なぜタイムマネジメントをしても時間ができないのか。

この10年くらいで人生に対する社会の考え方が変わって、
モチベーション高めてバリバリ働こう!というものから、
ゆったり豊かな人生を送りましょう、という方向へ
変遷してきました。
これ自体はとてもいいことなのですが、
それじゃあ、みんなの人生は豊かになってきているかというと
あまりそうでもないように思います。

人は、やらねばならないことを作ってしまう。

豊かな人生を送るため、
いかに仕事を効率的に済ませるか、ということや、
タイムマネジメントをテーマにした情報が
世の中にあふれています。

朝早く起きて、ゴールデンタイムに仕事を片付けましょう、とか
メールに対していかに早く回答するかとか、
タスク管理とその片付け方など。

これら自体は別に間違ったことでもなんでもありません。
実際私もそれらのうち一部を取り入れて、
いかに効率よく仕事をするか、ということは
常々テーマとして頭のど真ん中において
仕事をするようにしています。

みなさんの中にもこれらを実践して仕事を効率化して、
実際に成果をあげておられている方もいらっしゃるでしょう。

しかしそれによって余裕のある時間が生まれたでしょうか?
中にはそれが実現できた方もおられるでしょうが、
おそらく大半の人は、だからといって
自分の時間が大きく確保できるようになったかというと
そんなことはないだろうと思います。

さてそれは、なぜでしょう?

仕事を効率的にして人生を豊かにしようとするのは、
昔から人類共通の願望であり続けています。
そこで人は、
洗濯機や炊飯器や電子レンジや自動掃除機や自動食器洗浄機など、
家事をらくにするものを開発してきました。

しかしそれで主婦(という言葉は多少時代錯誤ですが)の仕事は
ずいぶんと減って、自由な時間を謳歌できるようになったのでしょうか?

携帯電話やスマホのおかげで
いつでも人と連絡を取り合うことができるようになり、
それだけで相当効率化がはかれているはずですが、
それによって人生は豊かになりましたでしょうか?

きっと、あまりなってないですよね。
特に後者は、むしろ人生を
窮屈なものにしてしまったように思います。

これらのことからわかることは、
人間は時間が空くと、何かに追い詰められるかのように、
その空いた時間を別の何かで埋めてしまう、
という性質があるらしい、ということです。

私自身もめちゃ心当たりがあります。
時間が空いたら、
「もっとこんなことやらなくちゃ」
「もっとこんなことができるはずだ」
「もっとこんなこと、やってみたいなぁ」
ということで、
さっさと他の仕事や業務などで埋めてしまいます。

そこに、根本的な原因があるように思うのです。

人は、やってもらいたいことを入れてくる。

そして、時間を盗みとる犯人は、
自分だけではありません。
周囲のの人たちも、
せっせと自分の時間を奪い取りに来ます。

メールをさっさと返信すると、
その返信もさっさと帰って来るようになります。
そしてそれにすぐに返すと、またすぐに帰ってきます。
その一連の案件は早く完了しますから、仕事効率化は実現できていますが、
一つの案件がおわるということは、次の案件が降ってくる、ということです。

仕事を早く終わることができて、ゆったりしているように見えると、
人は仕事を任せに来ます。
仕事を早くできる人は、仕事の出来る人ですから、
必然的にそこに仕事は集中するのです。

そして人が自分に期待して仕事の依頼に来るものですから、
その期待に応えようと、安易にその仕事を引き受けてしまい、
結果としてゆったりした時間は奪われてしまうこととなります。

まぁ奪われているようでいて、最終は自己判断なわけですが。

いずれにしても、このようなことを繰り返していると、
ゆるやかな時間を過ごす、豊かな人生などは、
おそらく永遠に訪れることがないんじゃないかと思います。

何をしないのか、決める。

結局、人は自分の時間を、
仕事で埋めてしまいます。
仕事でないとしても、
やりたいことや、ちょっとやりたいことなどで、
積極的にギチギチに埋めてしまうのです。
人の性格によっても程度の差はあるかもしれませんが。

自然と隙間を埋めてしまい、身動きが取れなくなる、
ということなのであれば、
意識的に、やらないようにするしかありません。

誰が言っていたことか定かではありませんが、
こんなときにとても有効な手段があります。
まず自分のやりたいことを
25個(20個でも30個でもいいと思いますが)挙げます。
そしてそれを自分の本当にやりたい順番に並べ替えます。
そしてその上位5個から10個だけに絞り、
残りを捨ててしまうのです。

何をしないか決める、
ということは比較的よく聞くことで、
これは、
「うっかり引き受けてしまうこと」
「うっかり手を付けてしまうやりたくないこと」
これらをやらないようにする、
という意味合いが強いものです。

これは比較的容易にできます。
そもそも本質的にはやりたくないことですから。

しかし先ほどお話ししたことは、
自分の「やりたいこと」を捨てる行為です。
これはなかなかキビシイですよ。

しかしおそらく常に時間に余裕がない人は、
やりたいこと、またはやりたいと勘違いしていることが
多すぎるのだろうと思います。

少なくとも私は完全にこのタイプです。
そして、まだ私もこれを実践しているわけではありませんが、
来年の個人目標を立てるにあたり、
勇気を持ってやることを捨てようと考えています。

そして、空いた時間は「何もしない時間」として
事前に確保するようにする予定です。
何もしない時間を予定する、というのも何だかよくわかりませんが、
何事も一度やってみなければ、わからないですからね。

また結果報告する機会があれば、こちらのブログにて発信します。

「ゆとりを持ちたいのに、どうしてもイッパイになる」
という方は、ぜひ私と一緒にトライしましょう(笑)。

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