ネットだけから情報を入れるリスク。

今、本当に多くの情報が入手しやすい時代になりました。
紛れもなくこれは、ネット社会の進歩によるものです。
しかし、ネットだけから情報をいれようとすると
その内容が偏りがでます。
そして自分で考えなくなってしまうように思います。
それを回避するためには、ひと工夫が必要です。

情報リテラシーが問われる

私が独立をした18年あまり前は、
すでにネットは存在しましたが、
SNSはまだそれほどメジャーな存在ではありませんでした。

ですから、googleやyahooなどのポータルサイトで知りたい情報を検索するという、
こちらからの能動的な情報の取得方法がほとんどでした。

ヤフーニュースなどがありましたが、
当時スマホはまだほぼ存在しないも同然でしたから、
欲しいニュースが向こうから届いて、
受動的にそれを受け取る、ということはありませんでした。

しかし、「ググる」ことは普通にできるようになっていましたので、
当時からネットを通して容易に情報を獲得する、
ということはできる環境が整っていました。

しかし今はまたそのレベルが桁違いです。
もちろんネット上に存在する情報量も当時とは比べ物になりませんし、
特にyoutuberなるものが登場し、
コロナウィルス感染拡大からこっち、さらにyoutubeによる発信量が急激に増加したことにより、
これまでネットで得られる主な情報は文字情報・写真情報だけだったのが、
映像情報も取得することができるようになりました。

この変化は、思っていた以上に大きいもので、
私もyoutubeからいろんな情報を得ることが出来ています。

しかしこのように情報過多な状態になると、
もちろん受け取る側の情報リテラシーも高度に求められるようになります。

その情報は果たしてどの程度正確なのか。
フェイクニュースではなかろうか。
これらに対して慎重になることはとても大切です。

情報を容易に垂れ流せるだけに、まさに玉石混交。
いい加減なものも大量に出回っているというのが現実です。

フェイクニュースについても、動画すら相当な精度で作成することができますから、
どんなものでもそれを鵜のみにしてしまうのはリスクが伴います。
特に仕事に関わるようなことであれば、
その内容に対してそのサイトからだけで判断するのではなく
必ず複数のサイトから情報を得たり、
その情報の出所を確認するなど、注意が必要です。

自分に合った情報ばかり入って来る


先ほど、私が独立したころは情報の取得が能動的だったとお話ししましたが、
今は全くそんなことはないですよね。

スマホの普及により、こちらから求めていなくても
興味がありそうなニュースが届くようになりましたし、
普通にネットを見ていても、
その人にとって最適な記事や広告が表示されるようになっています。

ネットだけから情報を入手しようとするときには、ここが要注意ポイントで、
とにかく自分にとって興味のある、そして都合の良い内容の情報ばかりが
こちらの目に触れることになります。

ネットの業界は、広告による収入が大半を占めますから、
とにかくその人に見てもらわないことには話しになりません。
ですから興味がありそうなもの、そしてその人が好きそうな情報ばかりが
どんどん降り注いでくるのです。

youtubeでもそうですよね。
アカウント登録をしていると、日常的に見ている動画の内容から、
その人にとって興味深そうな動画が、どんどん進められてきます。

ですのでそのような情報の入手方法に頼っていると、
自分に入って来る情報はどんどんと偏りのあるものになってしまいます。

自分で考えるようにする。


今、私と同じように、youtubeなどで情報や知識や考え方を入手しようとしている人も
たくさんいると思いますが、
上記のような「情報の偏り」から、どのようなことが起こっているかと言うと、
youtubeを見て情報を入手している人は、
その人にとって役に立つ情報を手に入れているようでいて実は、
その人の考え方にあったものを拾い集めているに過ぎない、ということです。

youtube側から与えられたオススメ動画を見ると
そこに自分の考え方と同じようなことが発信されていたり、
知らなかったことであったとしても、
自分にとって納得感の強い情報ばかりが耳に触れることで、
その内容に対して、
「うんうん、そうだよね」と感じて共感するだけで終わってしまう。

それだけでなんだか新たな情報を得たような気分になり、
自分自身でそれ以上深めようとしません。

こうしてどんどん、人から与えられる情報に埋もれていって、
自分の頭で考えない人間が出来上がっていってしまいます。

こうならないためにも、ただ情報を入れるだけでなく、
なぜそのように考えるのか、
自分はなぜそこに共感したのかを考えてみたり、
その得た情報から一歩掘り下げて、
「ということは、どういうことが考えられるのだろう?」とか
「ということは、これからどういうことが起こるのだろう?」
などといったことを考える習慣を持つことが、
大切なんじゃないかと思います。

いろんな角度の情報を入れる。

情報リテラシーを持ったり、得た情報を深めたりするのも大切ですが、
まずはそもそも入って来る情報の角度の多様性、
というものが重要だろうと思っています。

どうしても自分の耳に心地よい情報ばかり選別して入れてしまいますが、
世の中そんな一方からの考え方だけでできあがっているわけではありません。
自分の主義主張からして、あまり耳に入れたくないような情報でも、
意外に納得させられてしまうようなものがあったりします。

そして、世の中は、自分が得たい情報だけで
構築されているわけではありません。
世の中のことをより正しく把握するためには、
自分がそれほど興味がない分野についての情報も、
ある程度入手する必要があるように思います。

ですから私は、自分にとって興味のない情報も勝手に入って来る
「新聞」というオールドメディアを今でも割と大切にしていますし、
敢えて自分の主張と異なる意見の情報を入れてみたり、
本を読んでみたりするようにしています。

そしてそんな中にも部分的には納得できる部分があることもありますし、
そうでない場合には、なぜ自分がその考え方に対して納得できないのかということを
論理的に説明できるようにします。

とても面倒くさいことのように思えますが、
このようなことが、自分の得る情報の幅と深さを押し広げてくれるように思うのです。

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