金額低めの固定資産の取り扱いのおさらい。

一般的に10万円以上する固定資産を購入した場合、
減価償却という形で耐用年数にわたって経費になるため、
その購入&使用開始したときに全額経費になるわけではありません。
ご存じの方も多いと思うので、改めてその辺りのおさらいも含めて。

30万円未満の固定資産の代表的なもの、パソコン。

10万円未満であれば、問題なく全額経費

土地のように価値が減少しないものをのぞき、
基本的に形ある固定資産を購入した場合でも、
その金額が10万円未満であれば、
全額、購入時の経費になります。
これは昔からそうです。
ずいぶん昔は20万円が基準でしたが、今は10万円です。

この話をしたときにたまに、
「じゃあ、領収書を何枚かにわけてもらったらいいんですね!」
とか言う人がいますが、
そんなわけはないですよね。
普通に考えて。それがまかり通るのなら、
1000万円近いものでも100枚の領収書に分けたら一年で経費になるなんてバカなことになりますから。

基本的な考え方は、一個・一対・一揃え。
一般的にどんな単位で購入されるものか、
というのがわかりやすいと思います。
よくある例が「応接セット」ですが、
基本、全体がセットでバラ売りしているものではありませんから、
そのセット全体の金額で判断します。
本当は結構複雑なのですが、
とりあえずこのイメージをもっておいていただけたら、大体対応できるかと。
ちなみにこれは、
今日説明するすべての資産について、適用される判断基準となっております。

30万未満であれば、やることやれば全額経費

基本は先に述べた10万未満が基準なのですが、
今は特例期間中で、
30万円未満のものはその期に全額経費にできます。
これはあくまで「期間限定」です。
令和4年3月末までという期限でしたが、
2年間延長となりました。
期間限定といいながら、平成18年からずっと延長を繰り返していますので、
当分なくならないんじゃないかと思っています。

ただし、以下の条件があります。
・青色申告者であること
・中小企業者、または個人事業主であること
・年間合計300万までの範囲内であること
・この制度の取り扱いを受けたものとして申告書に記載&明細書の添付が必要

特に3つ目に注意です。
例えば29万円のものを11個買ったとしたら、
最後の11個目で300万円を超えてしまいますから、
最後の1個は普通に減価償却(20万円未満の場合は次に紹介する制度も可)
ということになってしまいます。

20万未満であれば、1/3ずつ経費に。

30万未満の特例の存在によって、その存在感が大きく薄れてしまっていますが、
購入した固定資産で20万円未満である場合には、
3年間にわたって1/3ずつ経費にすることができます。
これは先ほどの期間限定ではなくて、ずっと存在するものです。

30万円未満のものをその事業年度に全額出来るという、期間限定制度ができてしまったため、
今その存在意義が乏しくなってしまっています。
この制度を利用する20万円未満の固定資産は、
「一括償却資産」と呼ばれています。
この「一括」というのは、
その購入した事業年度に一括で経費に落とせるという誤解を生んでしまいそうですが
そうではなくて、
その事業年度に購入した20万円未満の固定資産でこの制度を受けようとするものについては、
それらを全部合算してその合計額に1/3をかける、という計算をするため、
「一括」という名称になっています。
ややこしい名前をつけたものです。
正直、法制定した人のセンスを疑います。

注意点は「償却資産税」。

30万未満のものであれば、
減価償却にするのか
1年で経費におとしてしまうのか、
その選択は自由ですから、
利益が出ていて節税したいのであれば1年で経費に落とし、
そうでなければ減価償却にする、というのが、一般的な考え方でしょう。

問題は「20万円未満のもの」です。
これも1/3経費に落とすか
全額経費に落とすかですから、
利益が出てるかで判断すればいいように思いますが、
実は一点、決して大きくはないですが小さくもない差があります。

それは、20万未満の固定資産に適用できる「一括償却資産」には、
償却資産税がかからない、ということです。

償却資産税とは、
減価償却をするような固定資産にかかってくる、固定資産税のことです。
これが、一括償却資産にはかかってこないのです。
しかし、30万円未満で全額経費に落とした固定資産については、
償却資産税がかかってきてしまいます。

この償却資産税、どれくらいかかってくるかというと、
例えば10万円の固定資産で耐用年数10年のものを10年間保有していたとして、
その10年間の間に、トータル6000円あまりの税額となります。
たいした金額でないように思えますが、
この10万円のものを積み重ねると一年間で300万円くらいあるような会社でしたら、
10年間トータルで18万円ほどの償却資産税が発生する、
ということです。

一括償却を選択しておけば、3年の間には全額経費になるわけですから、
それを前倒しにして一年で経費にすることで
余計な税金が18万円発生することを意味します。
これって、わりと大きいと思いませんか?

償却資産税は、細かい話しは抜きにしますが、
対象となる固定資産の課税標準合計額が150万円未満であれば、
免税という扱いになっています。

ですからこの金額を超えてくるような会社に関しては、
「今年で全額経費になるから」と安易に考えるのではなく、
今の自社にとってどちらが有利であるかということを良く考えて、
どちらかを選択いただけたらと思います。

タイトルとURLをコピーしました