顧客を紹介してもらうために。

事業内容にもよりますが、
自分を信用してくれている人からの紹介は、
顧客を増やすにあたって信頼性も高い確実な方法です。
「紹介」を顧客創造の柱とするのであれば、
ちゃんと自社のネットワークの仕組化をしておくことが必要となります。

USJの路地にいるスパイダーマン。クモの巣といえばこの人。

ネットワークのリスト化をしておく

「紹介」は
適切な人間関係と、信用と、商品サービスの質が高いということであれば、
あるていど自然と発生するものです。
しかし、先にも述べたとおり、
売上計画を立てて、
その中に「紹介」というものを売上拡大の柱の一つとするのであれば、
そこには適切な「仕組化」を施しておくことが必要です。

ぼーっと待っていても紹介してもられる場合もあるのでしょうが、
基本的にはこちらから
「今、お客さんを探してますよ」
ということを認識してもらう必要があります。
逆に自分に置き換えてみてください。
自分の信用している人から
「紹介できるような人、いる?」
と聞かれれば探すことをしますが、
それを言われなければ
わざわざアンテナを張ってあげるようなことはしませんよね。

たまたま向こうから
「こんな仕事出来る人、探してるのですが」
とアプローチがあったときに思い出して繋げてあげるだけ
となってしまいます。

だからちゃんと
「紹介してもらえるような○○で困っているような人(会社)、いてませんか?」
と伝えましょう。
そして、それを伝える相手をリスト化しておくのです。

このリストの数が多ければ多いほど
見込み顧客の「流入経路」が増えるわけですから、
最終的な顧客創造につながる「量」は多くなります。

そしてそのリストも、ただリスト化するだけでなく、
紹介してくれる可能性や自社に対する信用度の高さなどから、
失礼かもしれませんがA~Eくらいでランキングしておきましょう。
この先お話しする「ロジカルな計画」につながります。
そしてそれぞれ特色もあるでしょうから、
どんな機会にどんなアプローチをしていくのか、
相手ごとに整理をしておくことが大切です。

ロジカルな計画をたてる

売上に計画や目標があるのであれば、
「紹介」からどの程度の売上や契約に結びつけるのか、
目標設定しておくことが必要かと思います。

まず最初に、「紹介」からどれだけの売上があがるようにするのか、
その金額や件数などを計画します。
そしてその件数を達成するためには、
「どの人」「どの会社」から「どれだけ」紹介してもらうか
を考えます。
さらに、「その人」や「その会社」から「それだけ」紹介してもらうためには、
それぞれに
「どんな頻度で」
「何回」アプローチする必要があるか、
というところに落とし込みます。

ここで先ほどの「A~Eランク」が生きてきます。
Aランクは互いの信用度も高く、
紹介してくれる可能性も高いでしょうから、
より積極的にアプローチしていく必要があります。

逆にEランクはアプローチ頻度を増やすことが無駄ですので、
適切な距離感で接していくことがベターかもしれません。
Eランクであっても今後の関わりによって
ランクが上がる可能性があるのであれば、
ランク上昇を目的としたアプローチを行う方がいいかもしれません。

このように、ネットワークのリスト対象へ、
いつ、どれだけ、どのようにアプローチするのかということを決定づけます。

ここまで行うと、計画は
「仮説」
と呼べるものとなります。
「これだけのことを行えば、この目標が達成されるだろう」
という仮説です。
この計画に従って行動した結果、目標が達成されなかった場合には
それは努力不足とかいうことではなく、
「仮説に誤りがあった」
ということです。
その後仮説を検証し、
その内容をブラッシュアップして次の行動へと取り組んでいくのです。
これがいわゆる、PDCAと呼ばれるものです。

次に、
紹介してもらったら、
そこからどのようなアプローチに動いて、
最終的に成約までつなげるのか。
そこの道筋をきちんとたてておきましょう。
例えば紹介いただいた後の、
①メールorTEL②訪問アポ③試用④成約
という道筋です。
そのそれぞれの過程での取りこぼしを極力少なくするために、
後に説明する「ツール」といったものの整備も必要となります。

自分の利益でなく、相手が紹介したくなるように。

これもよくあることですが、相手に対して
「紹介して、紹介して」だけ伝えてくる人がいます。
もちろんその相手との人間関係にもよりますが、
場合によっては
「なんでお前の売上と生活のために、紹介しなあかんねん」
ということになります。
ですから、紹介をお願いする場合でもそれは
「自分の利益」を前面に押し出すのは逆効果です。
誰もそんな人のために動いてはくれませんから。

そこまで思わないにしても、ただ
「紹介して」とだけ言われた場合には、
言われた側としては、
「そうは言っても、どんな人を紹介したらいいのよ」
となっているケースが正直ほとんどだろうと思います。

だからそこに具体性が必要です。
相手への献身性が必要です。
「うちの会社にはこんな商品やサービスがある」
「これを提供することで、こんな人のこんな問題を解消できる」
「だからこんなことで困っている人がいれば、ぜひ紹介して欲しい」
といったことを伝えるのです。
すると、紹介を求められた側も具体的に、
「ああ、あの人紹介してあげたら、その人も喜ぶだろうなぁ」
といったイメージが湧き、
紹介をしてあげやすくなります。

「どう伝えれば、相手が紹介しやすくなるのだろう」
こういったことを、自分の立場に置き換えて考えてみて、
様々なアプローチ方法を確立しましょう。

ツールを用意しておく

紹介をしてもらうためには
「わかりやすさ」
がとても大切です。
自分自身の代わりに自社のことを
説明してもらわなければいけないわけですから、
そこに「わかりやすさ」がなければ、
伝わるものも伝わりません。

ですからまずは、
自分がどんな人かどんな会社か、
一言で伝わる文言を考えておきましょう。

それが難しいようであれば、
自分や自社のことをわかってもらえる
「場」を作っておきましょう。

これが、
チラシかもしれませんし、
ブログかもしれませんし、
ウェブサイトかもしれませんし、
SNSかもしれません。
いずれにしても、
正しく相手に伝わる、ツールが必要なのです。

そこでも「わかりやすさ」が大切です。
自社の商品サービスを購入・利用することで、
どんな成果が得られるのか。
それを具体的に数値で表せるのでしたら、その方がさらにいいでしょう。



小零細企業にはこういった
「ロジカルに道筋を立てる」といったことと、
「そのためのツールを用意する」
という部分が圧倒的に欠落しているように思います。
こういった部分を丁寧に作り込んでこそ、
自社の「顧客の創造」ができるのだろうと思います。

ドラッカー曰く、
「企業の目的は顧客の創造」です。
企業である以上、しっかりとその目的を果たしてまいりましょう。

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