激しい円安と、ウクライナ情勢のおかげで、
あらゆるものの仕入値が爆上がりしております。
こんなときやはり、利益幅というのは必要だな、ということを
改めて考えさせられます。
変化が激しすぎる。
それこそ20年近く前は、
為替相場というのは比較的ゆっくり動くイメージのものでした。
「なんか段々円高に振れてきたぞ」
という感覚です。
それがいつからか、とにかく変化が激しすぎる。
円高となれば、それが急激に進むし、
逆に円安となれば、またそれがいきなり進行します。
実際にその兆候があってから対策といっても、
短期的に効果を生むことは、
正直大してできません。
そして今回は、さらにロシアとウクライナの紛争(?)戦争(?)のせいで、
事業者のみなさん、本当に大変なことになっているかと思います。
直接的なだけでなく間接的な影響まで含めれば、
程度の差はあれ、影響を受けていない事業者などおられないでしょう。
昔の話しをしてもしょうがないですが、
日本はかつて輸出国家でした。
加工貿易が中心の、今の中国みたいな状態で、
1円高が進むと利益が何億飛ぶ、というようなニュースを
よく耳にした記憶があります。
もちろん今でもトヨタのような輸出がメインの会社は
同じようなことが起きているのでしょうが、
当時よりも海外生産が圧倒的に増えていますから、
ずいぶん影響は少なくなっているのでしょうね。
そしてそんな日本はいつの間にか、
輸入国家に。
為替介入で少し円高に振れましたが、
一瞬で呑み込まれてしまいました。
この状況はまだしばらく続くものと
考えておくべきだろうと思います。
利幅と、価格決定権。
上記のようなことで、
資材価格が何もかも、どんどんと高騰しているのは、
今更私がお話しするまでもなく、
皆さん体感されていることだろうと思います。
そしてこんなときにやはり弱いのは、
元々利益率の低い事業をしている方。
例えば、元々粗利率が10%とかいう仕事でしたら、
原価が5%上昇すると、
粗利益の半分ほどが消し飛んでしまう計算です。
固定費は変わらないわけですから、
元々経常利益が+ーゼロくらいの会社は、
いきなり固定費の半分くらいの赤字になってしまうわけです。
計算上のこととはいえ、恐ろしいことですよね。
ですから100円鮨が100円でなくなるのも頷けます。
粗利益が低くても、
その価格決定権が自社にあるような会社であれば、
まだ大きな問題にはなりません。
先ほどの例でいうと、
仕入れ値が5%増えたのであれば、
売上は4.5%あげれば、
粗利率はさがりますが、粗利額は確保されます。
しかし値上げをすると取引先の離反が考えられますから、
これまた必ずしも机上の計算通りにはいきませんが。
しかし最も問題なのは、
元々粗利率が低いうえに、
価格決定権を有していない、
いわゆる下請けの仕事をしている会社です。
実際このような会社は、
仕入れ値はどんどん上昇していますが、
なかなかそれを価格に転嫁できずに苦しんでいます。
取引先が仕入れ業者に対して理解のある会社であれば良いのですが、
元々から仕入れ先を泣かせて仕事をしているような取引先ばかりだと、
本当に大変なことになってしまいます。
そして残念ながらそのような取引先が実際にわりと数多くある、
というのが現実です。
いつも言っていることですが、
小零細企業の生きる道は、
自社の商品の独自性を高めることで価格決定権を獲得し、
ニッチな業界で利益率の高い事業を行うことです。
さもないと、大資本に蹂躙されることになりますから。
いつやるの?今でしょ!
他でも作れるような商品や
他でも扱っているような商品を
低価格で販売しているような会社は、
今こそ勇気を持って、
独自性ある存在に生まれ変わり、
「あなたの会社の商品だから買いたいんだ」
と消費者に選んでいただける会社にならなければなりません。
今こそ、というか
本当はすでにちょっと遅いのですが。
しかし遅いからと言って、今変わらなければ、
その先には何も幸せは落ちていません。
遅いと言われたって、
今からでも変わらなければならんのです。
厳しいことを言うようですが、
今現在もそのような状態から変われていない会社も、
少なからずこれまでに危機感を抱いてきていたと思います。
書籍やTV番組などで、「こうやって下請けから脱却をした!」
というような事例に触れ、
「うちも、こうしないといけないな」
と考えたこともあろうかと思います。
ひょっとしたら顧問税理士とかに、
「変わっていかないといけないですよ!」
と指導が入っていたかもしれません。
それでも変化することなく、先延ばしにしてきたツケが、
この現状です。
だからこそ、あえて、
この「古っ!」と言われる言葉を送ります。
「いつやるの?今でしょ!」
使われ過ぎて、
現在ではネタのような扱いにしかなっていませんが、
この言葉は本当に大切な言葉です。
「いつかやろう」
「いつかやらねば」
は、いつまでも実行されません。
いつか読もうと思っている本が
いつまでも読まれないように。
つまりは、優先順位が低いのです。
本来、事業の生死にかかわるようなことは、
緊急性は乏しいかもしれませんが、
最優先事項であるはずです。
そんな最優先事項と思われるものを、後回しにしないために、
使い古されてネタでしかない言葉であるとしても、
「いつやるの?今でしょ」
この言葉を胸に刻み込んで、
即行動しましょう。
「もう今更遅いから」
というのは、
死地に向かっているのと同じことです。
本当に厳しいことを言うようですが、
「遅いから手をつけない」のであれば、
被害が拡大する前に、
手を挙げてしまった方がましです。
今、会社が存続しているのであれば、
遅いことはありません。
これ以上手遅れにならないように、
明日からでなく、今日から、
独自性ある企業に生まれ変わる行動をしましょう。
何をしたらいいのかわからないのであれば、
とりあえず、そういった本を読むところからでもいいです。
出来ることはヤマのようにあります。
そして今日からできることはあっても、
今日明日からいきなり結果が出ることはありません。
しかしその、今日始めた新たな動きの積み重ねが、
きっと未来を作り上げてくれます。
本を読みましょう。
友達に聞いてみましょう。
経営者仲間に相談しましょう。
そして具体的になにか行動に移しましょう。
そこからしか、何も生まれて来るものはないのです。