昨日のブログは、「たった一人に刺さるものを」というテーマでお話ししました。
しかし、どれだけ刺さるものができあがったとしても、
それを正しく相手に届ける必要があります。
一人だけに刺さるものはマニアック
「たった一人に刺さるもの」がいかに大切か、ということは
昨日のブログでお伝えしました。
特定の人の心に突き刺さって、共感を生むことが価値を生み
顧客との関係が構築される、ということですね。
そこをあいまいにした「みんなに売れるもの」は、
何の特徴もないため、結果として誰の心にも刺さりません。
だから確実にしっかりと刺さる、
ターゲットを明確にした尖った商品開発・サービスの構築が必要である、
ということをお話ししました。
しかしここで一つ問題があります。
その「刺さるもの」は尖れば尖るほど刺さりやすくもなりますが、
刺さる人の数も減る可能性がある、ということです。
「刺さりやすい」と「刺さる人が少ない」というのは
相関関係にあるわけではありませんから、
必ずしも尖れば尖るほど、刺さる人が少なくなる、
ということでもありません。
しかし「たった一人に刺さるもの」は
マニアックなものであったり、
特定の感性をもった人にしか伝わらないものであったりしますので、
必然的に市場は狭まります。
この「市場の狭まり」については
ある程度意識をしておく必要があります。
「これは、どの程度の数の人に刺さるのか。そしてそれは確かに価値を生むのか」
ということです。
狭めすぎること、特殊すぎることで、
「どこにも魚がいない池に釣り糸を垂らす」
ということにならないようにしなければいけません。
伝わらなければ意味がない
コンセプトを尖らせた次に必ず考えないといけないことは、
「発信をする」ということです。
どれだけそのコンセプトが尖っていて、
特定の人にとっての価値が高いものであろうと、
それが、その「特定の人」に伝わらなければ、
残念ながらそのコンセプトも商品も会社も、
この世に存在しないのと同じことです。
特定の人にしか刺さらないものだからこそ、
その分広く発信をしなければいけません。
とにかくその強くて濃い思いが、
多くの人に触れるようにしなければならないのです。
幸い今は、SNSを中心に、
それほどお金をかけずに発信をすることが可能な世の中です。
その分労力はかかるでしょうか、
労力をかけるだけの価値があるものです。
また通常の広告やSNSによる自己発信だけでなく、
ニュースリリース・プレスリリースを
積極的に行うようにしましょう。
そのコンセプトが社会性の強いものであったり、
ニュースとしての価値が高いものであれば、
その情報をマスコミ等が替わりに発信してくれます。
そしてニュースリリースは、
自己から発せられたものではないことがポイント。
公平性の高いものとして受け止められる分、
広告効果は、自社発信とは比べものになりません。
かつてはニュースリリースを作成して、
記事として取り上げてもらうために
それをマスコミ各社にメールやファックスで送るという力業でしたが、
今は「PR TIMES」など、ニュースリリースを作成さえすれば
その送信を代行してくれる会社があります。
こういったものを活用して、どんどん発信していきましょう。
思いが正しく届くように
先ほどもお伝えしたとおり、あなたの思いは
相手に届いてこそ意味があります。
先ほどは「届ける活動をしているかどうか」という行動レベルの話しですが、
次はそのクオリティレベルの話しです。
確かに熱くて深い思いがあって、
自社の存在を積極的に発信しようとしているにも関わらず、
その発信内容から残念ながら、
その会社の伝えるべきことが伝わっていないことが、
わりとあります。
どれだけ実際に発信をしようと、
そこで伝えるべき内容が伝わらなければ、
その思いを届けたい「特定の人」に、その思いは届きません。
伝えるべきことが伝わらなければ、
それがたとえその「特定の人」の耳に入ったとしても、
その人の心には刺さらないのです。
伝える側に、伝えたい確かな価値がある。
そしてその声は、その価値を伝えたい人の耳には届いた。
しかし心には刺さらない。
これほど残念なことはないですよね。
ちゃんとアプローチはできているのに、届かない。
このようなことになる原因は主に、
伝える側が伝えるべきことを、
ちゃんと整理ができていないところにあります。
どんな言葉にして届けるべきなのか。
どんなアプローチが正しいのか
どのように伝える必要があるのか。
自身が伝えたいことが相手に正しく伝わるよう、
自身の思いをきちんと整理し、きちんと表現する。
これがとても大切なのです。
どんな媒体や接点も、
相手に言葉を届ける時間やスペースは、
それほど多く用意はされていません。
短い時間で、狭いスペースで、正しく思いが届くよう、
しっかりと準備をしておきましょう。
他にはない、とんがったコンセプトは、
それを求める人には間違いなく刺さります。
その質と量をしっかりと追求していきましょう。
その積み重ねが、あなたのブランド力へとつながっていくのです。