アイデアというものは何もないところからいきなり降ってわくものではありません。
アイデアの実体と、インプットの大切さについて。
「無」から生まれるものではない
皆さん(特に経営者)の周りには、
一人くらいいわゆる「アイデアマン」がいるだろうと思います。
そしていろんなアイデアを生み出しては、それらを実行していく様を見ていると、
そのアイデアは何もないところから次々と「発生」しているように見えます。
ですからそのような人を見て、周囲の人は
「あの人は天才だ」
と思うわけですね。
しかし、アイデアは、何もないところから自然発生するものではありません。
それはその人の中に蓄積されたものから生まれます。
ですから、もしアイデアを欲しているのであれば、
インプットは欠かせません。
アイデアを生み出したいのであるならば、
その原材料を大量に投入しないと、
求めるものは生まれてこないのです。
牛は、食べなければミルクはでません。
アイデアも同じこと。
経営者(特に小零細企業の経営者)は、
自らがアイデアの源泉である必要があります。
管理だけで会社がまわるような方は、
おそらくこのブログを読んでいる方の中にはほとんどおられないと思います。
ですから、インプットしましょう。
私もつい仕事が忙しくなったりすると、
急激にインプット量が減少します。
すると本当にアイデアが枯渇します。
インプットの方法は何だってかまわないと思います。
むしろその種類は多い方がいいでしょう。
本を読む、人と話す、旅に出る、美術館に行く、映画をみる、マンガを読む・・
それらが蓄積されて、アイデアの素となっていくのです。
アイデアは、組み合わせ
しかしアイデアは、
ただ情報をインプットするだけでは生まれません。
それらインプットされた情報は、
その段階では単なる独立した情報に過ぎないからです。
ではそれがアイデアとして発露するのはどんな瞬間かというと、
そのある情報が、別の情報と組み合わさったとき。
それぞれは個々別々の情報であったとしても、
その二つが融合して化学反応を起こしたときに、
それがアイデアとして表に出てきます。
元々自分の中にあるもの、つまり知識や経験ですね。
こういったものも、元を正せばその一つ一つは情報です。
そうした情報たちは、自分の中にインプットされて長く頭の中にいる間に、
醸成されていきます。
そうして過去にインプットされたものが醸成されていく中で
あるときその二つ以上のものがつながり、
アイデアになるのです。
ですから、きっと多くの人がそうでしょうけれども、
アイデアが突然ひらめくのは、
アイデアを出そうと机のうえでウンウンとうなっているときではないはずです。
とにかく情報を入れて、日頃から考えに考えている人が、
ふと散歩をしているときとかに、天の啓示のように降りてきます。
でもこれは天からの贈り物でもなんでもなく、
ちゃんと自分の中にあるものが、頭の中で整理され
つながって、別の形になって表出してくるものです。
そんな意味で、インプットしたものが頭の中で混沌としている人よりも、
ちゃんとインデックスがついたり引き出しの中に入っているかのように
頭の中で整理されている人の方が、
きっとアイデアは生み出しやすいんじゃないかと思います。
「アイデアのつくり方」
ジェームス・W・ヤングという人が書いた、
「アイデアのつくり方」
という本があります。
初出は1975年ですので、わりと古い本です。
たった100ページくらいの、とても薄い本です。
「薄い本」というと、マニアな人は別なものを思い浮かべるかもしれませんがw、
本当に薄い本です。
1時間くらいで読めてしまいます。
でもたったこれだけの中に、アイデアを生み出すためのノウハウが、
順序立ててきっちりと記載されてます。
こんな本があるにもかかわらず、なぜ誰もが「アイデアマン」になれないかというと、
この本の中にも書かれていますが、
それを実践するのがとても大変で、
実際に実行する人が少ないからです。
これはこの本に限った話しではなくて、
いい本を読んだり、いい話しを聞いたりしても、
みんなの経営がうまくいくわけではないのは、
結局そうして得たものを本気でモノにしようとしていないから。
せっかく得たものは、ぜひ取り入れて、実践しましょう。
経営者は結局その実践の数・行動の数・そしてそのスピードが
ものをいうのだろうと思います。
「アイデアのつくり方」、薄い本ですが非常にいい本です。
薄いだけにシンプルかつ的確です。
このブログで書いていることも含まれますが、
機会があればその内容をまとめて、また記事にできたらとも思います。