想像力は、武器。

経営者にとって、というか経営者だけでなく、
あらゆる人にとって、生きていく上で、
想像力というものは大切です。
そして想像力も、日頃から意識することで
鍛えることができるものだと思います。

想像力は武器

私が以前読んでいて、最近読むのをやめたマンガで
ゴブリンスレイヤーというものがあります。
比較的グロめの描写も多い、ダークファンタジー。
その中での主人公のセリフで、

「想像力は武器だ。想像できない者から順番に死ぬ」
というものがあります。

現実世界ではゴブリンに襲われることはありませんから
想像力が欠落するだけで死ぬわけではありませんが、
「こんなことが起きるかもしれない」
「こうすれば、こうなるだろう」
「こんなこと、できるかもしれない」
という想像力が豊かで、妄想力がたくましいことは、
日頃の仕事をするうえでとても重要なことだと思います。

ちなみにこの「ゴブリンスレイヤー」、
面白くはありますが、特にためになる部分はそれほどありませんので、
ダークファンタジーが好きな方にだけ、オススメします(笑)

計画は想像から。

基本的に私は、経営計画を策定することをオススメしているのですが、
計画を立てるときに、想像力がものをいいます。

人間、自分の中で具体的にイメージできないものは実現が難しいですし、
逆に鮮明に思い描くことができるものは、
それだけで8割がた実現しているともいえます。

想像できないということは、
ゴールの姿を具体的に描けていないということです。
計画を実現するには、まずその到達点を明確にして、
その実現のために何をすべきかということを逆算して考えていくという作業が必要です。
ですから、ゴールがそもそも不明瞭だと、
その実現に向けて何をすればいいのかが見えてきません。

そしてそのゴールに向けての過程も、
「こうやったらできるんじゃないか」という想像によって生み出されるものです。

想像力が強ければ強いほど、
その実現のための手段も数多くイメージできるでしょうし、
その手段自体もはっきりとイメージできます。

このように考えると、計画の策定自体が想像力の塊です。
ですから計画を策定することを繰り返すことが、
自身の想像力を高める訓練になるんじゃないかと思います。

PDCA。仮説は想像。

経営計画を策定してその実現に向けて行動すること自体、一つのPDCAではありますが、
日頃の経営の現場においては、
日常的な行動レベルでのPDCAを高速で回すことが求められます。

経営改善とはつまるところ
問題・課題の解決による経営全体の向上をはかることですから、
PDCAをどれだけ早く、正確に、高速でまわせるか、ということが、
事業の成功スピードに直結します。

まぁそこまで成長スピードを求めていない人は、
これをゆっくり回していただいてもいいのですが。

いずれにしても、日常レベルでのPDCAにおける「P」とは、
計画というよりも仮説という意味合いが色濃くなります。

「こうやったら、きっとこうなるだろう」と課題設定をして、
実際に実行をして、
その結果・成果を評価して、
それを踏まえて次の仮説へとつなげていきます。

そしてここでいう「仮説」が想像力そのものです。

仮説段階で、どれだけ幅の広い仮説を立てることができるか。
その想像力の幅が広ければ広いほど奥行きのある事業の広がりが生まれるでしょう。
そしてどれだけ精度の高い仮説を立てることができるか。
その想像力の精度が高ければ高いほど、仮説通りにことが進んでいきますので、
PDCA一回転で生まれる成果が高まり、成長スピードの向上につながります。

まぁ時には、失敗と遠回りから生まれるものもあるんですが。

危機管理、危機察知は想像力。

そして最後に、危機管理です。
経営にはいろんなリスクがつきものです。
そしてそのリスクには発生可能性の高いもの低いもの、
そして発生したときにダメージが大きいもの小さいもの、
この2つの軸が存在します。

発生可能性が低くてダメージが小さいものは
正直無視しておいてもいいと思うのですが、
発生可能性が高かろうが低かろうが、
クリティカルなダメージを与えるものは、
事前に想定しておかなければなりません。

ここで想像力がものをいいます。
まさに「想像できない者から順番に死ぬ」です。

自分の会社や事業で、決定的なダメージとなる事態とはどういうものなのか。
それをしっかりと把握しておきましょう。
これに対して事前に準備をしておけば、
その危機自体を回避することができなくとも、
実際にコトが起こったときにそのダメージを最小限にとどめることができます。

つまり、(会社的に)死ななくて済みます。

時々、悪いことをしてそれがバレたときに自ら命を絶ってしまうよう事件を耳にします。
もちろん悪いことに手を染める状況は人それぞれですから一概には言えないかもしれませんが。
これなどは多くの場合決定的に、想像力の欠如だろうと思います。

実際にコトが明るみにでたときに、どんなことになってしまうのか、
その想像が正しくできていないんですよね。

もしくは、そこから目を逸らしているだけなのか。
人間、非常に簡単に、自分に対してウソをつきます。
実は目を逸らしているだけなのに、
あたかもそれに気が付いていないように振る舞うことができます。
こんな無意識的な行動まで含めて、想像力の欠如、と呼んでいいでしょう。


発生可能性が極めて低かろうが、可能性はゼロではないはずです。
一撃で会社がなくなってしまうような事態は考えられないか、
想像力をフル回転させて、ぜひそのような事態に事前に備えていただけたらと思います。

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