楽しいから、やるのだ。

今、WBC(ワールドベースボールクラシック)やってますね。
サッカー見るのも好きですが、野球を見るのも好きなので、隙間時間で見ています。
時期的に、試合を通してみるのは難しいのが残念です。

これまでにない、「楽しそう」

今回のWBC、今までのチームとちょっと違いますよね。
少なくとも私はそう感じているわけですが、
なんというか、これまでのチームが持っていた「悲壮感」のような成分が
少ないですよね。

これまではチームの端々から
「絶対に勝たなきゃ」という感じがダダ漏れだったのですが、
今回のチームは
「まずは純粋に、この場を楽しもう・満喫しよう」
という空気感を感じられます。
もちろん成果が出ているから、というのも大きいのかもしれませんけど。

見る側としては、悲壮感が漂う中で、
ヒリヒリとした緊張感を感じながら見るのも、
それはそれでいいのですが、
やっぱり楽しそうなのが一番です。

それも、緊張感のない「楽しそう」ではなく、
「結果を出さなきゃ!」という意識を凌駕するワクワク感をもっている、
そんなチームですよね。
「国を背負っているから、集中する」
ではなくて、
もちろんその意識も持ちつつでしょうが、
「精一杯楽しむために、集中する」
そんな感覚が伝わってきます。
結果が出ていない選手はそんな場合ではないのでしょうが。

楽しいから、やるのだ!

こういったものに触れると、改めて
「ああ、純粋に楽しむってことは、大事なことだな」
と思います。

仕事も経営も、それが本来あるべき姿ですよね。

事業には、理念や使命が必要です。
そうだと思っています。
「儲けたい」から儲かるのではなく、
世の中に価値を提供するから儲かるのであって、
その「価値の提供」が理念や使命そのものですから。

ではなぜそんな理念や使命感をもってやろうとしているのか、
と問われたらそれは、
「楽しいから」
でいいと思うのです。

大谷翔平選手だって、なぜ野球をやっているかというと、
試合となると「みんなに喜んでもらうため」ということもあるでしょうが、
結局は本人が楽しいからやっているわけですからね。

私も税理士・コンサル業とは別軸として、
京丹後市にある間人(たいざ)地域の活性化事業を
立ち上げつつあります。
「なんでその事業をしようと思ったの?」
とよく聞かれますが、
いろいろ理由はあるものの、結局は、
「楽しいから」
突き詰めると、それ以外の理由はありません。

糸井重里氏が1週間ほど前の「ほぼ日」で書いてました。

『「なんのための」なんてもののない世界を、なくしちゃダメだ』

楽しいからやりたい。そこに理由はない。
人間、そんな世界をなくしちゃダメだと思います。

モチベーションはあげるものでなく、あがるもの。

仕事や経営に対するモチベーションは、大切です。
勉強に対しても。
そんなモチベーションをあげる方法などを謳った本は
ヤマのようにありますよね。

でもそこに書いてあるような手法をとったとしても、
基本的には悉く失敗します。

もちろん本人の持続力とかっていう問題もあるでしょうが、
もっと根源的には、
「本当にそれをやりたいのか、やりたくないのか」
ということです。

本当はやりたくないことなのに、
それをやるためにノウハウでもって
無理やりモチベーションを高めるというのは、
しばらくは続くかもしれませんし、
人によってはとても長く続くかもしれませんが、
本質的にはやりたくないことを無理にやっているだけですから
着実にストレスは蓄積されているんじゃなかろうかと思うのです。

そして人によっては、後々それが精神崩壊につながる、
なんてこともあるでしょう。
実際に何人か、そういう人を見てきています。

ノウハウに頼ってモチベーション高めるのもいいですけど、
不自然な形はダメですよね。

人間、本当にやりたいものであれば、自然とモチベーションはあがります。
その中で困難なことが生じたとしても、本人にしてみたら、
おそらく「苦労」とは感じずに、その困難に取り組むことでしょう。

そんな意味でモチベーションとはあげるものではなく、あがるもの。
特に小零細企業の経営者やスタートアップの経営者は、
その道を自分で選択することのできるわけですから、
その特質を活かさない手はないだろうと思います。

自分だけの楽しさでなく。

まずは自分自身が楽しんでいる、ということが大切ですが、
その一方でその楽しさや便益を自分だけのものとしないことが
重要です。

自分が楽しいだけじゃなく、人も楽しい。
自分が楽しんでいることが、人の喜びにつながっている。
ビジネスにおいても人生においても、
そんなことが案外大切なことなのだろうと思うのです。

ビジネスにおいては、楽しさや喜びの伝播そのものが
価値の提供になり得ますし、
人と一緒に楽しみ、人に喜んでもらうことをすることは、
人と人とのつながりを作ってもくれます。
人生もきっと、豊かになります。

我田引水の人に近づいてくる人は、
よっぽどの物好きか、
何も考えていない人か、
同じく我田引水の人か、
だけですよね。

楽しいから、やる。
そしてその楽しさが周囲に価値を届ける・与える。
自身の事業の中に、そういった要素を見出せるようにしていけば、
小零細企業はもっと豊かになっていくんじゃないかと思います。

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