経営を俯瞰する②

先日、経営の全体像を俯瞰することの概要とその大切さについて書きました。 
※経営を俯瞰する①を参照
今回はその内容を少し深めていこうと思います。

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経営の全体像。

経営の全体像は大きくグループ分けして、
 ①ビジネスシナリオ
 ②マーケティング
 ③人事組織
 ④財務
 ⑤ライフプラン
 ⑥リスクマネジメント
という6つのパーツで把握するとわかりやすくなります。

これらを「経営を俯瞰する」カテゴリーで、これらの概要を
順番に解説していこうと思います。

①ビジネスシナリオ

経営の根幹をなす部分となります。
あなたが創業者であれば、どんな思いで事業をはじめたのか。
創業者でない方も、どんな事業で社会に貢献していこうとしているのか。
どのようなメッセージを社会に対して届けようとしているのか。
これがまず事業の底辺に広がっているであろうかと思います。
そうでない方は、まずこれを明確にする必要があります。

そして外部環境と照らしてあなたの会社は、
どのような事業を行っているのか。
そして近い将来どのような事業に取り組もうとしているのか。
こういった事業のあり方を考える部分となってきます。
こうして生み出された、あなたの会社が行うべき事業を
「事業領域」
と呼びます。

自己の内面と外部環境に向き合い、
自社のビジネスが果たしてビジネスとして成立するのか、
将来性があるのかを検証する部分ですので、
ここの分析や思考が浅いとビジネスそのものが危ういものとなりえます。

また外部環境が変われば社会が求めるものは少し変わります。
年に一度はしっかりと自社の事業のあり方を考えて、
事業領域を変化させていく必要があるのです。
詳細はビジネスシナリオだけをテーマにこってり語る回に譲るといたします。

②マーケティング&セールス

ビジネスシナリオであなたの会社の事業の目的と事業領域は定まったものとします。
さてその上であなたの会社は具体的に
どのような商品・サービスを誰に売っていくのでしょう?
その販売・営業の仕組みはどのようになっているのでしょう?
そして現在は顧客ではない「ターゲット」をいかに顧客にし、
その顧客を優良顧客へと育て上げていくのか。
それを仕組化して考えていくのが「マーケティング」のパーツです。

前回にも述べた通りですが、
これが①「ビジネスシナリオ」と密接に関わっています
(すべてのパーツはパーツ同士で必ず関わりがあるわけですが)。

あなたの商品は正しくビジネスシナリオに則っているのか。
商品だけでなく、販売・営業にいたる隅々まで
あなたの理念や社会に対するメッセージは行き渡っているのか。
この感覚をもつ必要があると考えます。

企業の目的(経営の目的、ではありません)は「顧客の創造」ですから、
経営の根幹が①であるとすれば、企業の根幹はこの②であると言って差し支えないでしょう。
あなたの会社の商品を顧客に提供して、いかに顧客に喜んで頂くのか。
企業はこれを実現するために、
会社内の仕組みを一つ一つを組み立てていく、という作業を行うのです。
すべての企業内活動は、
「自社の商品サービスを、それを求めるターゲットにいかにスムーズに届け、満足していただくのか」
そこに通ずるものであるべきなのです。

③人事組織

事業を行うに当たっては、
たとえ一人会社であっても必ず人は必要です。
そして②(マーケティング)を最もスムーズに実現するために
どのような組織が必要となり、
どのような能力をもった人をその組織にどう当てはめていくのか。
これが組織の考え方です。
そんな意味で②と密接につながっています。

社内でどのような販売の仕組みがあるかによって、
必ず組織のあり方は変わりますよね?
優良顧客をどのような手段で作り上げていくか、
ということにおいてもそうだろうと思います。

社内の間接部門(経理・総務・営業事務等)も直接的に顧客と関わるわけではありませんが、
顧客と関わる部分がいかにスムーズにその目的を遂行できるか
ということのために存在しているわけですから、
決して②と無関係ではありません。

そしてもちろん「人」に関わる問題ですから
①ビジネスシナリオとも強く結びついています。
①を実現するために、あなたの社員はどんな社員であるべきなのか。
逆に会社は①の具現化のために、社員といかに関わるべきであるのか。
それによって例えば就業規則のあり方や福利厚生規程などに大きな影響を与えます。

このつながりをしっかりと意識しておかねばなりません。
そうでないと、
「社長の言ってることとやってることが違う」
と言われる大きな原因の一つとなりかねません。
「普段いいことばっかり言ってるけど、現実には具体的に何もしてくれてないやんか」
ということになっている会社がとても多く存在するのが現実です。

会社の「規則」「規程」というと、非常に無機質なものに思えますが
実は全くそんなことはありません。
特に中小企業において、就業規則や福利厚生規程などの各種規程は
経営者と社員の人間関係を結ぶものですから、
血の通った生身のものに近いイメージです。
①と③が違和感なく矛盾なくつながっている組織は、
とても風通しがよく、
「生きている!」
という感じがするのです。

少し長くなってきましたので、④以降はまた改めて。

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