最近、今年の6月に放映されたカンブリア宮殿を
今さながらに視聴してので衝撃を受けましたので、
今日はその内容から感じたことを。
ネジロウ、という会社
最近、朝の筋トレ時間に、
WBSやカンブリア宮殿を1.5倍速で見ています。
オンエアでみると45分ほど近くかかってしまいますが、
1.5倍速でみると30分以内で視聴できるので
ちょうどいい感じです。
先日ふと、少し前のカンブリア宮殿の出演者で
興味がわいた方がいたので、見てみました。
とりあげられていたのは、
ネジロウという会社の道脇裕社長。
この会社は発明家である道脇裕氏が創業し、
社長を務める会社です。
会社が抱える技術的な困難や課題・問題に発明で解決する会社です。
これまでの代表作が
「絶対にゆるまないネジ(緩みにくい、ではなく、緩まない)」。
絶対に緩まないネジは、
ネジが発明されて以来約2000年にわたって解決できなかった、
「不可能なこと」だったらしい。
企業から依頼を受けるものは
条件があえば基本受けることにしているそうで、
引き受けた中で、これまで解決できなかったのは
ただの一つもないという驚愕の発明家でした。
発明しているのは、この道脇社長一人で、
ネジロウはその発明を実現し、形にするためのものだとのこと。
まぁ頭の構造が全く人とは異なる大天才でしたので、
その領域に近づくことは不可能ではありますが、
その発明にあたっての考え方が
思った以上にロジカルでわかりやすいものでした。
発明の方法
発明、というと着想やアイデアがパッとひらめいて、
それを試行錯誤実現してく、というイメージですが、
道脇氏のそれは全く異なるアプローチでした。
それは、
「対象の課題を分析して、『本質的な課題』を見極めるのが第一」
そのうえで、
「『理想がどうあるべきか』を見極めて『理想と課題』のギャップを理解する」
そして
「『こういうアイデアならギャップは埋まる』というアイデアを持ってきて、そのギャップを埋めるだけ」
という
三段階アプローチでした。
その最後の「ギャップを埋めるアイデア」を、
その業界の常識にとらわれず、むしろ自由に、
そのために必要な手段をよそから持ってくる、
とのこと。
最後の「アイデアをどのように引っ張ってくるか」、
というところが問題なんでしょうけど、
その手法自体はとてもシンプルかつロジカルに
物事を考えておられることに驚きました。
7年くらい数学の研究に没頭していた時期があったとのことですので、
もともとから論理的思考の人なんでしょう。
経営とアプローチが一緒
この発明方法を聞いたとき、
ああ、経営といっしょだなぁ、
と思いました。
経営計画はある意味、
会社の考える「理想の状態」です。
しかし、その計画を実行している間に、
その計画から徐々に乖離していくことが
往々にして、あります。
というか計画通りにいくことなど、
まずありません。
そこでこの計画(=理想の状態)と現状とのギャップを明らかにし、
そのギャップを埋めるために何に着手するべきか、
ということを考えます。
「計画(=理想の状態)」と「現状の分析」があるからこそ、
初めてそこにギャップが生まれ、
物事を効果的に改善していくことができるのです。
そこに経営計画の大きな存在意義があります。
道脇氏の発明に対するアプローチと、まさに同じ。
「そうか、経営は発明と同じ思考パターンで出来てるんだ」
ということに気付かされました。
解決方法は、極力シンプルに。
経営の現場でも、
このギャップを解決するために取り組むことは、
できるだけシンプルであることが大切であると思っています。
あれやこれやこね回して複雑なものになると、
そこには「仕事のための仕事」がたくさん生じるだけで、
悪い意味で会社が役所化してしまいます。
道脇氏の発明がいくつか紹介されていましたが、
それを聞いて感じたことは、
「解決方法が、めちゃシンプル」
ということでした。
失礼ながら、
「それ、私でも思いついたかも」
と感じされられるものばかりでした。
まさにコロンブスの卵。
最終的にそれを実現したり形にしたりという部分では
極めて専門的・科学的知識が必要ですから、
実際にはとても難易度の高いものなのですが、
その根本原理自体はあまりにシンプルです。
そしてそのシンプルさに、感動を覚えました。
シンプルさには、神が宿ります。
逆に、神が宿ったものだからシンプルなのか。
シンプルであればあるほど、
それこそが本質的な、本当の解決方法なのだな、
ということを改めて意識づけされる瞬間でした。
問題・課題は、
その本質的な原因を徹底的に突き止めて、
次に理想的な状態を明確にし、
そしてそこに生じるギャップを
極力シンプルな手段で埋めることで解決する。
この思考パターンを大切にしたいものです。