低利回り不動産投資に気をつけましょう。

最近、やたらと不動産投資が一般的になってきているように思います。
怪しいチラシや怪しい誘いも非常に多いので、
「銀行に預けておいても増えないし」くらいの安易な気持ちで手を出すのは
ぜひやめましょう。
というお話しです。

同じ不動産投資なら、マンションよりこういったものの方が面白いかも(笑)

不動産投資が身近になりすぎた。

かつて不動産投資というのは、
資産を持っている人が相続対策を行うためにやるものであったり、
お金がやたらあまっている人が手を付けるような、
少しハードルの高いものだと思われていました。

しかし最近は、
「FIREをめざしましょう!」
とか
「自分が働くのではなく、お金に働かせる!」
とかいう話しをやたら耳にするようになったことで、
一般の人でも簡単に不動産投資に手を出すようになってきました。

高校の授業でも投資の話しをするようになっているというのだから
時代の変化は恐ろしいものです。
だまされないように、という意味で
知識を持っておくことは絶対に必要ですが、
投資を学ぶ前に、
「自ら投資して自ら事業を起こして実業として稼ぐ」
ということも教えていただきたいものです。

お金の勉強も、
自ら働かない「虚業」の前に
「実業」あってこそだと思います。

少し話がそれましたが、不動産投資がこんなに一般的になって
誰でも手を付けやすいようになってきたことで、
中古不動産価格が上昇し、
それによって想定利回りもとても低くなっています。

10年以上前だと
「10%くらいの表面利回りがないとダメ!」
というのが私たちの感覚でしたが、
今は平気で表面利回り5%とかいうものが出てきています。
場合によっては、それより低いものも。

「投資信託でも3%くらいだし、それよりいいじゃん!」
という感覚でそんな利回りになってきているのでしょうが、
これは極めて危険です。条件にもよりますが。

そしてその中でも少し前から耳にするようになった
「ワンルームマンション投資」
特にこれは、どう考えてもマズイやろ、というものを
普通に提案として持ってくる不動産屋がいますので
要注意です。

実際に計算してみましょう。

それでは実際にどんなことが起こるのか、
計算してみましょう。

比較的手の届きやすそうな、一般的な事例、
物件価格 2500万円
表面利回り 5%
借入 2500万円
借入利率 2%
借入期間 30年
のワンルームマンションで考えます。

まず収入ですが、表面利回り5%ですので、
  2500万円×5%=1,250,000①
そして返済金額は元利均等だとして、
一か月あたり101,476円になりますから
  101,476×12=1,217,712円②
①ー②で考えると、32,288円になりますから、
これで最後に物件が手元に残って売れるから、うまくいくじゃないか!
と考えるかもしれません。

しかし実際には、諸経費がかかります。
概算で見積もって、ざっとこんな感じ

固定資産税 120,000
修繕積立金 100,000
管理費 62,500
火災保険 50,,000
合計 332,500円③
すると
①-②-③=△300,212円
というように、毎年30万の赤字になります。

これを30年続けると900万の赤字になるわけです。
「最後に手元に物件が残ってるんだから、それを売却すればいいじゃないか」
とおっしゃるかもしれませんが、
なんせ30年後です。
果たしてそのマンションは900万で売れますでしょうか?
もし1000万で売れたとしても、
900万の赤字に対してですから30年で100万円の利益。
そしてこの人口減少の日本で、
将来完全に住宅余りが予想されますから、
最悪、たたき売りみたいな金額で処分する、
ということにもなりかねません。

すると、運用どころか大赤字、
という結果になるわけですね。

ちゃんと勉強してちゃんと手間をかける

結局何が言いたいかというと、
もっとちゃんとした表面利回りがないといけないですし、
絶対に物件価格が下がらないような立地である必要がありますし、
あと、投資回収の期間が長すぎです。

期間が長いほど将来予測が困難になりますから、
その分リスクも高まります。
要は世の中、そんなに甘い話しはないということですね。

よっぽどの資産家で、
本物のプロに運用を任せるような人でない限り(それでもリスクはありますが)、
自分でちゃんと勉強して、ちゃんと手間をかけて、
そこに自分なりのアイデアも加えて、
希少性・独自性のある形にしないと収益性の高いものにはなりません。

でもここまでくると、これは投資と言うより普通に仕事ですよね(笑)。

人はお金に弱いですから、
その弱みに付け込んで
いろんな悪いことを考えている人たちが群がってきます。

先ほども言いましたが、
FIREという言葉が一般的になってきて、
本当にそんな輩が増えてきたように思います

そんなものに振り回されることなく、
自分の意志で、自分の計算で、自分の責任で、
投資を行っていただけたらと思います。

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