ビジネスシナリオは、会社の存在意義。

ビジネスシナリオは、
その会社がどんな事業をしていくことで存続していくのかを
定めるものです。
しかし、単に事業領域(ビジネスドメイン)を定めるだけではなく、
会社の存在意義を定めるものでもあります。

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ビジネスシナリオは事業のキモ

ビジネスシナリオは、先ほどお話ししたように、
その会社がどのようなビジネスを行っていくかを定めるもの。

会社は事業を行い、
その事業を通して顧客を創造し、
利益を創出することで存続していくもの。

ですからある意味これは、
事業の根幹を形作るものとも言えます。

ビジネスシナリオが上手にできていると、
その事業は大きく苦労することなく成長していきます。
(もちろんどんな事業でもそれをある程度の形にするには一定の苦労は必要ですが)

しかしそれがうまくできていないと、
その事業を収益の柱に育てていくのには、
いろんな方向性から多大な苦労を必要とすることになりますので、
一番最初にこのビジネスシナリオをどのように構築するか、ということが
事業経営のキモとも言えるのです。

ビジネスシナリオのつくり

ビジネスシナリオは、
・社会的な使命(求められること)
・ビジョン(したいこと)
・能力(できること)
の3つの「こと」の接点に生まれるべきものです。

人間誰しも、自分のやりたいことや、
自分の得意なことを事業として進めたくなります。

もちろんこの両者を満たさないといけないわけですが、
それでは正直、学生レベル。

「自分は、やりたい」
「そして、自分はその能力がある」
「でも社会が求めてるかどうかは不明」

これは単なる自己満足のに過ぎません。

この大いなる自己満足に「社会的な使命」が合わさって初めてそれは、
お金がいただける事業となりえるのです。

ちなみに
「社会が求めている」
「そしてそれが自分にはできる」
「でもやりたいことではない」
というのは苦行になります。

「社会が求めている」
「そしてそれをやりたい」
「でも、その能力がない」
は絵にかいたモチになってしまいがちです。

ビジネスには「意義」が必要

事業は、「外と内のつながり」の中から生まれてきます。

前述の「求められること」が外にあるもので、
「したいこと」「できること」が内にあるものです。

この外と内の「結び」によって、はじめて
事業に「意義」が生まれます。

内から発せられるものだけでは、存在意義にはなりえませんし、
外から押し付けられるものも、それが内と呼応していないと
存在意義が生まれることはありません。

そして事業に意義が生まれると、
その経営にも意義が生まれ、
その器たる会社にも意義が生まれます。

外と内の「結び」。
これを大切に考えていきましょう。

そして内と外を何年後かに改めて結びなおす必要がないよう、
ちゃんと方向性として定めて、
定期的にメンテナンスしておくことが肝要です。

つまり、その結びにほころびが生じないように、
1年または半年に一回くらいはその内容を見直して微調整をしましょう
ということですね。

そうしてできあがった「ビジネスシナリオ」は、
会社の存在意義であり、
会社の方向性を示すものです。

会社は走り続けている以上、その方向性が必要。
それがはっきりしないと迷走しますし、
社員の不満を招きます。
社員のやる気は、大前提として「見通しが立っているか」
ということが必須条件なのです。

3つの関係性を維持する。

ビジネスシナリオは
3つの「こと」で構成されていると前述しましたが、
残念ながらこの3つのバランスがうまく保たれている会社は、
そんなに多くありません。

というかほとんどの会社が、
このバランスが崩れているといって良いかと。

先代からを引き継いだ会社をなんとなくやっている、など
もってのほか。

そこには
社会的使命(求められること)も
ビジョン(したいこと)もありません。
そして「できること」ですら、
自社の強みを伸ばしていくことに注力しませんから、
その「できること」としての力を失っていきます。

この3つの「こと」の持っている力が失われていくということは、
会社の存在意義が薄れていくことを意味します。
そして存在意義の薄れた会社は
この世に存在する必要のないものとして、
赤字になり、
最終的に社会から退場を命じられる(廃業・倒産)
ということになるのです。

ですから経営者は、
この3つの「こと」を常に考えることについて、
苦手意識をもってはいけないのです。

常に、社会情勢にアンテナを張り続けましょう。
自社の強みを掘り起こし、
それをさらに尖らせるべく磨き続けましょう。
そして、
自分たちが本当にやりたいことは何なのか、
妄想し続けましょう。

こうした不断の取り組みが、
事業を維持発展させることにつながるのです。

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