ならぬは人の為さぬなりけり。

「為せばなる」、とは、
米沢藩主・上杉鷹山の言葉です。
私の好きな言葉でもあります。

上杉鷹山をとりあげた、2つの小説。共に、オススメです。

上杉鷹山とは

上杉鷹山とはどういう人かというと、
養子で米沢藩にやってきて、そこで米沢藩の窮状にふれ、
藩政改革でもって立て直した、すごい人です。

米沢藩は、どれくらいひどかったかというと、
収入が人件費だけで吹っ飛んでしまうという状況だったそうです。
しかも借金だらけ。

今で言うと労働分配率が100%。
借金の返済どころか、
給料以外の経費も賄えない状態。

この状態から立て直してしまうというのは、
本当にすごいことですよね。

上杉家といえばみなさんご存じ上杉謙信。
もともと越後にあったわけですが、
関ヶ原で西軍に味方し、敗戦のうえ転封。
石高のめちゃ少ない米沢に押し込まれます。

それでも人を大切にする上杉家は、誰一人クビにすることなく、
米沢まで家臣一同全員をひき連れていきました。
そして労働分配率100%に。

人を大切にするにもほどがあるやろ!という感じです(笑)。

上杉鷹山について語りだすとキリがなく、
それが本題でもないので、あとは各自調べてください(笑)

ならぬは人の為さぬなりけり。

「為せばなる」という言葉の続き、
「為せばなる、 為さねばならぬ、何事も」
というところまでは結構メジャーです。

そしてこれには続きがあって、
私が好きなのはこの後半部分。

「ならぬは人の、為さぬなりけり」

要は、
「できないのは、やってねぇからだよ」
ということですね。

そうは言っても、
本当にできないことは、いくらやっても
できません。
ですからこの言葉を曲解すると、
究極の根性論にいたります。
私も根性論は大嫌いです。
ある一定の根性は絶対に必要ですが。

しかしこの言葉はそんなことではなくて、
ここで言わんとしている大切なことは、

「やりもせずに、できないと言うな」

ということなんだろうと思うんですね。

流石に上杉鷹山も、
どんなことでも、やってみたら何でもできるとは
思っていないはずです。

やる前から結果を想定して
「だからできない」
ではなく、
まずは着手してみる、
ということですね。

やってみたら1%の可能性でもできるかもしれません。
でもやらなかったら、100%できません。

やってみたら、完全な形でないにしても、
ある程度の形になって、
それが財産になることだってあるかと思います。

ですから、とりあえず動いてみましょう。
動くと必ず何がしかの成果(成功・失敗関わらず)が生まれますので、
それを踏まえて方向を修正し、
少しずつ改善されることで、
少しずつ成長していくのだろうと思うのです。

計画も、まずはやってみるところから

経営計画などを立てるときでも、
これまで計画を立てたことがなければ
全く計画することができません。

売上の計画と言っても、
何を根拠にどれだけの売上を上げるのか、
ということが全くピンと来ないため、
計画数値を作る気持ちにならないんですね。

ですから私は、初めて計画を作る経営者に
必ずこう言います。
「適当でもいいので、とりあえず計画してみてください」と。

やったことのないことなのですから、
わかるわけがないのです。

だからといって、そのまま毎年何もしなければ、
永遠にわからないままです。

ですからとりあえず最初は、
わからないなりに、だいたいで良いので、
「これくらいの売上!」
と決めてもらいます。

計画はそれを実行する人の意志で決めてこそ、ですから、
わからないからと言って
私の方で数値を決めることはしません。

そうやって決めてもらったら、
その売上を達成するために
やるべきことを決めてもらいます。

ここまでできれば、第一段階としてはOK。
おおまかでも、
数値計画と具体的行動計画ができれば、
それを踏まえた結果が現れます。
それは、その「具体的行動」に基づいた実績です。
その結果と数値計画に乖離があるのなら、
その次計画するときには、
その乖離をうめるためにどうすればいいのか、
という視点で計画をすることができます。

こうやって
数値計画は毎年、精度をあげ、
行動計画は毎年、より具体的になっていくのです。

何事も為さねばなりません。
精度や正確性などはさておいて、
とりあえずは計画を始めてみないことには、
何も動き出すことはないのです。

ただ一つ注意点。
数字計画だけで行動計画がなければ、
「これだけのこんな行動で、こんな成果が」
という実績が見えませんので、
必ず行動計画をセットで策定するようにしましょう。

そこからきっと、何かが動き出すはずです。

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