会社の収益性を高めていこうとすると、
結局社員さん一人一人の日々の動き方が重要となります。
そのためには、社員さんにちゃんと利益構造を理解してもらう必要があります。
収益性を高める、とは?
収益性を高める、ということは、
決まった時間の中でいかに最大の経常利益をあげるか、
ということです。
しかしそこにいる社員が搾取される形で経常利益が最大化されても
意味がありません。
そこで考えるべきは、
「人が一人で一時間当たり、どれだけの粗利益をあげることができるか」、
ということになってまいります。
この数値をあげていこうとすると、手段は大きく二つしかなくて、
売上の単価をあげるか、
より短い時間で仕事を終わらせるか、
ということになります。
これを顧客満足度を落とさずに行うことが求められます。
もちろん
「手間がかからず売り上げがあがる種類の売上を増やす」、
という、収益構造そのものを変化させることも大切ですが、
それは今回のテーマとははずれますので、触れないこととします。
収益性が高まると、
会社はより短い時間で必要な利益をあげられるようになります。
必要な利益をみんなでさっさと稼いでしまうと、時間の余裕が生まれますから、
その分早く帰ってもいいですし、
休んでもいいですし、
その時間を会社や個人の未来への投資に充てることができるようになります。
するとさらに会社の収益性が向上する余地が生まれます。
このように、収益性をあげる活動を行っていくと、
そこから上昇スパイラルが発生します。
逆に収益性を無視した行動を繰り返していると、
下方スパイラルが生まれます。
会社に必要なものは、「ただあくせく働いて得る、売上」ではありません。
ここの部分を正しく理解しないことには、
会社は一向に豊かなものとはなっていきませんから、本当に要注意です。
社員さんに損益構造を理解してもらう
しかし、冒頭に述べました通り、
組織で動いている限り(それがたった2人の組織であったとしても)、
その収益性を生み出す素(もと)は社員さんにあります。
会社の収益は社員さんの行動によって生み出されているわけですから。
なので、収益性を高めるためには
社員さんにちゃんと会社の損益構造を理解していただく必要があると考えます。
それをちゃんとわかって動いているのとそうでないのとでは、
社員さん本人の納得感が全然違います。
そして損益構造を理解してもらうときにも、
「社員一人が一時間であげる粗利益」
の考え方が大切になります。
社員さんの給与はこの粗利益の中から支払われるわけですから、
会社の人件費以外の経費を差し引いて考えると、
「一人一時間当たり粗利益」が1500円しかなければ、
どう考えても社員さんの時給は1000円くらいを超えることはないわけです。
つまりこんな仕事をしている限り、
永遠に給与はあがらないわけですね。
そこで登場していただくのが、いわゆる
「ストラック図」、です。
今日は「概論」ということで、ストラック図の詳細に関しては触れません
(また近々のブログで説明するといたします)。
しかし、社員さんが収益構造を理解して粗利益の大切さを理解いただくには、
このストラック図が本当に優れものです。
これをベースにして、
会社の利益がどのように生み出されているのか社員さんも認識できるよう
ぜひとも社内勉強会を開きましょう。
そして、
「みんなでさっさと稼いで、給料上げるぞ!」
という思いを共有しましょう。
社内の問題を、ヒトに帰属させない
こういった「収益性」とか「効率性」とかいった話しを社内で議論しだすと、
ともすれば、
「これはお前の責任だ」、
「あれはあなたのミスが多いからだ」、
という、個人をつるし上げるようなことになってしまうケースもあります。
ただ、基本的に社内に存在する問題の原因は、
それを個人に帰属させていると、いつまでも解決しません。
ある人が起こしたミスは、
明日自分が犯してしまうかもしれないのです。
ですから、社内に存在する問題は、
個人ではなく会社に帰属するものとして考え、
「じゃあ、そうならないためにはどういった仕組みを作っていけば良いのか」
といった形で、仕組みで解決するようにしましょう。
会議を建設的な議論をする場とするためには、
そこが社員全員にとって
『安全・安心な場』であることが必要です。
「生じている問題は社内全体の問題として、個人の責めに帰さない」
ということをルールとして宣言することで、
経営者やリーダーが率先して、安心感のある場を担保しましょう。
社員さん含めた全員で豊かになる
社員さんに「効率化」「収益性」という話しをするときに、
「結局、会社の儲けかい!」となると、
社員さんは一切動きません。
素直な社員さんばかりだと、一時的に動いてくれるかもしれませんが、
人をダマしてそれを長続きさせることはできません。
ですから、全員で収益性を高める活動をしていくことが、
社員さん一人一人の豊かさにつながっていくことが大切です。
ちゃんと福利厚生に還元される仕組みをつくりましょう。
ちゃんと給与に反映される仕組みをつくりましょう。
そうやってちゃんと会社全体がよくなっていく仕組みがあってこそ、
人は動きます。
経費削減も同じことですが、
すべては全社員が今より豊かになるためにやっていることのはずですよね。
収益性や効率性を組織全体の力で高めていくためには、
絶対に社員さんの協力が必要です。
その前提となるのが、経営者の
「みんなの人生を少しでも豊かなものにしたい」
という純粋な思いなんだろうと思います。
自分のことしか考えていない人に、人がついていくことはありませんよね。