閃きや思いつきから、画期的なアイデアを
どんどん生み出す方がたまにおられます。
先天的にそんな方もおられますが、
大半が後天的にその能力を身につけているのだろうと思います。
アイデアの元になる要素。
アイデアというものは、人の頭の中から生まれるわけですが、
そのアイデアが生み出されるための元になる
「要素」というものがあります。
それは大きく分けて、
人の内面から出てくるものと、
外部からもたらされるものがあります。
内面から出てくるものは、たとえば、
「閃き」とか「思いつき」とかいったものです。
自身の「経験」からもたらされるものも、
内面からと考えていいでしょう。
そして外部からもたらされるものは、
「情報」「知識」、
そして情報の亜種として、
「気付き」や「ヒント」というものがあります。
これらが種となって、アイデアとして花開くわけですが、
どの要素からアイデアが生み出されるかは、
人それぞれのキャラによって異なります。
閃きは先天と後天か。
アイデアの元になる要素の中で、
「閃き」は天性のものというイメージがありますが、
実際には先天的なものと後天的なものがあります。
先天的なものはまさに天性のもの。
特にきっかけなどないのに、
いきなり天から降ってくるものです。
これはまさに天才の能力。
ですから一般的な人が期待してはいけないもの。
後天的なものは、
その人の過去の経験の蓄積から導き出されるものです。
無意識の中にどんどんと蓄積されてきた経験が、
あるとき知識や情報など、
外部からの要素と化学反応を起こし
頭の中に閃く、というものです。
いきなり思いついたりするものですから、結果として
天性のものと同じようなものとも言えますが、
自分自身の経験がベースになっていますから、
その意味で後天的です。
若くしてそれほど人生経験がないにも関わらず、
とてつもなく人間の内面に迫った小説や詩を書く人、
奥の深いマンガを書く人、
これらはまさに先天的なものだろうと思います。
外部から入れる要素は大切。
そんな天才的な人もたまにいるわけですが、
我々凡人はそれを前提にしてはいかんですよね。
何も外部から知識も情報も入れていないのに、
ふと思いつくような人はほとんどいませんし、
私たちもきっとそんな人ではないはずです。
ですから私たちは、
外部から情報や知識を入れることを怠ってはいけません。
情報や知識は、それ自体は何の役にも立ちません。
しかしそれらを蓄積し、
それらを「知恵」として活かすことを意識しつづけることで
それは、アイデアへと近づいて行きます。
そして「気付き」や「ヒント」というものは、
前述の「情報」や「知識」とは異なり、
日常的に生活をしている中に散らばって落ちているものです。
ぼーっとしていると見過ごしてしまいそうな気付きやヒントは
たくさんそこらへんに落ちているのです。
私たちは経営者ですから、
それらを注意深く拾い集める意識を常に持っておく必要があります。
そんな意味で、気付きやヒントは、
どれだけ自分自身がそこに対して執着を持っているかによって、
得られる成果が大きく変わってきます。
普通の人から見たら普通にスルーしてしまうものであっても、
問題意識をもった人から見れば、
それは重要な気付きになり得るのです。
自分独自のアイデアは経験から。
外部からの知識や情報が蓄積されて、
そのままアイデアにつながることもあるでしょう。
しかしこれら「知識」「情報」は誰にとっても同質のものですので、
アイデアとして実を結んでも、
それほど独自性のあるものではありません。
そこで大切になってくるのが、「経験」です。
内面からやってくるもののうち、
先天的でない唯一のもの。
そしてこれまで内面に積み重ねられた経験は、
間違いなくその人だけの独自のものです。
知識や情報といった外部からのものが、
この「経験」と合わさって化学反応を起こして生まれるアイデア、
つまり前述の「後天的な閃き」こそが、
その人だから生み出すことの出来る、
独自性あるアイデアとなるのです。
ですから、アイデアを生み出すためには、経験というものは
絶対的に必要なものです。
そして経験は、
受け身であってもある程度得られるものですが、
自ら積極的に行動することで、圧倒的に多くのものを
得ることができるものです。
だからこそ、まずは「動くこと」。
最低限のリスクを回避するための思考は必要ですが、
あれこれ考えてなかなか動き出さないくらいなら、
とりあえず動いてみる、というのが正解です。
ヒントも知識も情報も、そして経験でさえ、
それら単独でそのまま放置していても、
特になんら価値を生み出すモノではありません。
しかし外部から取り入れた情報に対してその都度、
「ということは、どういうことだろう?」
と自身の経験やこれまで積み重ねてきた知識と照らし合わせて
思考するクセをつけることで、
きっと誰でも、アイデアを紡ぎ出すことができるのだと思います。
せっかく手に入れた、大切な「要素」。
ぜひ、なんらかのアイデアに昇華させていきましょう。