

そうやって「妥協」を積み重ねることで、
その趣味だったものはどんどんと色褪せていき、
「趣味においといた方がよかったな」
ということになりかねません。

やりたくない周辺業務がついてくる

これが地味に邪魔なものです。
趣味としてやっている以上は、
自分の好きな部分・やりたい部分だけやっていればそれでいいのですが、
仕事となるとそうはいきません。

例えば趣味で野球をやるのであれば、
野球そのものを楽しめればいいので、それほど体を鍛える必要はありません。
ただプロになるとそうはいっていられなくて、
めっちゃ走り込まないといけないし、
日常の健康管理も大事になってきます。

プロである以上、これらも仕事の一部です。
「走り込むのがイヤ」とか
「好きなものを食べたい」とか
言っているわけにはいかないのです。

それらの「イヤなこと」すらも、
好きなことをもっと楽しむために自然と呑み込んでしまうことができる、
ということであれば、話しは別ですが。


また趣味が仕事になることで、
その趣味の世界を突き詰めるための周辺部分(先ほどの例でいう「走り込み」など)とはまた違った
「周辺業務」が生まれます。

特に自分一人で事業を始めたとなると、
その「やりたいこと」はビジネスのほんの一部に過ぎません。
事務的な仕事もついてきますし、
営業活動やそれに伴う人付き合い・人脈づくりなどの業務がついてくる場合もあります。

どんな仕事でもそうですが、
「やりたいこと」の周辺には
それと同じだけの「やりたくないこと」がくっついてきます。

このように、趣味を仕事にすることで付加される「やりたくないこと」をやりたくないのであれば、
それは仕事にしてはいかんと思います。

仕事にしてもいい条件

これまで、私なりの
「趣味を仕事にしてはいけない理由」
を述べてきましたが、
裏を返せばこれら全てをクリアできるのであれば、
それは仕事にしてもいい、ということになります。

趣味としてやっていること、
そしてそれを通して人に喜んでいただけることが楽しすぎて、
これらの諸問題を自然にクリアできる、ということなのであれば、
逆にそれは仕事としてとても素晴らしいものになる可能性を秘めています。

自分のやりたいことを通して相手に喜んでもらいたいから、
どこまでも追求できる。
やりたいことを通して相手が喜んでもらってなんぼだから、
喜んで柔軟に対応できる。
周辺業務が発生しようとも、それも自分のやりたいことで世の中に貢献するための一部であるから、
自然と受け入れることができる。

こんな形で趣味を仕事にすることができるのであれば、
その仕事は他の人にはたどり着けない世界に到達できるかもしれませんし、
完全なる独自の正解を築き上げることができるかもしれません。

そしてその独自性を磨き上げることが苦にならないわけですから、
とても良い形で仕事としてやっていけると思いますし、
事業として成功する要件の一つを備えていることとなります。

まさに、
「これを好む者、これを楽しむ者に如かず」
です。
これこそが天職。ぜひ仕事とすることも考えてみましょう。

結局は自分のやりたいことを仕事とすることは、
人生にとってとてもいいことだと思います。

ただ今の私の趣味は、この領域に達してはいませんので、
そっと趣味のままおいておこうと考えています。

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