計画的に発信する。

「あの会社の商品はあんな程度の品質であれだけ売れてるのに、なぜうちの商品は売れないんだ」
とグチをこぼしておられる経営者の方が、たまにおられます。
こんな会社に限って営業活動や広報・発信といったことが、
全くできていなかったりします。

商品が良いだけでは売れない

特に小零細企業のメーカーでよくあることですが、
商品はとても優れているのにそれが全く売れないということが
結構あります。

しかしこの答えはとてもはっきりしていて、
良い商品がそこにあるとしても、
その商品のことを知らない人は買ってはくれません。
当然ですが。

なぜあの会社の商品ばかり売れるのか、
と人を羨む前に
自らしっかりと営業し、
しっかりと広報を行うことが大切です。

その商品がどれだけ優れたものであったとしても、
その存在を誰も知らなければ
売れないのは当たり前なのです。

ですからいつまでも控えめでいたり、
奥ゆかしくいるのではなく、
堂々と
「こんなに素晴らしい商品があるよ」
ということを世の中に向けて強く発信していくことが
欠かせないのです。

当たり前のようでいて、案外忘れ去られています。
または目を背けられているのが、実態です。

なぜ発信できないのか。

外から客観的に見てみれば、
こんなに良い商品・魅力的な商品を作っているのに
なぜそれをもっと発信しないのか、
と不思議になります。

この理由は大きく分けて2つあるように思います

1つは自信がないこと

確かに素晴らしい商品を作っているとしても
自分自身がその商品の素晴らしさに気がついていない
というケースです。

これはSWOT分析で言う
「強みは自分にはわからない」というのと同じことで、
自分の会社でできる事は、
それができるようになるまでどれほどの苦労があったとしても、
一度できてしまうとそこからは、さほど苦労なく
当たり前にできていることですので、
「これはどこの会社でもできることだ」
というふうに考えてしまう傾向があります。
そして
「うちの商品そんな魅力なんてないよ」
と思い込んでいるのです。

「もっと自社の製品に自信を持ちましょう」
と伝えることは簡単なのですが、
この自信を植え付けることはなかなか容易なことではありません。

しかしだからといって、
いつまでも商品が売れないままでは、
この会社はいつまでたっても儲からないばかりか
場合によってはそのままつぶれてしまうようなことになるわけですから、
そこは勇気を持って踏み込んでもらいたいところです。

2つ目の理由は
自社の商品の発信の仕方がわからない、ということです。

こんなに良い商品なのですから
もっと積極的に発信していきましょうといっても、
何をどのように発信していけばいいのかわからないのです。

商品そのものの品質がとても優れているとしても、
その商品の優位性がめちゃわかりやすい場合を除き、
ニュースリリースにしても、SNSで発信するにしても、
ある程度目につきやすいポイントや
一定の話題性というものが必要になります。

ですから今の商品にそういった魅力が欠けていると感じるのであれば
それを自ら作り上げる努力をするしかありません。

商品に何がしかの企画を付け加えるのか、
ほかの社外の商品とコラボするのか、
社会性のあるものに取り組むのか・・
その手段は無数にあるだろうと思います。

いずれにしても、
どのようにすれば多くの人の目に触れることができるのか、
どのようにすればいろんな媒体に取り上げてもらえるのか、
この意識は常に持っておいていただきたいところです。

もちろんそういった魅力づくりが上手だとしても、
その商品自体の品質が良いものでなければ話になりません。

実際にその商品を手に取った消費者から
「こんなもんか」とか「騙された」とかいう感情が芽生えてきてしまいますので、
その発信がファンの獲得につながることがないのです。
むしろアンチの増殖につながってしまうこととなってしまい、
逆効果となります。

圧倒的な商品力でないといけない、
ということではありません。
まずはちゃんとした品質の商品を
安定して作り上げることがすべての始まりなのです。

広報を計画する。

仕事柄、いろんな小零細企業の経営計画書を見ていますが、
その広報や発信について、具体的に計画されているものは、
案外少ないんじゃないかと思います。

計画されていない、ということは、
それは実行されないか、
または実行されたとしても場当たり的だ、
ということになります。

ニュースリリースにしてもSNSにしても
その発信が一度キリであったり、
短期的であったりでは、
さほど効果はありません。

これらは会社として組織的に継続的にされてこそ、
徐々に効果が現れてくるものだと思います。

そしてこれらを継続していくためには、
一定の「ネタづくり」が欠かせません。

特にニュースリリースは、
ちゃんとニュースとしての話題性のあるものでないと意味がありませんから、
事前のネタづくりができていないと、
容易に途絶えてしまいます。

ですから、これらはちゃんと計画を立てて
取り組んで行くことが必要なのです。

毎月何か発表する、というのが理想ではありますが、
それが難しいのであれば、
最初は2か月に一度でもいいかと思います。

いつ、どんな内容の事をリリースするのか。
それを事前に計画し、
その計画に従って実行していくのです。

するとそこから逆算していろんな企画や仕込みができるようになります。

例えば新商品発表のような
リリースに向けて時間のかかるものは、
その発表の時期から逆算して開発に取り組む必要があるのです。

そしてそれが実現できれば、
ニュースリリースを行うこと自体が効果を生み出して行くとともに、
それに向けていろんな企画や商品開発などが動き出すことで、
副次的に会社の躍動感を生んでいきます。

しかしこういったことは
今、急いでやらないといけないことでもないので、
計画しなければ、いつまでも実行されない類のものです。
緊急性は低いけれど重要性はめちゃ高いものですから、
それが実行されないことは、
その会社の力を徐々に奪っていくことにつながるのです。

ぜひ、自社の魅力を再発見して、
積極的に発信していきましょう。

そしてそれを単なる掛け声で終わらせるのではなく、
ちゃんと年間スケジュールとして計画し、
実行に移していきましょう。
それだけで(といってもなかなか大変なことですが)、
会社の発信力は相当に高まると思うのです。

タイトルとURLをコピーしました