私は経営コンサルとして、経営計画の策定支援も行っています。
今日は改めて、なんで経営計画が必要なのかについて。
経営計画は、その通りにならないから必要。
皆さんの会社・事業には、
経営計画がありますでしょうか?
とてもよくできた計画書を作成されているところ、
作成しているけれど、結構テキトーなところ、
作成したけど、それっきりになってるところ、
そもそも、いらんとおもっているところ、
さまざまかと思います。
いろんなレベルのものがあることは、今回はさておきまして、
経営計画を作成されていない会社について、
その作成されていない理由にもいろいろあります。
その中で
「どうせその通りにならないから」
という声を聞くことがあります。
確かに、物事は計画通りにはいきません。
みんなが自分の考えた通りに経営ができれば、
赤字の会社などこの世からなくなります。
しかし、その考え方は逆で、
経営計画は、その通りにならないからこそ必要です。
実際に経営を行っていると、
様々な結果が出てきます。
この出てきた結果に対して、最初に計画がないと、
その結果は単なる結果に過ぎず、
それを評価することができません。
「こんな結果になって。うん、まぁまぁかな」
こんな感じです。
これではなかなか経営自体が成長していきません。
しかし、計画があると話しは別です。
経営を行った結果、
その結果との差がそこに生まれるからです。
この「差が生まれる」ことこそが、
経営計画の価値なのです。
差が生まれると、人間、
「なんでそんな差が生まれたんだろう?」
と考えるようになります。
そしてその差を埋めるために、何が足りなかったのだろう、
と考えることができるのです。
一般的に「PDCA」と呼ばれるものです。
(ちなみに私は「PCDC」を提唱しています)
これが経営計画がある場合とない場合の大きな違いです。
どちらがより良い会社・事業を作っていけるのか、
明白だろうと思います。
これは会社の規模を問うものではありません。
例え一人でやっている場合であろうとも、
計画のありなしでその後のあり方は
大きく変わってくるだろうと思うのです。
これがないと、ブレる
人間、そんなに強いものではありませんから、
その時その時の環境によって、結構ブレます。
「あれもいいんじゃないか、これもいいんじゃないか」
とか、
「こんなことやってるけど、本当にこれでいいのかな」
とか。
いろんな外部環境にさらされている中で、
その都度ブレている場合ではありません。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラでは、
その事業に成長は期待できず、
徐々に弱体化していきます。
ですから、一歩一歩確実に、着実に、
目指すべき方向を定めて、
その方向に歩みを進める必要があります。
「今期はこれを行う。こんな理由で、ここに力を注ぐ」
これが大切なんだろうと思います。
これがないと、
経営者が自分自身の思いに大きく振り回されてしまうのです。
先ほど「環境によってブレる」といいましたが、
最終的な意思決定はすべて経営者が行っているわけですから、
実は環境に振り回されているのではなく、
経営者が自分自身に振り回されているのです。
さらに、経営計画を経営者一人のものとせず、
社員全員や信頼できる知り合いの経営者にオープンにすることにより、
後に引けなくなります。
「有限実行」の環境を自ら作り上げてしまうことで、
経営のブレを留めることができます。
結構これは大切です。
この項の冒頭でお話ししましたように、
人間そんなに強いものではありませんから、
決めたことを守れるよう、
良い意味での手かせ足かせを作る工夫は必要だろうと思います。
私のこのブログが毎日続いているのも、
いろんな人に「毎日更新します!」と宣言していることが一つの大きな要素です。
「あ、あいつ、毎日続けるって言ってたのにやめてしまいよった」
って思われるのはイヤですからね(笑)
経営の方向性を全体に示すため
一人でやっている会社や事業であれば、これは当てはまりませんが、
逆に一人パートさんを雇用しているような組織としては最小規模であっても
これは大切なことです。
経営者自身が、自社の経営を進めるにあたり、
やりたいこと、達成したいことがあって、
それを推進していくためには、
その組織のメンバーに協力してもらう必要があります。
全てのメンバーがその経営の一部を担うわけですから当然です。
そんな中、その一部を担う存在である社員さんが、
その方向性を理解できていないとしたらどうでしょう?
きっとその社員さんは、
自分に何が求められているのか、とか
よくわからない状態だろうと思います。
それなのに、経営者からはあれやこれや言われる、という
可哀そうな状態です。
逆に経営計画に従って、
「今年はこんな方向性で、こんなことを実現したいから、
その中であなたにはこんな役割を担ってほしいのよ」
と明確に伝え、
その役割の中で目標感をもって仕事をしてくれたら、
その経営者の考えていることが何倍速にも早く
前へ進むと思うのです。
さもなければ社員さんは、
これまでと同じことを惰性で同じように行うだけの日々です。
それでもかまわない、ということであれば止めませんが、
それでは成長がありませんよね。
成長がない事業はきっと生き残ることができません。
事業が生き残るために、
そしてさらに成長して確実性・安定性のあるものとなるために、
経営計画は必要なのです。
もしこれを読んで、
経営計画に少しでも取り組みたいな、どうすればいいのかな、
と思っていただいた方は、
このブログを毎日読んでいただければと思います(笑)
系統立てて経営計画を語っているブログではありませんが、
きっと、毎回とは言いませんが、部分的に何かの役に立つんじゃないかな、とは思います。